47.上級ダンジョンと聖夜
「フハハハーっ! 我が乱斬丸は圧倒的ではないか!」
上級ダンジョン1層目の雑魚敵は問題なく倒すことができている。レベルが1つ上がっただけだけど、準備もしたし問題は無い。
上級ダンジョン1層目のボスの能力は、中級ダンジョンのボスクラスという。
なら、楽勝かな。
1層目は小動物エリアだった。
ネズミにウサギ、リスやイタチ型のモンスターが多く現れた。
「この先がボスかな?」
「はい。そうみたいですね」
「じゃあ、いったん休憩しよう」
今回から、力強い補給アイテムがある。
干し柿が完成したんだ。
【エイガの干し柿】
体力回復:中
魔力回復:中
疲労回復:中
経験値:小
これ、凄いよ。2個食ったらほぼ回復するんじゃないだろうか……。経験値は小だけどね。
数十個作ったけど、これ無限にあればずっと探索してられるのかな?
ドライフルーツが魔力回復アイテムになるのだろうか。検証するべきかな。
◇◇◇
1層目だけで、中級ダンジョン1個分くらいの広さがある。流石は上級ダンジョンと言うべきか……。
これだったら、上級ダンジョンをクリアするのに日帰りは不可能か……。キャンプの準備が必要かもしれん。
「上級ダンジョンクリアのためには、もっと準備が必要だなぁ」
干し柿を頬張りながら呟く。これ甘くて美味いな。
渋みも全くない。
「じゃあ、帰ったら買い物ですかね?」
「あ、そうだね。明日……付き合ってくれるか?」
あれ? 急にシーナちゃんがなんか照れだしてる?
「え、あ、付き合っ……」
「あ、いや、買い物にだよ」
サラッと言うと、シーナちゃんの照れていた表情が曇る。
「もう!そういう所なんですよ!」
そういう所とは? 最近よく言われる気がする。
「エイガさん! 明日は何の日かご存じなんですか?」
「えっ? 明日……。今日は12月……あ、そっか、クリスマスイブか……」
「そうですよ! そんな日に女性を誘うなんて、イミわかってます?」
「あ、いや、あ、そっか……シーナちゃん約束あったのかな? ゴメン、買い物は俺一人で行くよ」
仕方ないか……。男との約束だったらヤダけど……。
「もぅ! エイガさんのバカ!」
あれ? 怒っちゃった……。
また何か間違えたのかな?
「エイちゃん……。やっぱ、どうしようもなくおバカなんじゃな……」
ユキちゃん。そんな事言ってないで答えプリーズ。
「シーナちゃん。何でもするからさ、怒らないで欲しいな」
「怒ってなんかないです。……って、何でもしてくれるんですか?」
「え、あ、言葉の弾みと言うか……まあ、俺にできることなら……」
「じゃあ、明日は私とクリスマスデートですっ! ちゃんとエスコートしてくださいね!」
エスコート……もう前日だから、予約とか難しいだろうし……どうしよう。
「わかったけど……今からじゃ……」
「わかりました。明日、買い物に一緒に行くって事で手を打ちます!」
まあ、クリスマスプレゼントを何か考えないとだな。
この前あげた身代わりのネックレスは、パーティメンバーとしての必需品だったからなぁ。
◇◇◇
「諸々決まったところで、エイちゃん。どうする?」
干し柿で体力も魔力も疲労も回復している。
「じゃあ、今日は1層目のボスを斃して、2層目の雑魚敵の感触を確かめて帰ろう」
「そうじゃな。それで良いかの」
「はい。わかりました」
1層目のボスは、大イタチ。
スピードがあり、攻撃力もまあまあ。でも、今の俺たちの敵じゃない。
ユキちゃんのデバフが入り、動きが鈍くなったところを、俺のバフがかかったシーナちゃんが急所をえぐり討伐。
ドロップ品の中に、ダンジョンコアの欠片があった。
「これだとまだまだレベルは上がらんが、経験値は入ってくるようじゃ」
そういうものなんだ。上級ダンジョン討伐にはかなり時間かかりそうだけど、これならユキちゃんのレベルも少しは上がりそうだね。
しかし、俺の出番なく終わってしまった。
レベル上がってるし、俺たち強くなってるよな。
……なんて調子に乗っていた時期もありました。
2層目から本番と言うか、空気からして違う感じで、雑魚敵から侮れない感じでした。
一旦、帰ろう。
明日は、シーナちゃんと買い物⋯いや、デートだしね。
干し柿以外にドライフルーツってなんか作れるかな?
なんて思ってたんだけど、梅干しってどうなんだろうか⋯




