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第73話 大阪城ごーごー!


「おーっす、おっすおっす」


「なんやねん、その適当な挨拶は」


「すまんすまん。久しぶりゆえのテンションゆえに」


「謝る気がないのはわかったわ。まぁええけど」


 昨日ヒトハから引っ越し準備が終わったと連絡を受けて、こうして冒険者協会で待ち合わせを行ったわけだ。


 この数日、スミレと二人でいくつかのダンジョンを討伐してきたが、歯ごたえがなかった。ちょっと退屈していたところにきた連絡だったので、渡りに船ってやつだな。


「んじゃ、今日は大阪城ダンジョンに行くんだよな?」


 なんか観光名所になってんだっけ?大阪城……日本史の授業でやったくらいだから、あんまりイメージないけど。


「せ、せやね……うん、大阪城、行こか?」


「お、おう?」


 なんだ?なんかモゴモゴして、ヒトハらしくない感じだが……体調悪い?


 熱でもあんのかな?


 ちょっと気になったので、おデコをぺたっとな。


「わひゃう!な、なにしてけつかるねん!!おおっ!?」


「いやゴメンて。体調悪いんかと思っただけだよ」


 ものすごい速度で反応したし、大丈夫そうだな。興奮してるだけか。よかったよかった……いや、何に興奮してんだよ。大阪城?こえーよ。


「きょ、恭平くーん?わ、私もちょっと熱っぽいかもですぅ……」


「ほーん?」


 ぺたっとな。普通じゃね?


「あ、あへあへ、あはぁ……♡」


 あ、熱っぽいわ。ダメかも。足もガクガクしてるし。スミレ、なんでこんな無理してんの?


「大丈夫か?休む?」


「きょうへいくんも、いっしょにぃ……」


「休まねーよ。なんか移りそうだし。隔離だ隔離。あれなら二人で行ってくるぞ」


「はぁい……げ、げんきになったらぁ、おいかけまふぅ……」


 あ、ほんとにダメそうだな。後ろでずっとこっちを見てる後藤さんに目配せをすると、苦笑いしながら頷いた。よし、あとは任せた。


「んじゃ、俺ら二人で行くかー」


「へぇっ!?ちゅ、中止にせぇへんの……?」


「しねーよ。観光ナメんな」


 それにヒトハも行きたかったんダロッ☆俺は気が付くタイプだから、言わないけどなっ!


「わ、わかった……ふ、二人きり、か……でも、まぁ、うん……」


 なんかもじもじしながら喋ってるけど、クローズヘルムな上にフルプレートアーマーがガチャガチャうるさくて聞こえねぇ。


「よくわからんけど、さっさと行こうやないか!」


「似非関西弁すんなや殺すぞ」


「こっわ」


「なはは、ほら行こっ!」


「待て待て。俺がクラマスだぞ」


「ほなウチは大幹部やなぁ♪」


「否定できない」


 謎に上機嫌なヒトハを追いかけながら協会を出る。こっから大阪城ってどうやって行くんだろ。


 ◇◇◇


 恭平たちが出ていった、冒険者協会にて。


「……おい、聞いたか」


「ああ、大阪城やな」


 ◇◇◇


「でっけーお城ぉ!」


「やめーや」


 ヒトハにビシッ、と胸を叩かれる。


「ほわい?」


「……ほら、早よ行くで」


「恥ずかしいの?」


「うっさい!」


「りふじん」


 デッカいお城である。東京にあるお城はラブ……ゲフンゲフン、くらいしかないからな。


 池みたいなお堀に大きい橋が架けられている。その向こうに石を積んだ城壁?がうねうねして……立派なもんだ。でもこれどっからダンジョンなんだろ。


「なぁヒトハ」


「入り口はあのどーんと立ってるお城やで。中はダンジョンやから、そこに行くまではセーフや」


「ほぇ〜」


 観光案内の人?すごいねぇ。


「なんかムカつく顔やなぁ……」


「まぁまぁ、とりあえずあの天守閣?まで行こーぜ」


 ◇◇◇


「冒険者の方〜、ダンジョン入り口はこちらですよ〜」


 うねうねとした道を歩くことしばらく、大きな広場に出てきた。売店から美味しそうな匂いがしている中、受付っぽい人が手を振りながら案内をしている。


「入りまーす」


「ちょお待って、売店で食べもん買ってこーや」


「お、確かにいい匂いだしな。賛成」


 焼きそばやたこ焼き、お好み焼きにイカ焼き、フランクフルトに唐揚げにポテトフライ。色々あって目移りしちゃうね。


「うーん、どれにしよっかなー?」


「ぜ、全部とか、どない?」


「お、コンプしちゃう?どれも美味しそうだしなぁ。そうするか!おっちゃーん!全部くれー!」


「あ……へへ」


「ん?どしたん?」


「んーん、なんもないで」


「はいお待たせ、三百万円ね」


 手際よくプラスチックの容器に食べ物を詰めて渡してくれるおっちゃん。三百万か、結構するな。


「Bペイで」


「なんでやねん。抗えよ」


「へ?」


「ボケ返しか、中々やるやん坊主」


「は?」


「どう考えても高すぎるやろ?そういうボケなわけやん?今サトやんはおっちゃんのボケを殺したんやで?」


「おこられてるの?」


「そうやぞ、笑いってのは共同作業やからな。被せてくるんやったらちゃんとしてもらわんと」


「何言ってんだこいつ」


「ええか?サトやん。おっちゃんが三百万や言うやろ。ほなサトやんがボケるかツッコむか──」


「おそらきれい」


 ◇◇◇


「よっしゃ、ほな気張っていくでー」


 お城の中に入ったけど、結構狭い。それに薄暗い。まんまお城の中って感じだな。


「よーしっ、じゃあさくっと探索していこ──」


「待てコラアホンダラァ!」


「あ?」


「おうコラァ!ボケコラァ!忘れたとは言わせんぞぉ!」


「…………?」


 誰だっけ。なんか見覚えあるけど。


「サトやんサトやん、あれや、ウチらが会ったときに、ウチに絡んできた奴ら」


「あ、ああ、あー、久しぶり?」


「忘れとるやんけぇ!」


 覚えてるわけねぇだろ……。


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