65.初体験⋯
その後はダンジョン協会へ報告に行き、表彰してもらったり、デバイスをアップデートして超級ダンジョンが表示されるようにしたり……。
超級パーティには担当ダンジョンが割り振られるらしいが、まだ決まっていないとのこと。
俺たちの希望もある程度聞いてくれるみたいで、後日会議があるそうだ。
◇◇◇
色々と一段落して、3人で家でくつろいでいる。少し寒くなってきたが、田舎の一軒家でゆっくりするのも悪くない。
そういえば、俺の「運S」に「+」が付いていたよな。
どうりでボスドロップがザックザクだったわけだ。
シーナちゃんの「器用さS」にも「+」。どうりでご飯が美味いわけだ。
まあ、シーナちゃんが作ったご飯なら多少の事は目をつぶれるとは思うけど、最近ではプロ並みに美味いよ。
「ホントに美味しいね。シーナちゃん、腕を上げたよ」
「そうですか? ありがとうございます。嬉しいな!」
「シーナちゃんと結婚出来る人は、めっちゃ幸せだよね」
ホント羨ましいけど、今のシーナちゃんは「雪の使徒」の料理番でもあるからね! 良い人ができても見捨てないでほしいものだね。
「良かったですね。エイガさん!」
「ん? 良いのは将来の旦那さんだよ」
「だから……その……」
……どういう意味だろう?
まあ、今上級ダンジョンをクリアして幸せだし、良いか……。
「まあ、将来の話は置いておこうか」
あれ? なんかシーナちゃんの表情が冴えない……。
どう答えれば良かったのだろう。
◇◇◇
なんて思っていたのだけど……。
「エイちゃん! 本当にいい加減にせいよ!」
あれ、ユキちゃんが怒ってる?
「どうしたの?」
「儂はな、エイちゃんの事も好きじゃが、いつも美味しいご飯を作ってくれる椎名の事は大切に思っておるのじゃ」
「うん。俺もシーナちゃんは大切だよ」
「ユキさん、良いですよ。大切に思ってもらえるだけで十分ですし」
シーナちゃんが口を挟む。
「椎名よ、本当にそれで良いのか?」
「はい……」
「エイちゃんが、椎名の事を好きだとしてもか?」
「えっ? でも、妹とか娘とかって……そういう好きだって……」
確かに俺はシーナちゃんの事が好きだ。大好きだけれども、女性として好きかって言われると……俺にはわからない。
「エイちゃん!」
「ど、どうした、ユキちゃん……」
「儂のステータスを見てみるが良い!」
◇◇◇
ユキちゃんのステータス……。
パーティメンバーのステータスは、本人の閲覧許可があれば見ることができる。
【ユキ(実体モード:年齢=レベル)】
レベル: 18(★成体化!)
称号: ダンジョンマスター
戦闘力: 54(+3)……[幽体:18]
持久力: 69(+3)……[幽体:23]
魔法力: 132(+6)……[幽体:183]
魔力量: 122(+6)……[幽体:61]
「……18になってる!?」
「うむ。流石は上級ダンジョンのコアと言うところかの」
「えっと……と、と言うことは……」
「みなまで言わせるでない!お主が18でと言ったのではないか!」
……ちょ、ちょっと待って……!
こ、心の準備が……!
「そんなモノは、いらぬ! ヤればいいだけの事じゃ!」
……でも、それはやっぱ好きな人とじゃないと……。
あれ? 俺、ユキちゃんの事ずっと好きだったし、良いのか?
「あ……うん。じゃあ、えっと」
でも、シーナちゃんの事も気になるよ。ユキちゃんとそんな事して、シーナちゃんに嫌われたらどうしよう。
シーナちゃんの笑顔が陰るなんて耐えられないし、もし嫌われたら立ち直れないよ。
あれ? やっぱり、シーナちゃんの事も好きだったのか……?
シーナちゃんを見る……。目を伏せて、微妙な表情……。
どうしたら良いのだろう。
経験値いっぱい得たって、レベルが上がったって、ダンジョンをいくつクリアしたからって……コレばかりはわからないよ!
「ナニ、3人で仲良くすれば良かろう」
……? ユキちゃん、アナタは何を言っているのですか??
ぐぬぬぬっ!
ユキちゃんダメだよ!シーナちゃん逃げて!




