番外編 魔王、七夕の願いごと
番外編 魔王、七夕の願いごと!
ここは、魔王城の一室。
「さーさーのーはー、さーらさらー♪」
魔王が機嫌よく歌っていると、突然の来訪者が部屋に来た。
言わずもがな参謀その人である。
「魔王様!音程が微妙にズレてます!」
「お前はワシをけなしにきたのか!?」
部屋に入ってくるや否や突然魔王をけなした参謀に対して突っ込んだ。
「いやー、さっきから微妙に気になってしかたなかったんですよねー。」
とは、参謀の談。
「…ってそんなことより魔王様、今日が何の日か知ってますか?」
「そんなことって、お前なにげにひどくね?」
貶されたと思ったら突然どうでもいいことのように扱われ、魔王やや涙目である。
コホン、とひと息をついて魔王は答える。
「今日が何の日かじゃったな?
それはもちろん、笹の葉って実は食べれたのかとパンダ様が初めて知った日であろう!!」
「なんでパンダが笹を食べれることを知った日をわざわざ聞くんだよ!ってかそもそもそんな日あるのかというかよくそんなことがわかったな!」
「いや、ワシも知らんけどな。」
「知らないのかよ!適当すぎるだろ!
ってそうじゃなくてですね、もっと私たちに身近といいますか、願いごとといいますか...というやつですよ」
「あ〜、願いごとな。うん、あれだよな。
確か、愛する男女が突如川で分断されて一年に一回しか会えなくなって、それに怒った男の方が笹の葉に恨みを書き連ねたら突如として川が二つに割れて愛する女の人に出会えたことから願い事が叶うと言われてる日だな!」
「いや、アンタそれ色々混ざりまくってますから!
ってか微妙にあってる所あるから完全に間違ってると言えないところがもどかしい...。
っていうか恨みを書き連ねて願いが叶うとか怖すぎだろ!もうここまで来るとそれわざとやってるだろ!」
「参謀よ、さっきから何をそんなに興奮しとるのじゃ。とりあえず一度この茶でも飲んで落ち着いたらどうだ?」
突如興奮し出した参謀に対して、魔王は茶を勧める。
「す、すみません。頂きます。
ズズーッ、うん。おいしい。非常に落ち着きますね…ってあんたがボケるからでしょうが!」
再び参謀は魔王にツッコム。
もはや、上司も部下もあったものではない。
「まぁー、まぁー、どうどう」
「私は牛ですか!」
「まぁー、それは軽く丸めて後ろに投げ捨てるとしてだな…今日は七夕であろう」
「ええ、もう私はツッコミませんよ。そうです。本日は七夕です。やっとこさ辿り着きましたね」
参謀は、ホッとひと息をつく。
どうやらツッコミ疲れたようだ。
「まったく、参謀めが遊んでおるから…」
「魔王様が突っ込ませるからでしょうが!
とそれは、ともかくですねせっかくの七夕ですので、何か願いごとでもしませんか?」
「ふむ、それは構わないが、お主にしてはえらく普通のことをいっておるな。てっきりワシは、七夕だから何かイベントでも起こそうというのかと思っておったぞ。」
「いえいえ、七夕でイベントを起こしても赤字がずっと続いてるうちには人が集まりませんから無駄ですよ。それにですねせっかく願いごとが叶うと言われてる七夕ですから仕事のことは忘れて夢をみたいですからね。」
「参謀...。まぁー、それもそうじゃな。せっかくだし、何か願い事でも書くとするかの。短冊はあったかの?」
「そう仰られると思いまして短冊はこちらに用意してあります。あと、短冊を飾る用の笹の葉に関しまして、魔王城の庭にご用意してあります。」
「むむっ!さすがに準備が良いのう、参謀よ。では、さっそくお互いに願いごとでも書くとするかの。」
「承知いたしました!」
そういうや否やお互いに短冊をとって、願いごとを書き始めた。
それから、しばらくして願い事を書き終わったのか、参謀は魔王に尋ねる。
「魔王様ー、願い事はかけましたか?」
魔王は、参謀に答える。
「うむ、書き終わったぞ。ほれ。」
そう言いながら、魔王は願いごとを書いた短冊を参謀に見せる。
「ふむふむ、なんて書いたんですかね。」
そう言いながら参謀は魔王の短冊をのぞき込む。
今年こそ 赤字から黒字へ 変えたいな まおう
「子供レベルの俳句かよ!いや、それよりヒドイな。
というか仕事のことは忘れて!と言ったでしょうが!」
「おお、すまんすまん。それ適当に書いたやつじゃわ」
「適当かよ!」
思わず参謀は突っ込む。
「わるい、わるい。えーっと…たしかこっちじゃな。ほれ。」
再び魔王は短冊を参謀へと渡す。
「どれどれ?」
一兆D欲しい!! まおう
「欲望にまみれてやがる!?というか流行りをとりいれんてんな!」
「おお、すまんすまん。参謀よ。それもノリで書いたやつじゃった。」
「ノリかよ!」
「というわけでこっちこそ本物じゃ。ほれ、受け取るが良い!」
3度魔王は短冊を参謀に渡す。
参謀は最後の部分をスルーして短冊を受け取ると3度目を通す。
今年も××が欠けることがありませんように まおう
「魔王様...。」
参謀は複雑な表情を魔王へと向ける。
「参謀よ、そのような顔をするでない。ワシもお主も時間も何も無いということはわかっておる。しかし、じゃからこそお主が言ったようにせっかくの七夕だからこそ願いを込めたのじゃ。それにこの程度であれば気づかれることもあるまい。」
魔王は珍しく真面目な顔をして参謀に話した。
「そうですね…。せっかくの七夕ですからね。すみません、変な顔をしてしまいまして。」
参謀は魔王へと謝罪をする。
「うむ、別に謝らんでも良い。それはそうとお主はどんな願い事を書いたのじゃ?」
魔王は参謀へと問いかける。
「私も概ね魔王様と一緒ですね。これです。」
そう言うと参謀は、魔王へと短冊を差し出す。
魔王はその短冊を受け取ると中身をのぞき込む。
今年こそ△△が叶いますように さんぼー
「おぬし...。」
「私も魔王様と一緒です。時間が無くて少し焦っているのかも知れませんね…。」
参謀はやや苦笑いを浮かべて答えた。
「時間がないのは確かだが、あせるのも良くないぞ。まぁー、この程度なら大丈夫であろうが。」
魔王は参謀へと語りかけた。
「そうですね。焦りが大きいのは感じています。それが表に出すぎるのもダメだということも分かっているつもりではあります。少し頭を冷やした方が良さそうですね。」
再び参謀は苦笑を浮かべる。
「まぁー、それもしかたないことではあるさ。それはともかくこんな湿っぽい話は終わりにして短冊をかけに行こうではないか!参謀よ。」
話は、これでおしまいとばかりに魔王は短冊を飾り付けに行くように参謀を促す。
「それもそうですね!では、さっそく飾りに行きましょうか、魔王様。」
そう言うと参謀は、魔王を連れて短冊を飾りに外へと出ていく。
外に飾ってある笹の葉には、様々な短冊が飾られている。
魔王が遊び半分やノリで書いたものや参謀がふざけて書いたものなど真面目なものからおふざけ者までめいいっぱい笹の葉に飾られている。
突如、ビューっと一陣の風が吹いてきた。
笹の葉に飾られている短冊は風に揺られている。
そんな中、どうやら隠されていた1枚の短冊が笹の葉から揺られて飛び出してきた。
その短冊にはこう書かれていたそうな。
今年も魔王様と...平和にありますように さんぼー
時間微妙にすぎてしまいました(´ヮ`;)
まさかの1年越しに七夕のお話です




