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39.秋の収穫物


畑の隣の樹木が生えているスペースも、今やユキちゃんのダンジョン区域。


ガンガンレベル上げていこう。俺の悲願達成(どうていそつぎょう)のためにも。


ここでは、柿や栗が採れる。


栗を拾いながら、さり気なく聞いてみた。

「シーナちゃん」

「はい」

笑顔が眩しい。カワイイなぁ。っと違う。

「あのさ、約束?なんだけど……」

「はい……」

「えっと、約束ってなん――って痛っ!」

「あ、ごめんなさい!」


栗のイガをシーナちゃんに当てられた。……ワザとだよね?

そんなに忘れちゃまずい約束だったのかな。


「えっと、その約束って今すぐじゃなくても良いよね?」

必殺時間稼ぎ!

「あ、はい。私にも色々準備がありますので、大丈夫ですよ」


ふぅ。ひとまずは、大丈夫か。

まあ、小さい時のしーちゃんの事も思い出したし、そのうち思い出すだろ。


でも、色々と準備いるものか……。謎が深まるばかりだよ。


◇◇◇


「ちょっとは進展したと思ったんじゃが……」

ユキちゃんがため息をつく。

「はよう筆おろしをしてやらんとイカンのかのぅ」

「えっ? 何の話?」

「いつまでも童貞ムーブされると、椎名が不憫じゃからな!」


童貞ムーブって。どこで知ったんだよそんな言葉。


「なんだよ、その……」

「もう出来んことはないと思うが……」

「いやいやいや。普通に逮捕案件だからダメ!」


と言いながらも、12歳になったユキちゃんは少し大人びてきて、でも未熟な果実のようで、生唾が……。


「何やってるんですか? ご飯ですよ」

シーナちゃんに呼ばれて食卓につく。

栗は栗ご飯に。焼き芋に、ニンジンと大根のサラダ。


「あと、こんなん採れましたね」

落花生が採れた。

「これ、保存できそう。ダンジョンに持っていけるね」


ソラマメスナックの在庫がもう尽きていて、何か他の簡単につまめるモノが欲しかったんだよ。

ピーナッツなら、炒ったやつが美味いだろうか?


◇◇◇


最近あまりレベルが上がらなかったけど、今日の栗ご飯と、ユキちゃんは前回の中級ダンジョン攻略でみんな一つずつレベルが上がったよ!


【三雲 瑛雅(ミクモ・エイガ)】

レベル:30(1UP!)

戦闘力:70(+3)

持久力:60(+2)

魔法力:70(+3)

魔力量:60(+2)

器用さ:S

運:S


【椎名 薫(シイナ・カオル)】

レベル:28(1UP!)

戦闘力:51(+3)

持久力:64(+3)

魔法力:38(+2)

魔力量:38(+2)

器用さ:S

運:B


【ユキ(実体モード:年齢=レベル)】

レベル:12(1UP!)

称号:ダンジョンマスター

戦闘力:36(+3)……12

持久力:51(+3)……17

魔法力:96(+6)……129

魔力量:86(+6)……43


⋯⋯の後の数字は、幽体モード時のステータスみたいだな。


中級ダンジョンなら無双出来そうだな。

近いうちに、もう一箇所攻略しようかな。


◇◇◇


ご飯を食べたけど、少しだけ物足りないかなって思っていると

「デザートは柿を剥きました。どうぞ」

シーナちゃん。気が利くねぇ。惚れてしまいそうだよ。


「あれ? 2種類あるんだ」

普通の丸い柿と、細長いロケット型の柿……。

普通の丸い柿は、甘くて美味かった。


「こっちは、どんな味かな」

ガブッと齧ったんだけど……。

渋っ……! 口の中がグアって、なんと言って良いかわからんけど、物凄い不快!


「それ、渋柿じゃろ」

ユキちゃん。大切な事は先に言おうね!どうりで丸い柿ばかり食うなって思ってたんだよ。


「あ、ごめんなさい! 知らなくて……」

「いや、シーナちゃんは悪くない。これも経験値のため……」

頑張って食べようとするが……。

「ブフォ!」

盛大に吐き出してしまった。


「こら、無理するでない。干し柿にでもして、美味しく食べれば良いじゃろぅ」


干し柿?

干し柿作れるのか?

体力回復が付くなら、ダンジョン攻略にめっちゃ役に立ちそう。


しかし、この渋くて食えん柿が、干し柿みたいに甘くなるんかね。

シーナちゃん派の私としては、ちょっと腹立つので、エイガさんに渋柿を食わせてみました。


私と付き合ってくれたら、エイガさんと思いを遂げさせてあげ⋯イヤ違う。それじゃあ結局、エイガさんに取られちゃう⋯

あ、そうだ。エイガさんへの気持ちをあきらめて、私に気持ちを向けてくれたら、ボンキュッボンなボディにしてあげよう。

イヤ、違う。そのままのシーナちゃんが好きだからボンキュッボンになっちゃダメ。


シーナ「ボンキュッボン⋯なってみたいかも」


えっ?

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