五話「仲間の頼みあり」
強く殴った拳を見た彼女は私に向かって心配そうな表情で言う。
「吉田さん、そんなことしたら痛いでしょ?」
「馬鹿言え。お前の方が痛かったに決まってる!!」
「私なら……」
「大丈夫なわけねぇよ。俺はアホだ。何も守れねぇ。あの渦巻きの時だって。俺は……俺は……」
「本当にそう思いですか?」
「?」
「神様があなたたちのことをよく思っていたのが昔も分かったつもりでしたが、今ならより一層分かるのです。あなた達は仲間思いが強いのだと。いや、それだけではない。仲間以外にもあなた達は救いたいという思いがあってこそ行動に移せる。そんな仲間たちなのです。今だってそうです。あの後、他のメンバーたちはあなたのことをひたすら探してます。そして私には忍びとして有川さんを救うことに指示をされました。ですが、居場所を見つけましたがあなたたちが探している光景が急に脳裏に映ったんです。そんで今に至るわけです。なのであなた達にはやって貰いたいことがあります。……私と共に仲間として有川さんを救うのを手伝ってもらえませんか?」
「もちろん、却下だ」
「……(おい、吉田さん?馬鹿か?こいつ、剣で自らの首を斬る覚悟で言ったのに)」
「悪いな、俺は馬鹿じゃなくてアホだ。だからよ、頼まれるんじゃなくて頼みてぇんだ。お前ら、俺の仲間である有川を俺と共に救ってくれねぇか?」
私はそう言い放つ。もちろん、彼女の返答は早かった。
「えぇ、もちろん」
「……(あぁ、手を貸す)」
私たちはこうして一致団結してある目的をこなすのために動き出すのだった。




