55/73
九話「そこに仲間がいるから」
三つの刃に分かれた鎌を持った女は私たちを睨みつける。
「人が増えたとしても関係ねぇ。お前たちはこの刃に突き刺さるんだからな?」
「させねぇよ。ユキさん、雲を展開し足止めを。花咲さん、例の力でこの剣を強化」
「炊飯ジャー」
二人はそう返事するなり、私の指示に従って行動を移す。
「お前、なぜそんなに頑張ろうとする?」
そう聞きながら、私に向けて三つの刃が私に向けて飛んでくる。
「なぜかだって?近くに頼れる仲間がいるからだ……お前の刃の脆さに適わない絆で結ばれてんだよ」
私が剣をひと振りするとメアリーさんの三つの刃は折れて近くに飛び散る。彼女はその勢いに塔の壁へと体をぶつけられてしまう。そしてそこにクサイが飛んで彼女は身動き出来ない状態になっている。
「殺さなくてもいいか」
「くっくっくっ。ぬるいな。だが、そんなぬるいお前たちに悲報だ。お前らの仲間はここにいない。今頃はもう処刑台にいるだろうな」
「嘘をつく気か?往生際の悪い奴め」
「吉田さん、彼女の言っていることは本当です。幽霊なのであなた達が話している間にこの塔の中を確認させて頂きましたが、いませんでした」
花咲さんは私に必死でそう告げる。彼女の眼差しは本気だった。
「なら、行くか。広場へ」
こうして私たち中央広場へと足を進めるのだった。




