アレーヌが開拓生活を選んだ理由
実家を出て1週間後、私は無事に開拓地に到着した。
「想像していたよりも凄いわね……」
雑草は伸びっぱなしで小屋に着くまでの道が見えない。
私は早速持ってきた荷物から鎌を取り出しザクザクッと切って進んでいく。
魔法を使ってもいいんだけど勢い余って小屋まで壊す可能性があるのでここは地道に手を使う。
公爵令嬢としての私を知っている人から見たら驚くだろうけどこれが本来の私なのだ。
幼い頃から王太子と婚約が決まるまでは野山を駆け回るのが大好きな子だった。
成長してからも夏休みには領内でキャンプをしたりしていた。
だから、これぐらいの事は苦でも何でもない。
ザクザクッと道を切り開き漸く小屋に到着した。
木で出来た小さな小屋だけど、私には丁度いい。
扉を開け中に入ると中は特に何も無い。
窓を開けて空気を入れ替えると小屋の埃っぽい空気は消えた。
「さて、まずは小屋に加護をつけましょうか」
袋から札を取りし小屋の壁に貼っていく。
これは教会からいただいた魔除けの札だ。
この札を貼ればこの小屋の丈夫さが増す。
私は外に出て周囲を見た。
「風魔法よ、切り裂け!」
そう言うと強い風が吹き雑草を切り裂いて行った。
私は一応火、風、水、土魔法の基本的な物は使える。
これも開拓生活を選んだ理由の1つだ。
つまり公爵令嬢でなくても生きていけるのだ。
まぁ両親からは余り良い顔はされないけどこちらは婚約破棄された身だ、そう簡単に次の婚約が決まる訳がない。
だから、これからは私のやりたいようにやらせてもらうつもり。
「だいぶスッキリしたわね」
あっという間に雑草は綺麗に消えた。
雑草を一箇所に集めて火魔法を使い燃やして大地の肥しにする。
さぁ、これからが私の開拓生活の始まりだ。




