六話「まだ認めたわけではない」
私はその剣を抜く。それを見たバルトロイドの兄は私を見て言う。
「お前らがこの女の仲間か。なら、この手で殺すのもありか。なぜなら新神の命令だからな」
「おい、新神とは何だ?」
「お前たち、門を通り抜けただろ?世界崩壊の。それが神の地位を落としたことになる。神の地位を落とされた奴は処刑。その世界にトップにたった奴は処刑。そして新しい奴が王になる。まぁ、お前の元いた世界にいたゲームのリセットなどの最初から開始する時、ラスボスって言う奴はリセットされた時のお前を知らないから『またお前らか』などと言わないだろ?それと同じだ。その影響でお前達の記憶は変になり、新たな主人公に関わるべきだった。まぁ、どうやらその主人公である”アルファ”という男は今の主人公には適わなかったようだがな」
「おい、なぜお前が俺たちのことを知っている」
「新神に聞いたからだ」
私たちの話し合いにそばにいたアルファが挟み込む。
「俺が主人公?ぺっ。そんなもん、付きたくないねぇな。俺は主人公のライバルであり、仲間というのがいい。だってその方が重荷がなくて楽に動けるからな」
「……だそうだ。だが、俺もこいつも同じことを思ってるよ」
私とアルファは背中を合わせバルトロイドの兄に向けて二つの剣を伸ばして次の同じ言葉を声を揃えて言う。
「神だろうが王だろうが俺たちの前に立って邪魔になるのならこの剣で斬り殺すだけだ。この剣が例え壊れたとすれば横の剣がお前らを斬り殺す。それが主人公でありライバルの役目だ」、と。
桃姫さんはそんな私たちに近寄って言う。
「勘違いしないで。私はまだそこの……バルトロイドを認めたわけではない。だが、今のあなた達に協力しないなんてことをしてら今後後悔すると思う。だから……手を貸してあげる、バルトロイドさん」
バルトロイドさんは私たち三人を見て剣を抜く。
「ありがとう。仮面取れよ、兄上……いや、ベルトロイド!!」
バルトロイドさんは小さな声で彼に向けて鋭くつぶやく。
「ちっ。似た顔でムカつく奴だ。まっ、双子だから仕方ないか。処刑の際にだけ外してお前を苦しめるつもりだったのにな」
ベルトロイドという名の男の顔はバルトロイドさんの顔に似ていた。しかし違う点を挙げるなら仮面で隠した片方の顔にホクロが一つあった。それだけの違いなのに色んな人にバルトロイドさんが嫌われるとは皮肉なものであると思うのだった。




