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23.ユキちゃんの成長


リビングでまったりとテレビを見ているユキちゃん。

「幼女」と言うには大きく、「少女」と言うにはまだ小さい。


世間一般的な表現で言えば、そろそろ「少女」に入るのだろうか。


出会った頃より一回りは大きくなっているけれど、着ている物とかはどうなっているんだろう。身体と一緒に大きくなっている気もするが……。


「ユキちゃんの着物ってどうなってるの? 一緒に大きくなってる?」

「まあ、これ儂の一部じゃからの。便利じゃろ」

「へぇ~……」

そう言えば、ユキちゃんの身体の構造ってどうなっているのだろう。レベルが上がって成長したら、ヤラ……お相手してくれるって言ってたけれど……。うーん、直接は聞きにくいな。

「何じゃ。儂の身体が気になるのか?」

「いや、あの……そんなことはないんだけど」

「心配せんでも、大事なところは普通のおなごと同じじゃよ」

「……そ、そうなんだ」

「うむ。儂も昔レベルが高かったこともあっての。子孫もいるのじゃよ」

「えっ、そうなんだ……」


初耳だけど、ユキちゃんならあってもおかしくないのかな。幼児に見えるのは見た目だけだもんね。でもダンジョンマスターのレベルって上がったり下がったりするんだ。


「儂らのような者の子孫が、探索者の能力を持つようになったとも言われておるが……まあ真偽は不明じゃ」


ユキちゃんのような神様みたいな存在は他にもいて、ダンジョンマスターだったり、それこそ神社の主になったりしているらしい。

……ん? ということは、俺も誰かの遠い子孫だったりするのかなぁ。


「エイちゃんは、儂が力を与えたからの。元々力があったかは知らんが」


何だよその「知らんけど~」みたいな関西ノリ。


◇◇◇


田舎にあるのはダンジョン協会の「支部」だが、中級ダンジョンの探索許可証を発行してもらうには、ある程度の都市にある「本部」に行かなければならない。


「レベル10くらいまでは初級でもいいのじゃが、効率が悪くなるからのう。中級ならレベル上がりそうじゃ」

「エイガさん。私たち、もう初級のレベルではないです! 中級に行きましょう」

「そうだね。じゃあ、行こうか」


シーナちゃんには、俺を追放した前のパーティーを見返したいという思いと、中級をクリアすればストーカーまがいの前リーダーが諦めてくれるはず、という思いがあるそうだ。


確かに、プライドの高いアイツのことだ。自分より高ランクの探索者を恋人にするなんて、プライドが許さないだろう。


という事で、俺、シーナちゃん、ユキちゃんの3人で協会本部へ向かうことにした。軽トラックがギュウギュウだけど、ユキちゃんは普通の人間には見えないから大丈夫!


◇◇◇


協会本部は立派なビルになっており、1階は受付と待ち合わせができるカフェ、2階以上にはショップやトレーニング施設などが入っている。


そしてそこは、中級探索者が頻繁に出入りする場所でもあるため……やはりと言うか、案の定と言うべきか、昔のパーティーメンバーと鉢合わせてしまった。


気づかないフリをして、そのまま受付へ向かおうとする。

「おい、何だよカオル! 姿を見なくなったと思ったら……どうしたんだ? 俺とヨリを戻しに来たのか?」


あー、やっぱり見つかっちゃったか。

シーナちゃんは完全に無視して受付へ向かう。うん、無視が一番だよ。俺たちは中級、そして上級を目指すんだから、もうアイツらなんて眼中にないもんね。


「おい、なんとか言えよカオル!……って、お前! そんなクソ雑魚勇者とつるんでるのかよ!?」


俺もバレないようにコソコソ歩いていたのだが、やっぱり分かるか。


でもさ、君のステータスって確か40前後だったよね? 初級ダンジョンなら強かったかもしれないけれど……昔は太刀打ちできなかった俺だけど、いまステータス50超えちゃったんだよね。


「っ……! 私の事は良いけど、エイガさんを悪く言うのだけは許せない!……戻すヨリだってないもん。それに、アンタに『カオル』って呼ばれる筋合いじゃないわ!。エイガさんにだって(名前で)呼ばれたこと無いのに!」


ん? なんか俺、関係ある?


「なんだと!? そいつが雑魚なのは事実だろうが……ッ!」


リーダーは逆上し、シーナちゃんの手首を強引に掴もうと手を伸ばす。

今のシーナちゃんなら余裕で捌けるだろうけれど……ここは騎士の出番だよね。騎士じゃなくて『勇者』だけど。


ガシッ――。

俺は伸ばされたリーダーの手を軽々と掴んで止めた。


「おう、リーダー。俺もちょっとは強くなったんだよね。今日はもう帰ろうか」


と言って、出口の方へ向かってリーダーの体を軽くポンッと吹っ飛ばした。


「クソ雑魚が、何しやがる!!」

「もういいから。出口はあっちだよ」

「クソがぁッ! 勝負だ! 決闘するぞ!!」

「……いや、決闘って。勝負なんて最初から見えてんじゃん。俺、弱い者いじめはしない主義なんだよ」

「そうだよな、逃げるよな……って、はあぁ!? 弱い者いじめだと!? お前、とうとう頭でも狂ったのか!?」


まあ、コイツが知っている俺のステータスは「全能力10」とかだったからなぁ……無理もない。


「ふぅ……。じゃあ、俺が勝ったら二度とシーナちゃんには近付くなよ?」


勝てるのは分かっているし、これでシーナちゃんのストーカー問題も一発解決っと!

実はざまあ展開を考えるのは、少し苦手なんですが物語の展開的に仕方ないので⋯


エイガさん。さっさとやっておしまい!

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