37.デート
「お願いします」
ダンジョン協会へ中級ダンジョンのドロップ品と、剥ぎ取った素材を納品する。
「凄い量ですね……」
確かに……。
あまり考えずに集めまくったから、山の幸がいっぱいだ。
薬草の束、果実とか、木材なんかもあある。そう言えば、木のモンスターもいたからな。
ボスイノシシの毛皮とか牙、雑魚モンスターからも様々なドロップ品が出たな。
「シーナちゃん。これストレージの容量、前より多くない?」
「レベル上がりましたから、前の軽トラの荷台くらいの容量になってます!」
「そうなんだ。……あ、じゃあ引っ越――」
ストレージが足りないから引っ越しできないって言ってた。戻ったなら引っ越せちゃうな。
ずっと居ても良いよと言ったものの、決めるのはシーナちゃん。
「えっ? なんですか?」
「あ、引っ越……いや、なんでもないよ」
「はい。なんでもないんです」
今までだって、引っ越し屋を手配すれば良いだけなのに残ってたし。出ていきたいなら自分から言うよね。
「なんでもないんですからね!」
と、念を押された。
「まあ、俺はずっと居て欲しいし良いんだけどね」
「そういう事です」
と言いながら、なんか照れてるシーナちゃん。
なんか会話が噛み合わないようで噛み合うな。
まあ、シーナちゃんが良いなら、本当にずっと居て良いからね。
◇◇◇
「でも、凄い金額になったね」
サラリーマンの年収くらいの額を2日で稼いでしまった……。
まあ、半分を活動費にするから、俺が手に入れるのは四分の一だけど……。
中古でなら車が買えるがどうしよう。
もう2回貯めて、四駆を買おうか……。
「あの、四駆の車を買うと言ってましたので、今回の活動費から確保しておきますね。何回か中級ダンジョンを攻略すれば買えますよ」
「あれ? 俺の取り分から買うつもりだったんだけど……」
「車はパーティの活動に必要だから、活動費から出しますよ。経費申請できますし……」
「そうなんだ……」
探索良し、戦って良し、ストレージ良し、連携良し、顔良し、性格良し、料理良し、更に経理まで良しなんて……。
優秀すぎる。俺のパーティにはもったいないくらいだよ。
……スタイルは、……まあ、カワイイから良し!
カワイイからね。小さくてカワイイ。ちいかわだね!
「エイガさん。何か失礼な事を考えてませんか?」
あ、ヤバい。1点を凝視していたのがバレた? 正しくは2点だけどね。
ご機嫌を取らないと……!
「いや、シーナちゃん優秀だから、お嫁さんにできる人は幸せだなって!」
「もうっ、エイガさん! そういう所ですよ!」
怒られちゃったけど、ご機嫌はめっちゃ良くなった。
◇◇◇
その後、一緒に映画を見たり、ゲーセンで遊んだり。
UFOキャッチャーで数千円使ったのは内緒だよ!
その後、シーナちゃんが100円で取っちゃったのも内緒ね。
「楽しいね」
笑って言うと、シーナちゃんも笑顔。
「はいっ。めちゃくちゃ楽しいですっ!」
「もう一箇所だけ行くところがあるんだ」
まとまったお金が手に入ったから買えるものがある。
何より、今回はシーナちゃんへのご褒美だからね。
「えっ、どこですか? って、ここは……」
ダンジョン産のアイテムとかが売られている店が、このショッピングモール内にあった。
少しガッカリしたようなシーナちゃんだけど。ゴメンね。お洒落な店じゃないんだよ。
「すいません。これ見せてもらえますか?」
「あ、はい。どうぞ」
厳重な箱から、ネックレスを取り出してもらう。
端末の鑑定機能を使う。
【身代わりのネックレス】
装備していると、致命傷を一度だけ無効化できる。
ただし所有者の全魔力消費、1分間の硬直。
破格の性能だよな。
「確かに。店主、これ買うよ」
「まいど」
素っ気ない店主だけど、知らん仲じゃない。愛想は悪いが、良い奴なんだよ。昔の探索仲間。
中級ダンジョンを攻略して端末に溜まった7桁の数字が一瞬で無くなるが、車を買う必要もないし、これで良い。
「シーナちゃん。これ……」
シーナちゃんの後ろに回って、ネックレスをつけてやる。
「えっ!」
「これ、致命傷を肩代わりするやつだから付けておいてね」
「えっ、えっ……!?」
「あれ、あんまり気に入らなかった? でも、命には代えられないからね」
「いえ、ビックリして……。嬉しすぎてよく分からないです。でもコレ、高いんじゃ……」
まあ7桁円だからね。軽自動車くらいなら買えるか……。
「大事なパーティメンバーの命だからね。安いもんだよ」
「大事……ぐすっ」
シーナちゃん、ネックレスを触りながら泣いちゃった。
泣くほど嬉しいなら良かったけど……。
泣くほど嫌だったら、俺が泣くよ。
でも「嬉しい」って言ってたよね!
私もシーナちゃんとデートしたいなぁ。
エイガ「たとえアンタ(作者)でもシーナちゃんは渡さん!」
シーナ「そういう所ですよ。もう!」
ぽっ⋯
うーん、書いてられんな。




