20.ユキちゃんの力
気がついたらもう夕方になっていたので、俺は畑仕事へ。
シーナちゃんは晩御飯の買い出しに行ってくれた。
【ステータス】
名前: 三雲瑛雅
レベル: 23(UP!)
称号: 勇者
戦闘力: 49(+3)
持久力: 46(+2)
魔法力: 49(+3)
魔力量: 46(+2)
器用さ: S
運: S
成長型: 超晩成
畑仕事をしたおかげで、またレベルが上がった。
流石に最初の頃ほどの感動は薄れてきたけれど、中級探索者の基準である「ステータス50」まであと少しだ。
◇◇◇
今日の晩御飯は、我が家の畑で採れた新鮮なトマトやキュウリのサラダ、インゲン豆のお浸し。
そして――国産牛のステーキ!
「うわ~っ、めちゃくちゃ美味いよこれ!」
ステーキ自体は、通常の食材だから食べてもレベルが上がるわけでも体力が回復するわけでもない。
でも、シーナちゃんという美少女が焼いてくれたお肉ってだけで、美味しさは1万倍である。
「良かったです! 近くにいいお肉屋さんがあって」
「あ、でも……結構高かったんじゃない……?」
なにせ、今の俺にはほとんど収入がないのだから。
これ、泣くところかな⋯
「あ、大丈夫です! さっき買い物のついでに、ダンジョン協会の支店で今日の素材やドロップ品を換金してきましたので! 後で明細がありますから山分けしましょうね」
シーナちゃんが手際よく計算してくれたお金は、
① この家の維持費や生活費
② 俺の取り分
③ シーナちゃんの取り分
の3つにきっちり分配された。
ちなみにユキちゃんはというと――
「儂はお金はいらんぞよ。その代わりと言ってはなんじゃが、椎名の作る食事を毎日豪華にしてほしいのじゃ」だそうです。
家事の分担についても決めようとなったのだが、「料理はシーナちゃんが作った方が良い」という満場一致(?)の結果になり、俺は食器の片付けや掃除などの雑用を頑張ることになった。
……俺の料理、やっぱりイマイチだったのかな。分かってはいたけれどさ。
ユキちゃん、俺の料理をいつも褒めてくれてたけど、そういえばインスタントラーメンばっかり食べてたもんね……。
……くっ、泣いていいですか?
◇◇◇
食事が終わり、リビングでまったりとくろいでいると――
「のう、椎名よ」
ユキちゃんが、シーナちゃんに話しかけた。
「はいっ!」
「椎名は美味い飯をくれるからのう。儂も椎名に何かを与えることができるのじゃが……」
「何かを、ですか?」
「うむ。希少な『称号』をじゃ。今の椎名なら……そうじゃな、忍者……『くノ一』じゃな」
「へぇ~! カッコいい!」
「じゃが、椎名の持っている『万能荷役』も、十分に凄い称号なのじゃがの」
「それになると、どう変わるんですか?」
「『万能荷役』に比べて、より斥候特化型になるかのう。忍者という戦闘職でもあるから戦闘能力も上がるはずじゃ。もちろん『荷役』の能力も引き継ぐから、あのストレージ空間もレベルに応じた大きさになるが使えるぞ」
「私も戦えるようになるって事ですか!?」
「そうじゃな。あとエイちゃんと同じで、成長型が『超晩成』になるかの」
「エイガさんと一緒……! ちょっと、うれしいかも……」
「ただし、儂が称号を与えればレベルが上がりにくくなる代わりに、儂のダンジョンの恩恵を受けられるようになる」
「つまり……?」
「エイちゃんと同じじゃ。畑仕事でレベルが上がり、収穫物を食べてもレベルが上がるようになるのじゃ」
「エイガさんと一緒……!! 私、『くノ一』になります!!」
「レベルが半分になるが、良いかの?」
「問題ないです!!」
即決してるけど。万能荷役ってレア称号だよ。
それに、レベル上げ⋯
ツラい日々が思い出される。
「あの……シーナちゃん。もう少し考えた方が良いって! レベルが上がりにくくなるのは結構キツイよ!?」
「エイガさん! 私、畑仕事も手伝いますし、私もコレ(チート野菜)を食べてレベル上げたいです!」
なんだか「俺と一緒!」という部分でやけにテンションが上がっているけれど、実際はそんなに甘いもんじゃないと思うんだけどなぁ……。
ユキちゃんとシーナちゃんが手を取り合って目をつぶっている。2人の間で何かのやり取りがあって、シーナちゃんの称号が変わったようだ。
シーナちゃんが、新しくなったステータスを見せてくれた。
【ステータス】
名前: 椎名薫
レベル: 13(UP!)
称号: くノ一
戦闘力: 13
持久力: 26
魔法力: 15
魔力量: 15
器用さ: S(UP!)
運: B
成長型: 超晩成
おぉ、器用さが「S」になっている!
「エイガさんと一緒ですね!」
そう言って、シーナちゃんは本当に嬉しそうにニコッと笑った。
……うわぁ、可愛いなぁ~!
おじさん、その笑顔にキュンキュンしちゃうよ。
転載したら、某RPGと同じでステータスが半分になります。レベルは、1にはならなくて半分です。




