五話「伸びる双剣」
上の階を上ると一人の細長い男性が小さな剣の形を鎖で繋げられた物を持っては倒れ伏せていた。その剣の色は鼠色だった。だが、この階で零れている複数の小さな血の後を見て私は不安になった。今までの相手も今の相手も血など付いていない。そうなればこの血は味方の血だけとなる。
「ねぇ、こっちから行かれるわよ。最低男さん」
「あぁ。進もう」
ユキさんに促されて階段を上がって行く。
「……ぶは……来るのが遅せぇんだよ」
「アルファ!!」
そこには横たわっているかのように花咲さんとユリさんを守るかのように相手と対峙している彼の姿があった。
「安心しろ……お前んとこの幽霊はユリが回復させた。そのために彼女は力を使い果たした。後の二人は桃姫の翼で先に行ってもらってる。だから……後は任せた」
「きゃあ!!早く手当しないと!!」
そこには身体からも口からも血を溢れ出すアルファが倒れ崩れる姿だった。
「ふはははは。無様に死ね、雑魚野郎!!」
そう言って彼に二つの伸びた刃でトドメを刺そうとする男のそれらを私は持っている黄金の剣で弾き飛ばす。
「雑魚野郎がこいつなら……てめぇはお前は下衆野郎だ!!」
「七光聖剣王の青色の双剣を持つ私、サファイアに勝てるとでも?」
私はそのまま彼に近寄る。
「勝てる?そんなもん、違う」
「近づいてくんじゃねえーよ……!?……ぶはっ」
私は伸びてきたその二つの剣を下から降って折った。その刃は天井に見事に突き刺さり、彼の後ろ首を力強く小突く。彼はそのまま崩れ倒れた。
「聞かれるまでもなく、勝つんだ……おい、ダメイド」
「分かってます。あんたと今まで旅をしてたからね、最低男さん。私の体とあんたの心で先に進みなさい。そして最後の敵を倒しなさい。私も……いや、みんなで後を追うから」
私はその声を聞き、部屋の置くをじっと見つめながら言う。
「そっちは任した。こっちは任せろ!!」
そして歩いて階段を見つけては上るのだった。




