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音楽の神学み  作者: 聖
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4/12

黒夢「MARIA」

ぼくのそばにいてください。

いわゆるヴィジュアル系というのも不思議なジャンルですよね。メタルを大きなルーツの一つとしたサウンドで、化粧など外見も含めた幻想的で耽美的な美意識を追求するバンド、といったことになるでしょうか。世界観の核心はどこか曖昧なままにして、ひたむきに様式を洗練させていくところがすごく日本的な文化だなーと思います。


美意識の探究の結果としてなのか、明確にクリスチャン的なモチーフになっている曲もけっこうありますね。ただ、こういうエッセイを書いておいてなんですけど、私は聖書に多くを学んでいますしキリストを信じていますが、だからといって教会に所属しているわけでもなく無所属で、いわば野生のクリスチャン?といった立ち位置になります。


だから、必ずしもクリスチャンっぽい曲ならそれだけで大喜び、というほどにはクリスチャン文化に密着した肌感覚を持っているわけではないんですが、美意識の果てに信仰の形式にたどりついた、という感じのこの歌は、信仰に対する距離感がちょうどいいところにあるように感じて、そこに惹かれるものがあります。


不器用な不良少年が聖母マリアにすがる、といった構図の歌ですが、「遠い昔、おとぎ話で聞いてたきみがもしも事実、存在するのなら」と歌われているように、頭から聖母マリアの実在を前提としてそれをそのまま信じる、というほど素直なスタンスというわけではなく、現代人として普通にある聖書への懐疑を前提として、それでもなおできることなら聖母にすがりたいという、より切実な祈りになっているわけですね。


黒夢はヴィジュアル系にパンクのテイストを持ち込んだと言われています。メタルはともかくパンクの精神ってどちらかといえば無神論的でニヒリスティックで、あまり信仰みたいなところには向かわないジャンルだと思うんですが、それがヴィジュアル系という美意識と交流したことで、悔い改めようとする現代の不良少年、といった普遍的な魅力のようなものを帯びた歌になった、ということになるかと思われます。

動画。

https://youtu.be/3n4GR1INiWw?si=I6FNDTZKCHXg1pFo

歌詞。

https://www.uta-net.com/song/10410/

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