三話「梯子途中」
私とバルトロイドさんは梯子を勢いよく駆け上がる。しかし途中より少し上った所で遠くから鳥のような者が勢いよくこちらに向かってくるのが分かった。そしてその上に人が乗っていることも。その人の顔が近くなるにつれて分かった。そして人の下には鳥ではなく、それもまた人に近い存在であった。そう、私達に向かってきたのは紛れもなく、アルファと桃姫さんだった。
「先輩を……あんな目にしてー!!」
「おい、まだ感情的になるな。桃」
空から飛んで向かうアルファの剣に私の剣がぶつかる。その勢いで落ちそうになる。
「おい、有川さんがどうした?そしてなぜ俺に攻撃する?」
「お前に攻撃したのはコントロールミスだ、すまぬ。お前の下にいる奴を狙ってた。いや、それをしようとしている奴は彼女だけど、止めてやってる」
「アルファ!!邪魔しないでよ!!下ろすわよ?」
桃姫さんはアルファに向けて言う。
「下ろせるものならここから地に向けて下ろせ。お前がリーダーである俺や仲間たちよりも先輩が大事ならな?」
その言葉に桃姫さんは大きな涙を零した。そしてものすごい剣幕でバルトロイドさんを睨みつけた。
「ひとまずここで話すのもなんだから、てっぺんで待っている。……あっ、いいこと教えておく。今、上で待っているのは有川さん以外いない。それがきっかけで彼女はそこにいる男を襲った。なぜだか、気が付いたろ?お前がそいつを信じるならライバルとして……まぁ、言わんでおこう。じゃ、そういうことで」
桃姫さんの背中に乗る彼はそのままてっぺんに飛んで行く。
先程の言葉でやっと気付いた。桃姫さんが襲った理由。もし処刑台に今でも出来るのは今上に向かっている四人だけ。その中で一番怪しいのはバルトロイドさんである。上に有川さん以外いないとなればそんなことを思うのも当然だろう。ただし一つだけ例外がある。ユリさんが言ったアポロニアの例の魔法の類だ。いわゆる瞬間移動みたいな奴だ。
「バルトロイドさん、あなたには下の光景をどう思う?」
「……(どうって……自分の身を捨ててまでも救いたいものを救うために争う見たくもない地獄絵図……なんて言えるかつーの。元から言えないけど)」
「そうか。なら、よかった。行くよ」
そして私たちはさらに上へと向かうのだった。




