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室町ひょうすべ拾遺1  作者: ずずつすず
われらは室町
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5/82

『尊卑分脈』事件

 平正盛の生没は(?~一一二一)

 同時代の日野家当主・日野実光は(一〇六九~一一四七)

 実光の妻に、高階重仲娘がいる。

 ムナカタの多方面作戦に思えて仕方ない。

 源義家の生没が(一〇三九~一一〇六)

 みな活動期に重なっている。

 

 ムナカタが中央の日野家に接近、藤原有綱も日野家だ。ーー分からない。どこからが姫大神の謀で、どこからが日野家の陰謀なのか?

 ともかく、ムナカタ─日野家─源氏─平氏─ムナカタ・・この辺りは、連動している。

 

 さて、ともあれ、義親は討たれ、義家の家督を義忠が継承する。彼が義親の遺児・為義をわが子同然に引き入れ、一族の融和に務める。

 

 ここなのだ。

 宗像氏の思わぬ蠢動まで掘り当ててしまったが『尊卑分脈』事件・・足利家が働いた工作の痕跡だ。

 というのは『尊卑分脈』では、為義を義親遺児にする。

 しかし、藤原忠実が記した『殿暦』天仁二年(一一〇九)二月十七日の記録には「義家朝臣四郎男為義」

 

 義家朝臣の四男為義

 

 とあるのだ。

 他にも北酒出本の『源氏系図』長楽寺本の『源氏系図』

 妙本寺の『源氏系図』『佐竹家系譜』

 これらの史料では、為義は、義家の四男とされているのだ!!

 

 文学博士の佐々木紀一氏が、この矛盾を指摘されている。これらの日記や系図に共通するのは、いずれも『尊卑分脈』成立前の史料だということだ。

 

 千寿王、やりやがった。

 

 ーー書き直したのだ。本来、源義家四男だった源為義を、源義親四男へ。

 しかし、一方で、なぜ『尊卑分脈』が、悪対馬、罪人である義親の子供にわざわざ為義を位置づけたのか説明ができない、という指摘がある。

 

 ひょうすべ史観からは、つぎの事実を提出する。

 

 『尊卑分脈』以前の系図では、源為義は、義家の四男

 母(・)は(・)藤(・)原(・)有(・)綱(・)娘(・)

 とされているのだ。

 

 つけ加えるのなら、源為義の嫡男は、源義朝。

 源(・)頼(・)朝(・)の(・)父(・)親(・)だ(・)!!

 

 つまり、為義を義家四男から、一世代下、源隆長娘が母親である義親四男に移動することで

 初(・)代(・)鎌(・)倉(・)殿(・)、(・)源(・)頼(・)朝(・)に(・)、(・)真(・)夏(・)流(・)の(・)血(・)を(・)引(・)い(・)て(・)い(・)な(・)い(・)と(・)い(・)う(・)、(・)武(・)権(・)神(・)授(・)説(・)上(・)の(・)瑕(・)疵(・)を(・)与(・)え(・)た(・)の(・)だ(・)!!

 秦氏は、実際に血がつながっているかより、系図上のつながりを重視する。とはいえ、もちろん、実際に血がつながっているのなら、それにこしたことはない。

 

 足利義詮は、為義の親を変更することで、母源隆長娘と確定している源義親四男にすることで、頼朝を、真夏流の血筋から追放したのだ!!

 

 これによって、義家三男義国(母藤原有綱娘)の子孫である足利氏は、頼朝公よりも抜きん出た、真夏流の血を継ぐ唯一の八幡神族将軍家として君臨できる!!

 

 しかも、為義は、娘を、佐々木秀義の室にやり、その子供が、嫡男・佐々木定綱、、ーーー蒲生惟賢娘を娶った八幡旗手との接点だ!!

 

 つまり、一石二鳥、家系図の為義を動かすことで、佐々木源氏をも、真夏流の血族から追放した!!

 

 えげつないことをする・・

 さぞや、佐々木氏、京極氏、六角氏は、いやな顔をしたことであろう。

 

 さらにつけ加えるなら、義忠が暗殺された後の子孫は、稲沢盛経という人物を出したりしたものの、歴史の闇に消えている。(ただ、はるか鎌倉幕末に、護良親王を吉野で助けた野長瀬氏を出している)

 『尊卑分脈』事件を起こすことで、義国末裔足利家は、独り栄耀に浴するようになったのだ。




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