第20話〜仕組み
書かせていただきました。向かいや セリフがややこしくなってきましたが お許しくださいませ。これからどんなミステリアスなスリリングな展開になっていくのでしょうか?、乞うご期待!
画面に表示された「非通知設定」の文字が、彼の視界で不気味に明滅する。
大教室のざわめきが、一瞬で遠のいた。最前列の彼女は、振り返った姿勢のまま、じっとこちらを見つめている。周囲の学生たちは誰も、この異常な視線の交差に気づいていない。
「……出ろ、ってコトか」
喉の奥で呟きながら、彼はごくりと唾を飲み込んだ。今ここで通話ボタンを押せば、スピーカーから拡声された彼女の声が教室中に響いてしまうかもしれない。かといって、耳に当てて話すのも、授業中のこの状況では目立ちすぎる。
彼は意を決し、机の下で通話ボタンをスライドさせ、スマホを耳元へ滑り込ませた。極力、声を潜めて囁く。
「……もしもし」
**自分の喉から出た、女の子の掠れた甘い声に一瞬目眩を覚える。だが、**耳元から聞こえてきたのは、ノイズ混じりの、しかし確実に聞き覚えのある「男の声」だった。正確には、彼が今朝までずっと使っていた、自分自身の声だ。
『やっと気づいたか。遅すぎるんだよ、俺の体』
受話器の向こうの「自分の声」は、ひどく冷徹に、そして愉しげに嗤った。
『お前が神崎綾の体で右往左往している間、俺はそいつの席で、お前のスマホからすべてを見ていた。……言っただろう? “中身は俺の体を狙って入れ替わった張本人”だってな。だが、お前は一つ決定的な勘違いをしている』
最前列の彼女が、ふっと口元を歪めて微笑むのが見えた。その冷たい視線が、まっすぐに自分を射抜いている。
『入れ替わったのは、お前と神崎綾だけじゃない。……この教室の中で、すでに“三人以上”の魂がシャッフルされているとしたら、お前はどうする?』
お読みになっていただきまして誠にありがとうございました。まだまだ書きます。お付き合いのほどお願い申し上げます。




