五話「消えた仲間ともう一人」
私は『オドロケ宿』を出た。外を出るとたくさんの人がいる。ただどの人を見ても同じ特徴がある。虚ろな目をしながら半透明であるということだ。
「ん?アルファ?それに俺の本体も他の輩も」
私は目線に入ってきた彼らの方へ行く。彼らもまた他の人と同様に虚ろな目で半透明である。
「おーい!!私、麗しき美少女メイド、ユキ様よ?」
彼らは見ることすらなく私を無視して横切る。正面から声をかけるべきか。
「ご飯にする?温泉にする?それともピュアでプリティーなユキちゃんにするぅ?」
真正面で対抗した私をかわすかのようにして歩き無視をする。
「スルーにするですか……なんちゃって」
「墓に来いって言ったのに何してるんですか?ダメイドさん……いや、最低男の吉田さん」
私はその声に歓喜と恐怖に背筋に冷や汗が一筋流れるのが分かった。そして後ろを見るとそこには花咲さんがぷかぷかと浮いていた。
「久しぶりですわね、花咲さん。あはははは」
「普通に話してください。彼女の口から排気ガスが流れてるみたいでかわいそうですよ、最低男さん」
「最低男と書いてクズと読んだだろ?今の!!」
「うっさいので私の後ろを付いてきてください……寂しかったんだから」
「えっ?最後、なんて言ったの?」
「なんでもありませぬ!!」
私はそう言う彼女の後ろを付いて行く。「聞こえてるよ、花咲さん。寂しかったよね」と心の中で思いながら、メイド服のスカートから覗かせる足を一歩一歩踏み出していくのだった。




