九話「処刑されるのはてめぇだ」
しかし眩しい光と共に彼が目の前に現れる。いや、そこに現れたのは彼だけではなかった。
「来るのが遅くなったわね、最低男……いや、今のあなたは最高男ね。高い位置にいるんだもの、認めてあげるわ」とユキさん。
「私が魔法使えてよかったですわね。褒美に婚約を……はぁはぁ」とアポロニア。
「兄貴、ずるいですよ。兄貴だけこんなかっこいい姿を見せるなんて」とテンマ。
「私たちがいなければ勝てないじゃない。だって私たちがダークホースなんだから。一人だけそこで眠ってるけど」と花咲さん。
「下は安心してください。カナヅチさんたちやトンカチさんたちが助けに来てくれました。だから彼を今この手で倒しましょう」とランバースさんは言う。
「……(すまねぇな、俺なんかのために)」とバルトロイドさん。
仲間の顔を一通り見てにこやかに笑ってから、私はベルトロイドに向けて手に握った剣を強く向けた。そして言う。
「お前、俺に言ったよな。激怒と冷酷で俺のことを薙ぎ払うと。だが、この剣だけではないよ、黒いのは。俺のパーティーはダークホースだ。黒い中を走った馬に何が起きるか想像出来ねぇ。だがよ、さっきの言葉は前言撤回だ。俺は仲間を救えなかったんじゃない。仲間に救われてたから救えなくなったんだ。お前には分からないだろ?今のお前は独り身だもんな。そんなお前に俺は今から処刑する」
「は?なんだって?長すぎるから簡単にまとめろよ」
「処刑されるのはてめぇだってことだよ!!」
その時だった。ベルトロイドに向けて大きな雷と同時に彼の体がミンチのように散っていくのを目にするのは。人数が多くなって狭くなったこの処刑場とは裏腹に私たちの上から見下ろす者がいた。
「あれは新神よ。そして彼の後ろには神が処刑されつつある」とランバースさんは語る。
「なら、どうするか決めてんでしょ?吉田さん」
懐かしい声がすると思ってその方を見ると、先程まであったあの柱から抜け出して若々しい姿の有川さんがいた。
「ふぅ。何とかなったわ。さすが私!!へっへーん」とユキさんは言った。
私たちがやり取りしている間、彼女は有川さんの治療及びそこからの脱出を花咲さんと手を組んで行っていた。
みんなの視線が私に来る。深呼吸して私は命令を仲間に与える。
「ダークホースの一員に告げる。これより、神奪還作戦に移る。そのためにあの中へ突入だ」
「炊飯ジャー!!」という一員の声が鳴り響く。
その言葉を聞いた新神は中へと入って行った。新神の後を辿るように私たちも付いて行くのだった。
ついに次回より最終章に突入します。主人公たちと新神の戦い。そしてよく脳裏に浮かんできたあの映像。さらにあの事件の本当の真相は。最終章にて全てが明らかに。




