八話「約束の果てに」
私たちは外に出た。
「アルファさん、これからどうしますか?」
花咲さんは近くにいた彼に話しかける。
「そうだな。もうこの町は太陽の光にあたって幽霊と化していた人たちも復活をなしているようだ。だからもうこの町には用はない。だが、一つだけやることはあるよな、吉田?」
彼の言う通りに外の景色は暗い雲などなく、実体のある人たちが私たちの近くで歩く。中には私と直接戦った輩もいる。それならこの町には何も用はなく、早く有川さんを探したいところである。だが、ここで散った私たちの仲間とのお別れもしたいのは彼女よりも多くあった。
「あぁ、アルセイドにお別れをしなくてはな。誰か墓作れる奴はいないか?」
「ふふ。それなら、私とお姉ちゃんと桃ちゃんで作ってあげたわ。ほら、あそこ」
彼女が指を指すところには木陰で隠れた大きな鳥の石像の前にアルセイドの名前を表記した石造の箱型がそこにあった。そして箱の上には『We're HERO〈我らの英雄〉』と書かれていた。
「アルセイド……」
「この小さな盃に水を浸して頭上より高く目の前で自分にかからないようにして零すのが大切な旅の仲間との別れの作法だと聞いたことがある。やってやろうじゃないか?」
彼に促されて水を浸した小さな盃を頭上から零す。「ありがとう、アルセイド。安らかに眠っておくれ」という言葉を心の中で唱えながら。
すると頭の上に水が何滴かかかった。
「ん?雨?……でも晴れてますよね?」
「そこの雑魚鳥が無様に死ねた嬉しき涙では?」
ユキさんの言葉に後ろから近づいてきた無数の足音と共に一人の女性の声が聞こえた。そして後を見ると、そこにいたのは……。
「お前は……なぜここにいる?」
仲間を取り戻し、ダークホースとしての活動復活までの最大級の戦いが今、始まるのだった。




