第8話 〜武闘大会①〜
武闘大会、それは能力を磨き鍛え上げ己の実力を100%引き出し全力でぶつかり合う激しい大会だ。
それに俺も参加するのだが…格闘経験は全くない、人生で一度もそういう経験をしていない。
なので俺は、前世の職業聖女の能力を使用しバフを自身にかけて挑む事に決めた。
卑怯かと思われるが、一応武闘大会ではバフ等なら使用してもいいらしい。攻撃魔法等は、使用すれば即失格になり出場権利が剥奪され不参加とみなされるみたいだ。
「聖女の能力で良いバフは…」
ステータスウィンドウを開いて固有能力を見ていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「聖光加護」
自身、味方全員に攻撃力、魔力、能力、速度等を大幅強化する。
「魂聖強化」
魂そのものを強化し、魔力、能力、精神力、生命力を大幅強化する。
「神命加護」
最大HPと生命力を大幅上昇させ、HPを徐々に回復させる。これは流石に卑怯だと思うから使用するのはやめよう。
「聖戦之詔」
味方の戦意を極限まで高め、攻撃力、クリティカル率、魔法威力を上昇する。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
他にも色々とバフ系能力はあったが、それは流石に今回使うと卑怯だと思い気が引けるので紹介するのはまた今度させてもらう。
「無難にこの3つか、2つまでかな。クリティカル率を上昇させるのは流石にこれも卑怯だよね」
「さてと、とりあえず王城に行くか。アイリスも準備終わってると思うし」
自分の部屋から出て隣の部屋へ行き、ドアをノックしてアイリスの返事が返ってくるのを待った、返事と共にドアが開かれ顔を出した。
「アルトもう準備出来たのね、私も今準備終わったから今から国王様の元へ行きましょう」
宿屋を出て王城へ向かって行き、門の前で国王様の馬車が出るのを待った。
「今日は先に武闘大会だよね、アルト頑張ってね」
「もちろん、狙うは優勝だよ。神鋼剣は持ち主と共に強化し姿を変えるって、絶対に欲しいじゃん?今後の旅に必要不可欠だよ」
「そうね、輪廻の宝珠も必ず必要になると思うわ」
すると、国王様の馬車が来て護衛用の馬車も来て、護衛用馬車に乗り込み武闘大会の会場へと向かって行った。
「ここが武闘大会の会場か、結構でかいな…」
「他の国にも、大会会場はあるけど、ここはそこそこ大きい方かな」
「ふーん、そうなんだ」
会場に到着しては国王専用の席に通され、アイリスは国王様の傍で待機し、アルトは控え室へと移動して行った。
「アイリスよ、アルトは武術に長けているのか?」
「そうですね、アルトはまだまだ未熟です」
「なら、そこまで期待は出来ぬか…」
「でも、元のセンスがいいのでここで何か起きるかもですよ」
「ほぅ、それは楽しみだ」
武闘大会が開幕され、一回戦目からアルトも参加する事になり、他の出場者達は1VS1だがアルトの場合は1VS1VS1という事になった。
(これは、だるい…一回戦目だから仕方ないけど…)
(俺の実力を見る為にこんな感じにしたのか?目の前の敵をぶっ飛ばすだけだし、いいか)
そんな事を考えていると、あっという間にアルト達の出番がやってきた。
「なぁ、俺達手を組まないか?あんな王様の護衛かなんだか知らねぇが、予選を勝ち抜いて来た俺達が損するは間違ってる、先に彼奴を潰してから俺達でタイマンしようぜ」
「確かにそうだな、2人がかりなら一瞬で終わるだろ。あんな華奢な奴に負けてたまっかよ。」
(なるほど、2対1か、自分の実力を知る為には良い機会か)
「国王様の護衛として雇われたアルト選手、どんな戦いを見せてくれるのか!期待ですね、それでは試合始め!!」
2人の男が何も考えずにアルトへと一直線に走って来た。
(こいつら、バカだろ)
「「聖光加護」「魂聖強化」」
アルトは能力値を全て強化し戦闘態勢に入り待ち構えた。
「御前ぐらいの奴が能力強化使っても弱いんだよ!」
拳を振るったがあっさりと躱されてしまい、アルトは次に殴ってくる男の懐に入り溝尾に拳を入れ吹っ飛ばし、瞬時に振り返るついでに背後にいる相手に回し蹴りしたが躱されてしまった。
「な、なんだよ、あの身のこなし…能力強化だけでは無理だぞ…」
「一人目の人気絶しちゃったみたいだよ?ほら、」
アルトが指差した方へ目線を向けると、そこには壁に強く打ち付けられ床に倒れて気絶していた。
「これは、俺も使わなくちゃな「身体強化」「身体能力強化」」
(隙を与えない方がいいよな、なら今度は俺が先制攻撃だ!)
脚に強く力を入れ踏み込んではものすごい速度で一気に相手の元へ行き、速すぎるあまり瞬間移動したかのように見え男は戸惑いつつも後退しアルトと距離を取った。
(なんつー速さだ…彼奴、そこらへんの冒険者よりも遥かに強いぞ…)
「さっきの威勢はどうしたの?降参する?」
男はアルトの強さを見て警戒態勢を取り、いつでも攻撃等を躱せるようにした。
「ん〜、なにもしてこない感じ?なら、俺が仕掛けるか」
アルトはゆっくりと歩いて相手の元へ向かって行ったが、一瞬で姿を消し背後に回っていた。
(は!?き、消えただと!!何処に行きやがった!)
「後ろだよ、アンタのな」
男が振り向く瞬間に思いっきり蹴り飛ばし更に攻撃を仕掛け、腹部を強く蹴り上げ真上に飛ばし高く飛び上がっては、最後にトドメを刺すかのように腰辺りに踵落としを決めて、相手を戦闘不能にさせ会場にいる者達に圧倒的な力の差を見せつけたのだった。




