第10話 〜武闘大会③〜
分身体の俺に話を聞くとこうだった、「バルド・フェンリス」は自身の装備に極少量の麻痺性の魔法粉を仕込んでいたらしい。
(ってか、試合前に身体検査して卑怯な手を使わせないようにしろよな〜。ったく、ルールの穴を突いてくる奴がいるんだから気を付けろよ。)
「なるほどね〜、極少量の麻痺性の粉を装備に仕込んでるって言っても、どうやって出してるんだ?」
「それが指輪に仕掛けてるんだよ、麻痺の粉を」
「は?指輪に?どうやって仕掛けるんだよ」
「指輪の側面に極小の穴を開けて、そこに麻痺の粉を仕込んでるみたい。拳を握った瞬間に少量の魔力を流し込んで発動する仕掛けになってるんだよ」
「どうやって対策しようかな…」
「聖女の輪廻能力を使えばいいじゃん」
「あれか、「聖域加護」を使えばいいのか!」
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「聖域加護」とは…
毒・麻痺・睡眠・混乱・魅了・石化・呪い、あらゆる状態異常を完全無効化が可能。
能力使用者を軸にし、一定範囲内の味方にも効果を付与する。
付与された味方も同様の効果が獲られて、状態異常に対する高い耐性を取得し完全無効化する事が可能。
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準決勝は見事にアルトが勝利し遂に決勝戦へ行った。
アルトは「聖域加護」を自身に付与して、控え室から出て会場へ向かって行った。
(此奴が、決勝戦の相手か…貧弱そうな見た目してここまで上り詰めんだよな。まぁ、俺にはこの指輪があるからな…っ、くくっ、)
「さぁ、4年連続優勝者のバルド・フェンリス対アルト・レイヴァンの試合が始まります!!初出場でここまで来た、アルト・レイヴァンは優勝となるのか〜!!それでは、試合が始まります!試合開始!!」
「んじゃ、俺から行くぜぇ!!」
バルドは拳を大きく振りかぶり一直線に走ってきた。
(さて、麻痺の粉で今までの敵は動きを鈍らせて勝てただろうが…俺には効かないぞ。バルド・フェンリス)
アルトの顔面を目掛けて拳を出した瞬間に少量の魔力を指輪に流し込んで仕掛けを発動させ、麻痺の粉を噴き出しバルドは不敵な笑みを浮かべた。
(ふっ、もろに麻痺の粉喰らったな。御前の動きは数秒後に俊敏性敏捷性が鈍くなっていく、くくっ、残念だったな!!)
(な〜んて思ってんだろうけど、俺には状態異常完全無効化にしているからな、残念だけど俺の勝ちだな)
アルトは麻痺の粉を効いているフリをし、バルドを油断させることにした。
バルドは何度も殴る蹴るの攻撃を繰り出すが、アルトは未来予測演算を使用している為ギリギリで躱していた。
(何だよ此奴、動きは鈍くなっているが…攻撃をギリギリで躱される!!どうする…此奴をどうやって倒す…)
「さて、ここからは俺のターンだな…」
ポツリと呟けばアルトは反撃に出た、一瞬でバルドの目の前に移動し腹部にドスッ!と重く強い一撃を入れた。
「ぶは…っ゛!?」
バルドは腹部を強く押さえながら膝から崩れ落ちその場に蹲った。
(ど、どういうことだ…!麻痺は正常に噴射出来たぞ…?彼奴には絶対に効いていたはずなのに…どうしてだ!)
「今、動きが鈍くなってたのに急に素早く動き反撃に出られて混乱してんだろ?あれはフリだよ、鈍く動いてたのは」
「はぁ…!?」
「御前が麻痺の粉を使用して、今までの出場者を鈍くさせて勝利してきたんだろ?」
「何故、それを知っている!!」
「さぁ?何でだろうな。まぁ、今回の事は運営側に報告しておくよ。御前の控え室に行けば予備の指輪があるだろ?」
「くそ…くそ…くそが〜!!!」
怒りに満ち溢れたバルドは立ち上がり、拳を強く握り締めてアルトを殴ろうとしたが、あっさりと躱されてしまい、バルドの右手首とうなじを掴んで腹部に膝蹴りを入れた。
「ぐは…っ゛!?」
「御前はもう負けてんだよ」
最後に容赦無く顔面に右フック入れバルドは体勢を崩してよろけながら地面に倒れた。
「なんと!勝者は初出場のアルト・レイヴァン〜!!」
会場はものすごく盛り上がり、表彰式が行われアルトは無事に優勝賞品神鋼剣を手に入れた。
(明日は、アイリスの戦闘が見られるな。ふふっ、どんな魔法と能力が見られるんだろう)




