表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
25/35

25.中級ダンジョンへ


(……あ、焼きすぎたか!?)

「ウォーターポンプ!」


とりあえず冷やしてあげよう。うん、これで大丈夫なはずだ。


「ゔぅ……っ!? ……ぐっ、ぶはっ……!」

あ、息ができないか……ゴメンね。


じゃあ乾かしてあげないとね! 風魔法で風を送る。

「ウインド!」

「ゔぅ! ぐわぁぁぁぁ~ッ!?」

あれ!? なんだかすごく苦しそう……?

あ、火傷を負った直後に強風を晒されたら、そりゃ痛いか……。


……えっ? なんか地面のゴミとか土砂も一緒に当たってる?

あ……ちょっとだけ【ウインドカッター】になっちゃってたかも……。


ゴメンね、痛かったよね……!

「すぐ回復してあげるからね!」


と近づくと、顔面蒼白で泣き叫びながら必死に這って逃げようとするリーダー。


少し回復魔法がかかったおかげで、ようやく言葉が話せるようになったみたいだ。


「わ、悪かった……! お前が正しい! もう止めてくれぇぇ!!」


……なんだかめちゃくちゃ怯えられているんだけど。

「えっと……じゃあ、俺の勝ちでいいのかな?」

「何でもいい! 何でもいいから助けてくれぇっ!!」


ほどなくして駆けつけた担架に乗せられ、救護室へと運ばれていく元リーダー。



「エイちゃん……お主、意外と鬼畜なのじゃな」

「エイガさん……こわ~い!」

二人は口々に非難してくるが、その表情はどこか楽しそうな笑顔だった。


「エイガさん。これでストーカーされずに済みそうです。ありがとうございます」

「ふふっ、良かったよ。……あ、でも、これでウチに住む理由が無くなっちゃったか」

「あ! だから、ストレージのレベルが下がったから引っ越しできませんってば!」


引っ越し屋さんを手配すれば……という話だが、まあ、出て行かれると毎日のご飯の質が落ちてしまうしな。


「まあ、そういう事にしておこうか。俺もシーナちゃんにはずっと居て欲しいしね」

「椎名も儂が称号を与えてしまったのじゃし、一緒で良いではないか」


「もう! エイガさんたら、そういう所ですよ!……ユキちゃん、これからもよろしくね」


◇◇◇


色々とあったが気を取り直し、受付で中級ダンジョンの探索申請を行う。


端末デバイスのアップデートが完了しました。これで中級ダンジョンの検索・マップ表示機能が有効化されます」


ははははっ!


苦節十数年……とうとう俺も「中級探索者」になったわけだ!

中級以上になってこそ、俺の『運S』の真価が発揮されるはず。


これからのドロップが楽しみだが、ユキちゃんのダンジョン(我が家の畑)でしっかりレベルを上げてから挑むか、まずは力試しで挑戦してみるか悩むところだな……。


「とりあえず検索してみるか……」

「はい! この近くだと……あ、お城がダンジョンになっているみたいですよ」

「お城か……刀のドロップが狙えたりするかな」


ユキちゃんを見ると、静かに頷いている。


「まずは経験してみることじゃな」

まあ……レベルは上がりませんがね!


◇◇◇


その「お城ダンジョン」は、ダンジョン協会近くの山の上にポツンと立っていた。


二重の小ぶりな城郭だが、そこは中級ダンジョン。外観からでは内部の広さは推し計れない。


名の知れた名城なら、上級や超級ダンジョンになっているのだろう。


関西の姫路城などは、日本に数個しかない『超級ダンジョン』の一つになっていると聞く。いつか挑戦してみたいものだ。


「気合を入れていこう!」

「はい!」

「シーナちゃんに斥候は任せるけど、絶対に無理はダメだからね」

「はい、大丈夫ですよ!」


シーナちゃんに先行してもらい、大手門をくぐってお城の内部へと侵入していく。


「敵です!……3匹、大鼠ジャイアントラットかな」


「かな」と言いつつも、シーナちゃんは正確な位置と数を教えてくれる。

土魔法でぬかるみを作って動きを止め、火魔法で焼き尽くす。


楽勝……!


とは言え、結構魔力を使わないと倒しきれないな。もう少しレベルを上げて、余裕の楽勝で進めるようにしたいところだ。


数回の戦闘をこなし、敵を蹴散らしながら進んでいく。


途中のドロップアイテムで『無銘の刀』を手に入れたので、魔法ばかりに頼らず剣撃も織り交ぜていく。


階段があり、上階へ登っていくタイプの構造のようだが――階段の踊り場に、首の無い武者が通せんぼするように立っていた。


「よし。アイツを倒したら、一旦ダンジョンを出よう」

「はい!」「うむ」


無銘の刀で斬りつけたが、相手の分厚い剣圧に押され、こちらの刀が半ばから折れてしまう。


(くそっ……でも、あの武者が持っている刀なら……! よし、ドロップアイテムを狙うぞ!)


「シーナちゃん! 俺が引きつけるから、後ろからトドメを刺して!」

首が無いとはいえ人間型モンスターだ、クリティカルヒットは十分に狙えるはず。


「ユキちゃん、デバフを頼む!」

「心得た!」


武者の剣撃自体は単純で、折れた刀でも十分に防ぎきることができる。

(よし……背中がガラ空きだぜ!)


俺はシーナちゃんに向けて、攻撃力に特化したバフ魔法をかける!


「やぁぁぁっ!!」

可愛らしい掛け声とともに、シーナちゃんの鋭い一撃が武者の背後から心臓付近へと正確に突き刺さった!……クリティカルヒット!


勝った……! 今のなかなか良い連携だったんじゃないか!?


崩れ落ちた武者の跡には、一振りの刀が転がっていた。

「『乱斬丸』……!」

銘が刻まれた名刀だ。大当たりだな!


これなら中級ダンジョンでもまともに戦えそうだ。

やったね!

ダンジョンの特性について

ダンジョンのモンスターを倒すと、稀にアイテムがドロップします。エイガさんがいると、運S補正で頻繁にドロップしますが⋯

倒したモンスターは、一定時間後(数時間)にダンジョンに吸収されるようですが、それまでに剥ぎ取った素材なんかは、手に入れることができます。

討伐証明が必要な場合も、消える前に確保します。

ただ、今回のようなアンデットの場合は、ただちに消滅する場合もあるようです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ