L'Arc-en-Ciel「flower」
太陽のように強く咲いていたい。
ヴィジュアル系と呼ばれるバンドの中でも、ラルクとルナシーは演奏力が高くて、30年くらい前の曲でもあまり古さを感じさせませんね。ロックなどの楽器で私が特に重視するのはベースなんですけど、これらのバンドのベースはプレイスタイルとしては好対照でありながら、どちらもとても魅力的で。ルナシーの方はわりとベースらしいベースで、あまり派手なことはしていないはずなのになぜか全てがかっこいい。ラルクの方はギターばりにのびのびと歌いまくっている派手なベースで、こちらもすごくかっこいいですね。
バンド名の月と海、虹というのが象徴的なんですけど、ベースプレイのみならず世界観としても、対照的なものを感じることがあります。いずれもヴィジュアル系らしく耽美的なんですけど、ルナシーの方はわりとはっきりと男女の愛というイメージで、歌っている感情も失恋や未練といった女性的なものが多い印象です。対してラルクはもうちょっと中性的というか、もっといえば性別を超えた愛というニュアンスを感じることがあります。
私がそういう、これって性別を超えた愛なんじゃないの?というものを特に感じるのが「flower」なんですよ。歌詞を素直に読めば、恋人の女性を待ち焦がれている男性の歌、ということになるんですけど。例えていえば、普通なら王女様は王子様が迎えにきてくれるのを待っている、となりそうなところを、王子様が王女様を待ちわびている、といったことになるわけで。物語の構図としては、あまり男らしい感じではないですよね。
にもかかわらず歌そのものには軟弱なところは全然なくて、むしろ異様に力強い。この力強さはなんなんでしょうね、と考えてみると、これはもしかしてヨハネがキリストを待っている歌なんじゃないの?という解釈になるんですよね。ヨハネといえば洗礼者ヨハネと使徒ヨハネがいますけど、この場合はどちらでもいいしどちらでもある。洗礼者としてキリストに先行して活動して救世主を待つ、ということでもいいし、最も愛される使徒として救世主を待つ、ということでもいい。
まあ普通に考えたらあまりにアクロバティックな解釈であることは重々承知ではあるんですけど、そういう風に理解しても説得力を持つくらいのエネルギーがこの歌にはあると思うんですよね。あまりにピュアな愛というのは、ときに男女の恋愛を超えてより普遍的な愛の表現になってしまう、ということなのかもしれませんね。
動画。
https://youtu.be/Tj4aN-JxA7M?si=OEYICT_0bbRxQxzV
歌詞。
https://www.uta-net.com/song/9407/




