第12話〜苦難の道
書かせて頂きました。これが月経のくるしみというもの。彼はこの苦しみからになれるが出来るのでしょうか、お楽しみいぢけましたら光栄でふ。
駅の隅にある多目的トイレの姿見を目指し、ロボットのような歩調でなんとか滑り込む。個室に入り、鍵を閉めた瞬間に大きな溜息が出た。
恐る恐るスカートをたくし上げ、鏡に映る後ろ姿を確認する。
「……よかった、まだ赤くはなってない」
心底安堵したものの、下着の中の不快感は限界を迎えていた。恐る恐る中を覗くと、真っ赤に染まった白い物体が目に入る。
(これがナプキン……。さっきの塊は、経血の凝固したやつか。ていうか、もう限界じゃないのかこれ? 替え時はいつなんだ?)
スマートフォンを取り出し、震える指で「生理 ナプキン 交換頻度」「レバー 塊」と検索を始める。画面に並ぶのは、自分がいかに無知だったかを思い知らされる現実ばかりだった。
『経血は単なる血液ではなく、剥がれ落ちた子宮内膜です』
『ドバッと出る感覚はみんな経験しています』
『放置すると雑菌が繁殖し、肌荒れやニオイの原因に。2〜3時間に一度は替えましょう』
「2〜3時間……!? 冗談だろ、そんな頻度でこれを繰り返すのか?」
しかも、バッグの中を探っても替えのナプキンらしきものは見当たらない。どうやら、入れ替わった元の体(志望の女の子)も、今日が予定日だとは思っていなかったらしい。
「嘘だろ……。この状態で、今から大学の講義に出ろって言うのか?」
じわじわと下腹部を締め付けるような鈍い痛みが、今度は「生理痛」という新たな刺客となって襲いかかってきた。東大の入試問題よりも遥かに難解な、未知の苦難に頭を抱えるしかなかった。
ご一読いぢねまして、誠に有り難う御座いまして…




