68.そういう所がダメなのか⋯
「まあ、東悟や翼の意見もあるだろうし、ウチのメンバーとも話をしないとだしな」
シーナちゃんの顔を見ると、反対ではないように見える。
「私はエイガさんの意見に従います」
(……話は聞いておった。この先3人では限界じゃとも思っておったが、結局エイちゃんがどうしたいかじゃ)
ユキちゃんは念話で伝えてきた。
シーナちゃんもユキちゃんも、俺が決めたことに従ってくれると言う。責任重大ぜよ。
「ふふふっ。朴念仁のエイガちゃんにも……そっかそっか、沙織……どうするんだろうな」
シーナちゃんと俺のやり取りを見て、東が呟く。コイツらは俺をからかう時に「エイガちゃん」って言うんだよな。
ユキちゃん、シーナちゃんとの関係を女の勘とやらで察知されたのなら恥ずいけど……いや、恥ずかしいことなんてしてないよ!
って、なんでここでサオリが出てくるんだよ!
◇◇◇
岩沙と東は電車の時間があるとかで帰っていった。
「まあ、年末か年明けまでは話も動かないだろうし、俺達も休みにして休息を取ろう」
「はい。わかりました。ゆっくりしましょう」
シーナちゃんの笑顔には、やはり癒されるなぁ。
「うむ。そうじゃな、もはやお主は儂の旦那様になったのじゃ。好きにするがよいぞ。沙織とのこともな」
「そうですね。沙織さんとのことはエイガさん次第ですもんね」
……。えっと、なぜか「サオリ単体」で話をしている気がするが……【瑛沙の東翼】と【雪の使徒】が合流する話だよね?
「くっ、せっかく男にしてやったというのに、何も変わらんではないか!」
「ユキさん……やっぱりそうなんですね。エイガさん、そういう所ですよ! ちゃんとしてくださいね」
ますます意味がわからん……。
「まあ、そんな所も好きになっちゃったんですけど」
「そうじゃな。ヘタレなエイちゃんらしくて良きじゃな」
2人で内緒話みたいに何か言ってるけど、聞こえてるからね!
……好きになっちゃったかー。「らしくて良き」かー。
なんだろ、心が凄くフワフワするなぁ。メッチャ嬉しいな。
◇◇◇
【瑛沙の東翼】とは年明けに一度話し合おう、ということになった。
年末年始と言うことは……。
お餅つきである!
少しだけもち米も作ってあるので、【経験値1万倍お雑煮】を食べられる!
あ、でも年末に餅つきする予定だから、【経験値1万倍餡子餅】【経験値1万倍きな粉餅】【経験値1万倍醤油餅】……楽しみすぎる!
あと、隣のおじさんが煎餅を自家製で作っているという話を聞いた。煎餅ならダンジョン攻略のお供にピッタリのおやつになる。
ドライフルーツじゃないけど、乾燥させるから魔力回復が付くんじゃないかと期待している。
◇◇◇
でも、大切なのはそんな事じゃないよな。年末までは、まだ間があるし⋯。
そのアレなんだけど、なし崩し的になっちゃったけど、ちゃんとしようと思う。
ちゃんと2人に想いを伝えるんだよ!
世の中には「クリスマス」なんて便利なイベントがある。去年は全く意識していなくて、失敗(?)したけどね。
「ユキちゃん、シーナちゃん。24日なんだけど……」
「クリスマスってやつかの? 儂はパスじゃ」
「えっ……」
いきなり出鼻をくじかれてしまった……。確かに去年も「異国の神に興味はない」とかで留守番していたっけ……。
「良い機会じゃ、椎名と2人で出かけて来るが良いぞ」
「……わかった。ユキちゃんがそれで良いなら……」
「良い良い。実はの、椎名とはな……」
「はい。ユキさん、ありがとうございますね!」
2人の間では、すでに話がついていたらしい。
「じゃあ……シーナちゃんとデートだね!」
「はいっ!」
照れながらも笑顔のシーナちゃん。可愛すぎてどうしていいかわからん!
居ても立ってもいられない!
とりあえず外に出て、クワを振るって畑を耕そう!
お餅をついて、四角柱に形を整えます。
数日後にある程度乾燥して固くなったお餅を薄く切ります。
それをパリッパリになるまで干して乾燥させます。
炭火で焼いて膨らませて、醤油薄く塗れば⋯
滅茶苦茶美味しいお煎餅の出来上がりです。
油で揚げても、美味しいよ




