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27.中級ダンジョン挑戦


楽しかった海の思い出に浸りながらも、夏野菜の収穫と秋野菜の準備を並行して進める。


大根や人参の種を蒔いたり、近所のおじさんからもらったさつまいものツルを植えたり。


果物の摘果てきかなんて作業もやっておいた。

まだまだ暑い日が続くが、おかげで俺たちのレベルも順調に上がっている。


ステータスの一般的な目安としては――

20~40: 初級ダンジョン適正

40~60: 中級ダンジョン適正

60以上: 上級ダンジョン適正


……そして100以上が、超級ダンジョンに挑む「化物」クラスらしい。


俺が最初に組み、やむなく俺を追放した同級生パーティーも、今や超級探索者として名を馳せている。みんなのステータスもきっと凄いことになっているのだろう。


でも、俺もこのペースで成長していけば、彼らに追いつける可能性が十分にあるな。


三雲瑛雅ミクモ・エイガ

レベル: 28(3UP!)

戦闘力: 64(+3)

持久力: 56(+2)

魔法力: 64(+3)

魔力量: 56(+2)

器用さ: S

運: S

成長型: 超晩成

椎名薫シイナ・カオル

レベル: 26(5UP!)

戦闘力: 45(+3)

持久力: 58(+3)

魔法力: 34(+2)

魔力量: 34(+2)

器用さ: S

運: B

成長型: 超晩成

【ユキ】

レベル: 9(1UP!)

称号: ダンジョンマスター

戦闘力: 9(+1)

持久力: 14(+1)

魔法力: 110(+5)

魔力量: 40(+5)


うわっ……! うちのパーティー、ユキちゃんの魔法力(110)だけなら既に「超級」の化物がいました……。


まあ、見た目は可愛いけれど人外ダンジョンマスターだし、仕方ないか……。


◇◇◇


「とにかく、レベルやステータス的にも、俺たちはもう中級ダンジョンで十分に通用するはずだな」


「はい! パーティーメンバーは3人と少なめですけど、問題ないと思います!」


この前行った「お城のダンジョン」は、既に誰か別の探索者に攻略されて消滅していた。


ダンジョンは『攻略→消滅→新たな誕生』を繰り返しているため、すぐ近くにまた新しい中級ダンジョンが生成されているはずだ。


「あ、ありました! 近くの神社です。このままだと秋祭りが開催できないので、至急対応してほしいみたいですね」

「オッケー! じゃあ、地域貢献も兼ねてあそこへ行こう!」

「秋祭りは行ってみたいのじゃ!」

ユキちゃんもノリノリである。


◇◇◇


目的地の神社へは、家から距離にして1kmほど。のんびり歩いて行ける距離だ。


「おぅ、三雲さん。その子は……?」

道中、畑仕事をしていた近所のおじさんが、歩いている俺たちを見つけて声をかけてきた。

「こんにちは! 探索者の仲間ですよ」

「あぁ、例の神社のやつか。三雲さんがやってくれるんか?」

「まあ、中級は本格的には初めてですけど、頑張ってみますね」

「おう! みんな祭りを楽しみにしてるからな。よろしく頼むわ!」

「ははは、まあやってみますよ」

「無事に消してくれたら、今度田んぼを直すの手伝ってやるよ」


田んぼか……!


もし主食として食べるお米が全部経験値になったとしたら……想像しただけでヨダレが出てくるな。


「その時はぜひよろしくお願いしますね!」

なんて何気ない会話を交わしつつ、本格的な「稲作」ができるかもしれないとウキウキしていたのだが――。


隣を歩くシーナちゃんの雰囲気が、なんだか異様に重い。あからさまにご機嫌ナナメである。


「シーナちゃん……どうしたの? さっきのおじさん、嫌だった?」

すごく良い人だけど、まあ生理的に受け付けない人っているもんな……。

「おじさん?は、どうでも良くて……エイガさんです!!」


……えっ!?


今まで結構仲良くなれたと思っていたのに、生理的に受け付けないのって……俺!?

水着姿をガン見しすぎたか!? それとも農作業の時に、汗で透けて見える下着に気づいてチラチラ見ちゃってたのがバレたのか!?


「私って、ただの『探索者仲間』だったんですね……」

「えっと……あ、『大切な』ってのが抜けてた?」

「大切……っていうのは嬉しいんですけど! もっとほら、私ってエイガさんの……何ですか!?」


(なんだろ……? これ大喜利のフリかな……? そんなの咄嗟に出ないって……!)


「……カ、カワイイ妹分……かな?」

(頼む、合っていてくれ……!!)

「……っ! 妹って……なんでそうなるんですか!?」


……あ、間違えたのか!?

でも、なぜか機嫌自体は直ったように見える。


「……カワイイって言った……」


シーナちゃんの小さな呟きはよく聞こえなかったけれど、まあシーナちゃんのご機嫌が直ったなら良かった。


……ユキちゃんの呆れ果てたような視線は、めちゃくちゃ痛かったけれど。


「そろそろ椎名が可哀想になってくるのじゃが……」

ユキちゃんの呟きも、やっぱりよく聞こえなかったのだった。

エイガさん。若い時によっぽど苦い思いをしたのか拗らせてるねぇ


カワイイ妹なんてファンタジーな存在がいるんなら、私も是非欲しいですね。

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