29.ユキちゃん(偽)戦
レベル5の時の小さなユキちゃん。ユキちゃん(偽)とでもしようか。
全身が黒いので、ユキちゃんとユキちゃん(偽)の違いはわかる。
今のユキちゃんのレベルは9。大きくなったものだ。お父さんは嬉しいよ。
っと、お父さんではないが……。
もしレベル5のユキちゃんとステータスが同じなら、弱点はわかっている。
近接攻撃ができれば、勝てるはず……。
スピードも遅い。シーナちゃんがユキちゃん(偽)の後ろをとった。
よし。でも姿形はユキちゃんそのもの、ナイフを突き刺すには躊躇してしまう。
そこで躊躇なく刺しちゃうコなら、好きになってない……。
……。ん?
好きってのは、仲間としてね。
シーナちゃんからの好意もそういうものだろうし……。
ユキちゃんを見る。
「アレは儂ではないからな。一気にやってたもう」
「ユキちゃんは戦ってくれないの?」
「エイちゃん。自分と同じ姿形のモノと気持ち良く戦えるかのぅ?」
……無理かもしれん。
「わかった。俺がやる……」
とは言え、乱斬丸の試し斬りには気が引ける……。
あ、これ刀だから、逆に構えてみね打ちすれば……。
そうこうするうちに、ユキちゃん(偽)から闇魔法デバフがかけられているようだ。身体が重い……。
やる気も出ない。
もう良いよ。帰ろ……。
「エイちゃん! しっかりせい!」
ユキちゃんから喝が入る。
はっ!
危ない危ない。
「光魔法、オールフラッシュ!」
全デバフ解除の魔法。
闇魔法は全属性に対して強いけど、光魔法に対しては弱い!
シーナちゃんもデバフが解除されたのか、ユキちゃん(偽)の注意を引きつけてくれている。
ユキちゃん(偽)の後方へ回り、乱斬丸でみね打ち。
ライトボールをユキちゃん(偽)に当ててトドメを刺した――はずだった。
一度消えかけたユキちゃん(偽)だったんだけど、闇に一度吸い込まれてから……。
大きくなって登場した。
大人になったユキちゃんだ。
着物を着ているが、なんとなくと言うか、成長しているのがわかる。と言うか……結構、その……。
凹凸感がしっかりとしていて⋯
えっと、お相手としては申し分ないです。
ユキちゃんのレベル上げ、滅茶苦茶楽しみになってきたよ。
「エイちゃん! 気を抜くでない。あれは儂がレベル26の時の姿じゃ!」
「レベル26……。26才?」
「まぁ、昔の最高レベルじゃな。その時の記憶と言うか、その時の儂のようじゃ」
俺の今のレベルは28。シーナちゃんが26。
しかも俺には光魔法がある。勝てない相手ではないはずだ。
ただ、本気にならないとだな。
まぁ、大人の姿になった事でユキちゃん感が薄くなっているので、躊躇することなく戦えるな。
俺にとってのユキちゃんは、やっぱりまだ幼女だからね。
ユキちゃん(偽)からの攻撃がくる。
闇玉を連打してくる。当たればダメージとともに強烈なデバフをくらうやつか。
魔法力は恐らく100超えしている。
俺の魔法力は64……。
ただ、光と闇の相性を考えれば戦える。
乱斬丸を抜き、光魔法で武器バフをかける。
恐らくこの刀は、名前の通り『みだれ斬り』のスキルと相性が良いと思う。
「シーナちゃん、下がってて。スキルを使う」
「はい……」
シーナちゃん、なんだかんだ俺のこと信頼してくれているのかな。素直に下がってくれる。
ユキちゃんは既にはるか後方。
これなら、四方八方無茶苦茶に斬るのでソロでしか使えない死にスキル『みだれ斬り』を使える。
ユキちゃん(偽)の闇玉は、おあつらえ向きに四方八方に散らばっている。
よし! いくぞ。
エイガさん。
一度敵認定しちゃうと、姿がどうだろうと容赦ないので⋯
メンヘラなんかな⋯




