九話「魔法と銃弾の交差」
私たちの目の前にいたのはかつての仲間であり、この場所にいるべきではない人物たちだった。
「答えろ、アポロニア!!」
目の前にいる彼女の名前を言うと、彼女はにっこり笑って確信した口調で言う。
「アポロニア……ねぇ。そうよ、私はアポロニア。でもね、あなたたちを殺すためにはればれあの世界からこちらへ来てあげたわ。感謝してほしいくらいよ」
「そうですよ、兄さん。別れはきれいさっぱりじゃないと……」
そう言うのはやはりテンマだった。
「殺す?何のことだ?」
「それは死ねばお分かりになります……!?」
「……」
彼女は私に魔法を仕掛けようとしたが、見知らぬ男がそれを銃弾で相手の目を逸らす。
「ちっ。なぜ無言のお前が!!……皆の者共、ここは引けー!!」
「はっ!!」
そう言って彼女たちはどこかへ馬に乗って駆けて行った。
私たちは目の前にいる男に感謝を述べる。
「ありがとう」
「……」
しかし彼は無言のままそこから回れ右をして町の外に出ようとしている。
それを見ていると、上に久しぶりのシステムメッセージが書かれている。
『無言のバルトロイドは「感謝はいい。付いてこい」と言っている』
「アルファ、奴に付いて行こう?」
「は?何も分からん奴に付いて行くのか?知らない人に付いていっちゃいけませんって母親にならなかったのか?それに何も言わないから怪しいじゃんか」
「あぁ、分からねぇ。でもな、俺には分かる。あいつは敵じゃねぇ。俺らのことを守る敵がどこにいる?」
「……まっ、お前がそこまで言うならいいだろ。何かあればこの数で対応できるからな」
「ありがとう」
こうして私たちは彼について行くのだった。そしてその先に待つ私の仲間があんな姿になっていようとは誰が想像していただろうか。
本日の更新です。遅くなってすみません。明日(五月二十八日)の更新は中止です。今週の水曜日から新章を再開します。




