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アレーヌの思惑

 城から帰り自宅に戻ってきた後、お父様に呼ばれた。


「今日は傑作だったな、国王があんなに蒼白い顔をしているなんて余り無いぞ」


「お父様、余り良くないですよ」


 お父様は豪快に笑っているが誰かに聞かれていたら不敬である。


「まぁ王太子は爵位剥奪で平民として辺境行き、その真実の愛の相手である男爵令嬢も平民となり婚姻は認められ一緒に辺境行く事になった、そこに真実の愛があるかどうかは分からないがな」


「そこは本人達の頑張りではないでしょうか」


 もう他人事なのでどうでもいい事だ。


「ところでアレーヌ、あれはどういう意志だ?」


「どういう意志、と言いますと?」


 お父様の聞きたい事はわかる、本来ならば宝石とか新たな婚姻とかを欲しがる筈だ。


「荒れ地を欲しがるなんて今まで聞いた事が無い」


「えぇ、今まで黙っていました、私の長年の夢なんです」


「夢?」


「はい、窮屈な貴族社会は私の性には合っておりません。 私は綺麗に着飾るよりも汗水流して動いた方が良いのです」


 王太子の婚約者になってからはずっと『公爵令嬢』という仮面を被って生きてきた。


 しかし、本来の私はどちらかと言えば自然に囲まれのんびり過ごすのが好きだ。


 だから、婚約破棄を言われた時は内心嬉しかった。


 王太子への愛情? そんな物はこれっぽっちもありません。


 我儘につき合わされて何度も手が出そうになって我慢しましたよ。


「それに、この国にまだ未開拓地が沢山ございます。 それこそ放置しておくのが勿体無いぐらい」


 王妃教育で知った事だけど、この国にはまだまだ資源が溢れている、ただそこに手をつけていない。


「なるほど、我が国の為になるか……、いいだろう好きにすれば良い」


「はい、必ず良い結果をご報告いたしますわ」


 私はそう言った。


 その後、候補地の中から1つを選び、正式に私の土地として契約を結んだ。


 慰謝料の中から開拓に必要な資金を分けていただき私は実家からいただいた私の土地へと旅立った。 


 

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