53.体験入隊
(―突然の連絡ゴメン。あのさ、聖なる石って持ってる?)
超級ダンジョンに挑む同級生パーティのサオリにメッセージを送ってみた。
(―持ってないけど……。心当たりはあるわ)
(―え、俺の新しい武器を研ぐのに必要なんだけど。情報モトム)
(―モトムって……。まぁ良いわ。姫路城の西の丸ボスからドロップするという情報があるわよ)
(―じゃあ、もし手に入ったらちょうだい!)
(―他ならないアンタの頼みだけど、暫くは無理ね。この前返り討ちにあったばかりだし……)
◇◇◇
超級パーティ【瑛沙の東翼】でも返り討ちだと……。
東藤沙織の化け物じみたステータスを、この前の助っ人で見たばかりだ。俺が手こずったオークキングを一撃で葬るというアタッカーのサムライ・高橋東悟。
彼らと同じレベルという聖騎士の蔦谷翼がいて、斥候の岩沙歩と魔法使いの東希美は一般職ながらレベル70を超えているという。
(―お前らでも難しいのか……大変だな)
(―西の丸のボスの姫様には、まず物理攻撃が効かないのよ。あと魔法耐性も強くて、弱点の闇属性がウチには無いから……)
(―闇属性か……)
ウチにはユキちゃんがいるけど……。
(―あ、ユキちゃんって闇属性だったわよね。魔法力100超えの!)
(―あ、うん。ユキちゃんパネェよ!)
(―あのさ、無理を承知で言うけど、ユキちゃん貸してくれない!?)
(―え、いや。無理っしょ)
(―ドロップ品は譲るわ。聖なる石があるかもしれないわよ)
(―……ちょっと考えさせてくれ。ユキちゃんにも聞かないと)
◇◇◇
姫路城の攻略には、まず西の丸を確保して攻略の足場を作る必要があるそうだ。西の丸を確保しておかなければ、城を攻めている時に背後の西の丸からモンスターがひっきりなしに湧いて詰んでしまうらしい。
ただ、西の丸のボス「千姫」の攻略に手間取っているそうだ。
(―じゃあさ。アンタたち【雪の使徒】3人とも来てくれないかしら。歩と希美が休み取ってるからさ。どの道探索は行き詰まってるのよね)
ウチは3人だし、瑛沙の東翼は5人パーティだけど、パーティは6人が基本だ。2人が休んでいるなら俺達が入れば6人になる。俺達の超級ダンジョン体験を含めて良いかもしれん。
田植えをしてなぜかレベルの上がった俺たちだけど、まぁ、イチゴや豆をたくさん食べたおかげかもしれないけどね。
シーナちゃんはイチゴを食べ過ぎて「イチゴが嫌いになりそう」と言っていたが、レベルは2つ上がっていた。
【三雲 瑛雅】
レベル: 34(1UP!)
称号: 勇者
戦闘力: 82(+3)
持久力: 68(+2)
魔法力: 82(+3)
魔力量: 68(+2)
器用さ: S
運: S
【椎名 薫】
レベル: 33(2UP!)
称号: くノ一
戦闘力: 66(+3)
持久力: 79(+3)
魔法力: 48(+2)
魔力量: 48(+2)
器用さ: S
運: B
【ユキ(実体モード:年齢=レベル)】
レベル: 15
称号: ダンジョンマスター
戦闘力: 45(+3)……[幽体:15]
持久力: 60(+3)……[幽体:20]
魔法力: 114(+6)……[幽体:156]
魔力量: 104(+6)……[幽体:52]
レベル上がったとはいえ、ようやく80に届いたステータスだと、100超えのあいつらの足を引っ張ってしまう。
(―椎名さんには斥候に専念してもらって、アンタはバフ係。ユキちゃんは立派な戦力ね。これでいきましょう)
(―ちょっと待て。まだ行くとは……)
「良いではないか。その剣が本来の【勇将牙】になれば、上級ダンジョンも攻略できるじゃろうし」
ユキちゃん、心読まないで……。
って、今回は伝える手間が省けたか……。
シーナちゃんにもメッセージ履歴を送って相談する。
「私も行ってみたいです。沙織さん達なら信頼できますし」
そうだな。まぁ、嵌められて囮にされるなんて事にはならないだろうし。
(―じゃあ、ボスのドロップ品とダンジョンコアは、ウチの取り分でどーよ)
少し間が空いた。パーティメンバーで相談しているのだろう。
(―ええ。問題ないわ。よろしくね!)
超級パーティに体験入隊させてもらっての、超級ダンジョン挑戦!
つい1年前は初級ダンジョンすらままならなかった俺が、超級ダンジョンに足を踏み入れるという。
テンション上がってきたよ!
昨日更新できてませんでした⋯。
今日はちょっと早めに更新です!




