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第46話 カケルとミラージュの作戦会議

「うおおおおッ!!」


バギィン!!


木刀と木刀が激突する。

衝撃が腕を痺れさせ、軋む音が響いた。


(くそ……!)


上段。

横薙ぎ。

突き。

様々な箇所を攻める。攻める。攻め続ける。

だが――

全部、止められる。

まるで未来を読まれているみたいだ。


〈パワーもあるし、反応も悪くないわね……でも〉


カマーは冷静だった。


〈……なるほどね……〉


「はぁッ!!」


渾身の一撃。

だけど……それすら、軽く受け流される。


(なんでだよ……! 本気で当てるつもりなのに!)


焦りが滲む。

呼吸が荒れる。

視界が狭くなる。

動きが――雑になる。


それを見ていたミラージュは、違和感を覚えていた。


「……カケルさん……?」


小さく首を傾げる。


「なんか……フラついてる……?」


初めて出会った時の戦闘が脳裏に浮かぶ。

魔獣の群れを一瞬で殲滅した、あの圧倒的なスピード。

でも今は――微塵も感じられない。


「遅い……?」


その瞬間。


「足元がお留守よ♪」


ガシッ。


「うわっ!?」


ズシャアァッ!!


豪快に地面へ転がる。


「いてて……っ、まだまだ!!」


立ち上がる。


だが――


「はい、そこまで」


「……え?」


カマーが木刀を下ろしていた。


「ちょ、ちょっと待ってください! まだ戦えますよ!」


「ダメよ。このまま続けたら怪我するわ」


その声は、先ほどまでと違って真剣だった。


「反射神経も動体視力も良いわ。でもね――」


一拍。


「剣の腕前は、素人以下なのよ」


「……っ」


その言葉を聞いた瞬間……胸の奥が、ズキンと痛む。

確かに……前世でも剣術経験なんてほとんどない。

学校の授業で少し剣道をやったくらいだ。


「あなた……本当に聖騎士パラディンなの?」


返す言葉がない。

力が抜ける。

自分から挑んでおいて、この様だ。

情けない。


「まぁ……レベルが低いなら鍛えればいいわ。でも今は完全に基礎不足ね……」


「は、はい……も、模擬戦ありがとうございました……」


……終わった。完膚なきまでに打ちのめされて……

僕は木刀を返そうとする。


その時だった。


「カマーさん! ちょっと待ってください!」


ミラージュが割って入った。


「作戦タイムを要求します!」


「作戦タイム?」


「はい! カケルさん、来てください!」


強引に僕の袖を引かれる。


「ちょ、ミラさん!?」


少し離れた場所で、彼女が真剣な顔を向けてきた。


「さっきの模擬戦、どうでした?」


「……完敗ですね……」


「ですよね。完全にダメダメです」


グサッ。


率直な意見に心を抉られる……

だがミラージュは続けた。


「でも、それは当たり前です」


「え?」


彼女は僕の耳元で声を潜め……


「カケルさん、もしかして……」


カマーに聞こえないように呟いた。


「------------------------」


「そ、それって……!」


「多分……それが原因だと思います」


「た、確かに……」


耳元で教えてくれた、ミラージュの指摘……それなら合点もあるかも……


「でしょ!!」


「でも……それって……反則じゃ」


「模擬戦だって勝負ですよ」


真っ直ぐな目。


「しかし……」


「なら、ボコボコに負けて帰りますか?」


ムッ!!


「……やる……やります!!」


ミラージュが小さく笑う。

そして、その一言が、僕に火をつけた!!


「なら、交渉は任せてください!」


そして彼女は、カマーの元へ走っていった。


「カマーさん!ルール変更を要求します!」


「ルール変更?」


「装備の使用許可をお願いします!」


「装備?真剣に変えるってこと?」


「いえ。木刀はそのまま。打撃と機動力を補助する装備のみで、魔法は使いません」


「装備の変更ね……」


カマーは腕を組む。


「まさか……怖いんですか?」


ピクリ。


空気が冷えた。


「あら?挑発のつもり?」


(ミラさん強すぎない!?)


だが。


「面白いわ。その挑発、受けて立つわよ」


あっさり、了承した。

そして、ミラージュが戻ってくる。


「OKです!言質取れました!!」


「……本当にですか?」


「はい!!では、才能も頭も、全部使いましょう」


その言葉が、背中を押した。

模擬戦の再開だ!!

僕はカマーの前に立つ。


「さっきとは違うところをお見せます」


カマーの目が細まる。


「……あら?」


〈少し、顔つきが……空気が変わったかしら?〉


先ほどとは、雰囲気が違うことに、カマーは気づいた。


挿絵(By みてみん)


「再戦、お願いします!」


木刀を構える。


〈今度こそ!!〉


ここから、反撃だ!!


〈カマーに一撃入れてやる!!〉


新たなる気持ちで、カマーに挑む僕であった。

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