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本好き勇者のお店屋さん〜クソ雑魚勇者の辺境店舗  作者: 夏飼 今日輸
2章 2冊目 獣人の魔法使いと時の止まったお姫様
37/39

33ページめ

ゲームしすぎと本読みすぎです。

大変申し訳ありませんでした。

 彼女さんから依頼を受けた僕は、まず、身体を調べさせて貰う許可を貰おうとした。


「変態」


 出来なかった。


「そういう意味じゃないですよ!?そもそも、貴女の魔力器官と運動能力で戦闘スタイルも変化するでしょう!!!」


 少なくとも、身体能力的な問題を考慮するスタイルが3つは思いつく。


「えっと…………どういう───」


 困惑の表情で僕を見つめる2人に、僕は説明をしようとして、ふと思った。


(あ、長くなるな、これ。どうしよう)


 2秒間熟慮を重ね、僕は2人に提案した。


「すみません。説明をしたいのですが、長くなりそうなので、私のお店に来て頂けますか?」


「ええ、まぁ、はい」


 ありがとうございます、と返し、僕は法魔さんに【門】を開いてもらう。


「「えっっっ?」」


 足元に。

 30センチ分ぐらい落ちて『宇宙猫』してた2人がめちゃくちゃおもしろかった。


「お客になにやってんの?」


 ……………ダイアドさんに肩を掴まれるまでは。


「ナズェイルンディス!?」


「なんとなく」


 あっはっはと2人で笑い、その後に、僕はそーっと下がって『ホワイトボード』を出す。5ヶ月分の魔力を持っていかれた高級アイテムだ。


「さて!冒険者の皆さんが大好きな、強くなれるお勉強の時間です!!」


 バンッッッ。

 『ホワイトボード』を叩きながら、魔力を流して絵を出現させつつ、僕は大きい声で宣言する。ダイアドさんとミライさんが白~い、まっちろーい目でこちらを見てくるが、見えなかったことにした。


「さて、生物、それこそ植物にも、魔力の流れ(・・・・・)というものがあります。ここまでは良く知られているでしょうが、その流れは、ありとあらゆる面で個体差がある、という事はご存知でしょうか?」


 僕のその言葉で、いつの間にか用意された椅子に座る人間が4人。法魔さん、いつの間に用意したんだ?グッジョブ。部屋の隅にいる法魔さんにウィンクを送って、僕はホワイトボードをくるりと回転させる。


「それは、こちらの3つになります。」


 そこには、《放出力》、《流量》、《流速》の文字とイメージ図があった。我ながら、中々いいイメージだと思う。


「さて、こちらを見るだけで、まぁ、これが魔法使いにとってかなり有用な情報だと解ると思います」


 コクリ、と4人が頷く。一定以上のレベルに達した魔法使い系統の冒険者は、魔力運用の効率が、初心者のそれとは別次元のモノになる。それは、この3つの特性を感覚的に理解するからだと、僕は思っている。が、しかし。しかしだ。


「皆さんがこれらを理解できたらば、もっと意識的に、魔力の運用効率を上げられる。そう、思いませんか?」


 ふむふむと頷くダイアドペアに対し、カップル組は少し首を捻った後、怖ず怖ずと手を上げた。をぉ〜、マナーと書いて様式美を解ってらっしゃる。


「はい、そこの彼女さん!!」


「か、彼女じゃ……………、いえ、そこはもういいですけど。……………私に、関係があるんですか?ほとんど魔法を使えないような魔力しか持たない私に───」


「え?あるに決まってるじゃないですか。なんのためにこの授業を開いたと思ってるんですか?これからする事を理解して貰うためですよ?さて、理解してもらえたら、続けます」


 くるりと『ホワイトボード』を回し、新しいイラストを出す。


「魔法使いは、魔法を発動する時の魔力の動きに3つのカテゴリ分けができます。これは、左から、基本的に、大体、万能型、一撃型、連射型に分けられます。魔力操作の癖が出やすい、素質的なものですね」


 まぁ、でもこれは基本的なものだ。努力次第ではどうにかなるものではあるが、向き不向きに合わせた方が伸びやすいとは、『古事記にも書いてある』。そして。そしてだ。適切な魔力運用さえすれば、魔力が足りなくても、魔法を発動させることは出来る。それに、彼女は【魔法使い】だ。下地があれば、強くなるのは『カズマさん』もとい『ゲスマさん』の金儲けぐらい簡単だ。


「さて。では、魔力流の測定をしていきたいと思います。まず、私の魔力流をお見せします」


 えい、とやって、みんなにも見えるようにウィンドウを呼び出し、自分の魔力の流れを表示する。う~ん、1レベにしては凄く多い魔力量と放出量だなぁ………………。何故か知らないけど、魔力を使い切るトレーニング(トレーニングじゃない)を馬鹿みたいにやってたからなぁ…………………。ちなみに、効率良くやろうとすると、ポーションが死ぬほど必要になるからオススメはしないし、方法を教える気もない。1回や2回魔力切れ起こしたところで、魔力量が増えるわけではないのです。


(さて、反応は……………)


 宇宙へ飛び立ちそうだった思考を繋ぎ止め、現実に意識を戻す。さて、反応は───。


「一般的な数値と凄くズレてますね……………。」


「グラフ付きなのは凄くわかりやすいね」


「あ、ダイアド君もそう思った?でもさぁ、店長さんの魔力、どうしてここまで伸びたんだろうね」


 うむ。おおむね好評な模様。


「はい。私の場合、流量はともかく、放出力が飛び抜けていることが解ると思います。このタイプの場合、魔力操作のイメージは、体内からごっそり《抜き取る》感じになることが多いです。では、皆さんも調べていきます」


 まずは、彼女さんだ。そもそも、目的が彼女の強化なのだし。


「彼女さん。こちらに来て下さい」


 何かを言いたそうな目でこっちに来た彼女さんの手を握り、スキルを発動する。ちなみに、こっちに来てもらったのは、触れているほうが情報をよびよせ(輸入し)やすいからだ。多分、触れていないとぶっ倒れる。


「フム。意外と……………魔力はありますね。しかし───」


「上手く出せない感じなんですね」


 そう。彼女さんは、魔力をほとんど放出出来ないから、強い魔法を発動出来なかったらしい。


「フム。これなら、パッと思いつく戦闘スタイルは、予め魔法を発動しておく、時間をかけて発動する、それと、小さな魔法を込めた拳で殴る、といったものですね。他にもあるかもしれませんし、どうしたいのか、彼氏さんと話し合って決めて下さい」


 自分が戦える未来が見えたのか、どんよりした雰囲気が少し軽減された彼女は、話し合いに席へと戻っていった。

 はい次〜。

なんか……………、雑。

早く終わらせて本題に入らなきゃいけないんだが────。

頑張って書きます。

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