第5話 ~奪魂王~
俺達は滅んだ村の原因を突き止めるべく捜索を始めた。
「アイリス、何か探す方法とかないかな?」
「んー、そうね、アルトなら聖女だった時代の能力が使えるんじゃないかな?」
「聖女か…」
(確かに聖女だったら、死霊とか悪魔族を探る能力があるかもしれない)
アルトは瞼をゆっくり閉じて一呼吸し意識を集中させた瞬間アルトが聖女だった時代の記憶が蘇った。
そこには、アイリスともう一人美しい女性がいた。
「ねぇ、リシェル!ルミナは私と一緒にお出かけするのよ!」
「アイリス!貴方ね!最近ルミナの事を独占しすぎよ!!」
「アイリス、リシェル、喧嘩しないの」
「ルミナはどうするの!」
「アイリスか私どっちがいいの!!」
「そ、そんなこと言われても~…」
(ルミナか、これが聖女時代の俺の名前なのか…それにしても、リシェルってこの女性少し気になるな。どんな人だったんだろ…)
アルトは記憶の一部を見た後に能力の名前が脳内に流れ込んできた。
「天啓之眼」
天啓之眼を使用し、アルトは周りを見渡すと上空に死神の様な姿をした死霊が現れた。
「あんな所に死霊がいるんだけど?」
「あれは死霊じゃない、奪魂王だ」
「まさか、私の隠蔽を見破るとはな」
「お前が原因だな」
「まぁ、私が原因なのはほんとだしな…私はただ普通の死霊だったが、老いぼれじじい共が死んだその魂を取り込んだら次々と強くなっていくから面白くてな!だから、強くなった力を試してるうちにいつの間にか滅んでしまったわ!」
奪魂王は高笑いを上げてアルトとアイリスを見下していた。
「アイリス、こいつどうやって倒す?」
「時間稼ぎはするから、アルトは聖女だった時の能力を使ってトドメを刺して!」
「わかった、頑張ってみるよ」
アイリスは真っ先に突っ込んで行き奪魂王の顔に拳を入れ吹っ飛ばした。
「中々の威力だ…だが私に肉体攻撃は効かない、それくらい分かるだろ?」
「分かってるよ、だから私が相手してんの!」
「あの男が私を倒せると?ははっ、笑わせるでない」
「そんなことを言えるのも今のうちだよ!」
アイリスは一瞬で5発を殴り、奪魂王は地面に強く叩き付けられてた。その後直ぐに起き上がり体制を整え戦闘モードに入った。
「一方的にやられるというのは面白くないから、私の究極能力を使って相手してやろう」
「究極能力万魂冥王を発動!」
究極能力万魂冥王は喰らった全ての魂を支配し、その力・記憶・能力を自在に扱う事が出来る。
「今度は私の番だ!!」
大きい鎌を召喚し強く握り構えてアイリスに目掛けて思いっきり振り下ろし、斬撃を躱したが地面は凄く抉れ亀裂等が入った。
(やっば!こんなの喰らってたら死んでたよ!?アルト早くなんとかして!!)
「聖翼斬華」
すると、6枚の翼を展開したアルトが光剣を召喚し握っては超高速移動で一瞬で斬り裂いた。
「ぐぁぁあ!!」
(聖女の能力だから、そこそこダメージが通ったはず)
「く、クソ!お前如きが、何故聖の能力を…」
「あとは、これで終わりだ。「終焉之聖鐘」」
指をパチンっと鳴らした瞬間、奪魂王の精神体と魂へダメージを与え姿が徐々に消えていった。
「がぁ゛ぁ゛ぁ゛あ゛!!!」
「これは…」
「これは奪魂王が取り込んでいた、魂が解放されて迷魂化してしまったの」
「どうにかならないのか?」
「貴方の輪廻継承がどうにかしてくれるんじゃないかな?」
「…(いい能力ないかな…)」
すると、ステータスウィンドに聖女の能力の欄が現れ、色々な能力を取得することが出来た。
(ラッキー、いい能力あったわ)
「万魂輪廻」
能力名を唱えれば迷魂になった魂達が本来在るべき元へ導き、次いでに呪いや邪気や穢れを同時に浄化させた。
「これで、原因もわかったし、原因は片付けたから大丈夫でしょ」
「まぁ、そうだね、ギルドに戻ろっか」




