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第33話 次の舞台へ行きましょう


『汝は【裏切り者晒しスレ】人狼なりや?』


 名無しの村人

 新しいのきたぞー


 名無しの村人

 誰?新人?


 名無しの村人

 アットホームパーティー

 竜胆スミレ

 罪状:仲間を売った


 名無しの村人

 クソだな


 名無しの村人

 ソースは?


 名無しの村人

 目撃者多数

 ガチ


 名無しの村人

 お、結構可愛い


 名無しの村人

 仲間売るやつやで


 名無しの村人

 それだけで詰んどるのう


 名無しの村人

 あれ?でも仲間が強盗未遂か何かで捕まってなかったか?


 名無しの村人

 だから、それをしたのがコイツだろ

 仲間をハメて、売った


 名無しの村人

 あー

 なるほど

 アウトだわ


 名無しの村人

 ま、色仕掛けでもしたんだろ

 顔だけは良いからな


 名無しの村人

 冒険者界隈

 信頼が命なのよねー

 ガチで命懸けだし


 名無しの村人

 じゃあまあ

 吊りで


 名無しの村人

 吊りで


 名無しの村人

 賛成


 名無しの村人

 おけ


 ◇◇◇


 北千住の販売所、たくさんの武器が陳列された中を当てもなく歩く。


「うーん…………はぁ、難しいな」


 あれから一ヶ月が経った。二日に一回、ユキナとトレーニングをこなし、ダンジョンでお金を稼いでは後藤さんに吸い上げられる日々。代わり映えはしないけど、充実している。


「何?ため息なんてついて。悩みでもあるの?」


「んー……悩みというか、なんというか」


「何よ、煮え切らないわねぇ」


 後藤さんからツッコミを受けてしまった。ちなみにここにある武器は全部購入済みだ。後藤さんがうるさいからね!


 とはいえ、煮え切らないと言われてしまうとその通りである。ぶっちゃけて言えば、伸び悩みだ。


 ユキナとやるトレーニングでも、ダンジョンでの戦闘でも、スキルが伸びなくなってしまった。


 単純な回数の問題なのか、それとも壁をぶち破らないとダメなのか。このまま続けるのが正解なのか?思わず頭を抱えそうになる。


 わからん……!ヒントが……!ヒントがほしい……!!


「よくわからないけど、魔鋼製の装備は一揃えしたんだし、次はミスリルいきましょう?ほら、片手剣なら五千万円から買えてお得よ?」


 後藤さんが、どこから出したのかデッカいカタログを両手で開いてグイグイ押し付けてくる。俺一応上客だよね?


「どこがお得なんだよ……ん、いや、でも……?」


 昔の人は言いました。スキルがダメなら装備を上げればいいじゃない。


 うん、素晴らしい言葉である。


「五千万か……それなら……ありかもな……」


「マジでっ!?よっしゃあああ!片手剣!?片手剣ねっ!取り寄せしとくわねー♪」


 カタログを俺へと放り投げて、スーツのポケットから携帯端末を出してピコピコし始める後藤さん…………んっ!?


「待てコラァ!まだ買うとは言ってねぇ!」


 その端末から手を離せ!ふざけんなよ!!


「えー?伸び悩み解決しましょうよぉ」


「……本音は?」


「今期成績トップ確定!ラッキー!」


 頭痛くなってきた。この一ヶ月、結構な頻度で武器やら買ってるけど、距離縮まりすぎてない?俺はキャバ嬢を支えるエースじゃねぇぞ。


 うーん……でもなぁ、今のところお金を稼いでもハッキリとした使いどころがない。クラン設立よりも先に、アキラ対策だよな……。


 後藤さんが放り投げたカタログを見る。青みがかった白銀の刀身。商品名はそのまま、ミスリルの片手剣ね。何故かすでに丸く囲まれてるけど、見なかったことにしておこう。


「五千万か……買うか!」


「やりぃ!毎度ありがとうござ……あ」


「あ?」


「在庫切れだわ。うーわ、最悪ぅ」


「在庫切れぇ?」


 後藤さんが手に持った端末をこちらへと向けてくれた。その端末の画面には、赤い字で『在庫ゼロ』と書かれている。


「ふーん……?いつ入るの?」


 来月とか?まぁそれくらいなら、別に待てるけどな。


「えっとね……半年後ね。予約待ちになってるわ」


「半年後ぉ!?アキラに間に合わないじゃん!」


「……まぁ仕方ないわね。とりあえず予約だけはしときましょう」


「待て待て。いらねぇよ。間に合わないなら意味ないよ」


「何よ、私だって今期の成績に間に合わないわよ。うちは年末締めなの」


「マジで寄り添おう?ユーザーフレンドリーどこいった?」


「この前廃棄したわ」


「ひどすぎぃ!……って冗談はさておき、何か他の方法ないの?」


「あら、もう終わり?うーん、そうねぇ……まぁ、佐藤くんなら大丈夫か。取りに行けば?素材」


「取りに行く……って俺が?」


「そ、あなたが。在庫切れって書いてあったけど、どうやら素材の仕入れが滞ってるみたい。ミスリル持ち込みなら順番待ちもないし、必要数以上に納品できたら高めに引き取ってもらえるかもよ?」


「ほほう?それは……ありだな」


 多分、素材持ち込みなら五千万円もしないだろうし。武器全部新調する勢いで潜るか……?


 うん、決めた。


「後藤さん、ミスリルってさぁ、どこのダンジョンで落ちるの?」


「へ?そうねぇ、このあたりで有名なのは、奥多摩かしら?第四……だったかな」


 奥多摩か、ちょっと遠いな……。


「後藤さんさぁ……車とか持ってる?」


「ん?持ってるわよ?」


「……一緒にいかない?取り分はミスリル装備作った余りでどう?」


「あ、あま、余りっ!?あ、あなたそれ……いくらになるか、わかってるのっ!?」


「知らないけど。いいじゃんたまには。どう?」


「行く行く!行きまーす!よっしゃ!有給申請してこよー!」


 機嫌良さそうに飛び跳ねながら出ていく後藤さんを見送る。


 よし、現地までの足ゲットだ。ラッキー。


 ◇◇◇


「竜胆さん、君をこのクランから追放するっ!」


「うえええええっっっ!?」


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