35ページめ
ぜ、前回よりは間空いてないですよね……………?
ペラペラと、人のいない『レジ裏』に本を捲る音が響いている。いつもなら、凄く心安らぐ時間なのだが、今現在、僕は物凄く緊張していた。
「ぬあーっっっっっ!!!全く集中できない!!」
理由はわかりきっている。色々相談はしたが、これで満足して貰える完成度なのか、さっぱりわからないのだ。実際に、僕自身が鍛冶や錬金術の知識をしっかり持って使っている訳ではないし、日々売っている物は、|異世界のスキル《『ザ・クリエイティブ』》で量産したものだ。ギミック付きの装備品を作るのなんて、始めてなのである。
「魔力回路の確認するべきか?いやしよう。あ゛〜、不安!」
少しでも不安を消すため、声を上げながら、オーダーメイド装備【5属性ナックル】の回路確認をしようと立ち上がる。すると、
「お邪魔します」
あ…………キチャッタ。
心臓がドックンドックン、バックンバックン、隣に好きな人でも立ってるのか、はたまた全力疾走した後か、そんなレベルで動き出す。
「いらっしゃいませー…………」
ギギギ……と音がしそうなぎこちなさで振り向き、いつもより元気も覇気も無い声で挨拶をする。そこに立っていたのは、やっぱり例のカップルパーティーさんだった。
「……取りにきました」
ぐっ、もっとチェックをしたかったが、しょうがない。ここは、いつも通りの笑顔で渡すのだ。というより、それしか道は無いのだ。
「はい、こちらが依頼の品になります」
品物を彼女さんに渡し、『後日感想を聞かせて下さい』と伝える。調整をするから、と。
「はい!」
素晴らしい笑顔でそう言って、彼女さんは返っていった。う~ん、後ろ姿の『バカップル』感よ。よし、異世界文化ではあるが、『末永く爆発しろ』の言葉を送っておこう。さて、ブラウルはいつも通りに外に行っているし、かなりの収入があったし…………。
「うーん、閉めるか!」
外に出て、開店とある掛札をひっくり返し、閉店にする。と、
「カイト・カヤノだな」
うわ、聞いたことある声でめっちゃ断定口調だ〜。とっ捕まって王城に連行された記憶が蘇って…………『うっ頭が』。
「だ、誰でしょう?(裏声)」
ノリと勢いを重視した思考をして、メンタルを切り替えつつ、ここからの離脱を謀る。幸いにも、顔は見られてないし…………。誤魔化せる、と…………いい、なぁ──。
パタン。
ドアを閉じて店内に引っ込み、裏口から出ようと───。
ドガバァン!
凄い音を立てて扉が吹き飛ばされた。
「…………」
灰になる僕。
(ニッコリ)
暗黒微笑を浮かべる誘拐犯。
カラカラ………。
パラパラと崩れる扉だったもの。
「このっっっっっっっ、クソ美形があああああああああああっっっっっ!」
その叫びと同時に、僕は連行された。
ぽーいっ。
そんな音がしそうな雑さで僕は、なんか凄く豪華そうな所に放り出された。まぁ、察しはついている。多分、玉座の前だ。見覚えがありすぎるし。何故か簀巻きにされているので、確信を持つことは出来ないけれど、多分間違いない。
「すいませ〜ん!ここ、何処ですかー!?」
魚みたいにビタンビタンしながらそこに居るかもしれない誰かに呼びかける。お、ちょっとずつ体の向きが変わってきた。いい感じだ。そうやって部屋の全体像よ
を把握しようとしていると、なんというか、しっかり玉座が見えた。予想は出来たけど、ここはこんな事に使うべき場所では無いよなぁ。
「逃げるから縛っておいたって言ってたけど、これは凄いね。拘束具の次ぐらいには動けなさそうだ」
そんなことを考えていると、王サマの声が聞こえた。やはり、また同じ部屋に投げ捨てられたらしい。
「酷い王サマですね。拘束を解いてくれませんか?あと、帰らせてくれませんか?」
とりあえず質問をしておく。流石に、縄ぐらいは解いてくれるだろう。
「カイト君。キミをここに呼び寄せた理由はだね、私の娘を助けて欲しいからなんだ」
「断るので解放して下さい!」
王家の事情は王家でなんとかしてくれ。0.1秒ほど、熟慮に熟慮を重ねた結果、僕は無理と判断した。そもそも───
「…………王宮図書館」
「是非ともやらせて下さい」
アレ?
弱点:本




