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30.隠蔽スキルやぶり⋯したかったな!


「みだれ斬り」で闇玉を全て打ち払い、光魔法のバフ入りの斬撃で、ユキちゃん(偽)を呆気なく撃破することに成功した。


乱斬丸って、なんか一撃するだけで名前の通り「みだれ斬り」って言うか、滅多刺しになっちゃって……モンスターとは言え、人型に対してはちょっと残酷だなぁ。


「エイちゃんよ」

いつの間にか、隣にユキちゃんとシーナちゃんがいた。


スキル使用後の硬直時間の間に近付いて来たみたいだ。

ソロ用の全体攻撃スキルなのに、使ったあとに硬直時間があるという、ソロでは使えないスキル……。

今回は役に立ったが、マジで俺ってこういうネタスキル多いよな。


……泣けてきたよ。


「お主……普段は温厚なくせに、敵に対しては本当に容赦ないのう。曲がりなりにも儂の姿が切り刻まれるの、なんだか怖かったぞ……」


いや、アレは姿はユキちゃんだけど、ボスだからさ……。


「私も……。エイガさんの敵にならないようにします……」

シーナちゃんまで……。

「いやいやいや。ユキちゃんやシーナちゃんが敵になることなんてないからね」

と言うけれど、イマイチ納得してくれない二人。


「なんか儂がエイちゃんに切り刻まれてるみたいじゃった……」

「……もし、エイガさんが浮気とか酷いことしても許します……」


ん? なんかシーナちゃんが変なこと言ってるけど。

浮気ってのがちょっと意味わからないけど、酷いこととかしないから……。


「あ、クエスト達成だね」


【クエストを達成しました】

報酬: 経験値(特大)

ドロップアイテム: 巫女装束

特別報酬: ダンジョンマスターの解放


……。経験値特大。

凄いとは思う。思うのだが……。

俺のレベルは上がらなかった。

「エイガさん。経験値特大なんて初めてです……。でも、レベル上がりませんね」

シーナちゃんが悲しそうに言うけれど、キミの初めてをもらえて良かった。


じゃなくて、

「うん。そうだね。俺も上がってないよ」

「ふふっ。エイガさんと一緒なら良いか」

シーナちゃんが笑顔に変わる。


……なら、良いか。いや、それで良いんだ?

俺はまだ泣きそうだけどね。


ドロップアイテムは巫女装束か……。


「これは椎名が着ると良い」

ユキちゃんが巫女装束を拾い上げて言った。

「えっ。良いんですか?可愛いので着てみたいですけど」


俺の方を見るけれど、正直今の色気の無い探索者服も良いのだけれど、巫女装束に身を包むシーナちゃんを見てみたくもある。


「良いよ。俺が着るのも変だし、ユキちゃんは服要らないしね」

「防御力と動きやすさを兼ね備えていて、魔法耐性もある椎名向きの服じゃ」

「ちょっと着てみたいです。見ないでくださいね」


隠蔽スキルを使ってシーナちゃんが消える……。


着替えてるのか……み、みたい!


ええい。何か隠蔽スキルを破るスキルはないのか……!


あ、攻撃を当てれば……いや、ダメだろ!

縋るようにユキちゃんを見る。


「エイちゃん。何を考えているのか解るが、儂もおなごじゃからのう。協力はできん」

「……いや、なんの話ですか」

ご、誤魔化さないと⋯

「儂の着替えなら見せてやるがの」

うっ、誤魔化せなかったか……ってかアンタの着替えって、一瞬で切替わるやつじゃん?


そんなの見たうちに入らないって。

それにつるペタだし⋯

あ、でも、26才のユキちゃんの姿と言うダンジョンボスのシルエットが頭に浮かび、生唾が⋯



「あ、すごーい。なぜかわからないけど、動きやすいです」

不意に巫女装束姿のシーナちゃんが現れて、走り回っている。


動きにくそうな格好なのに、ダンジョン装備だ。スピード補正とかあるんだろう。

くノ一とか忍者って言うと忍者装束なんだけど……これが正解だね。


だって、巫女装束姿のシーナちゃん、めっちゃ可愛いもんな。

ただでさえ可愛いシーナちゃんの可愛さが、何万倍にも膨れ上がって爆発してるよ!

巫女服はユキちゃんだったなと反省。

ユキちゃんにも可愛い服を用意しないと⋯

今、ユキちゃんは浴衣姿。めっちゃカワイイのね。


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