表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
本好き勇者のお店屋さん〜クソ雑魚勇者の辺境店舗  作者: 夏飼 今日輸
序章 本選び 本好き勇者と魔物達
PR
13/42

12ページめ

もうわかっていると思いますが、単語が入っている『』は、この世界に無い言葉です。

 家に帰ると、というより、家だったモノの前で、僕はうなだれた。家が、全焼している。家は、まだいい。でも…………


「大切な本がァァァあああァァァあああぁぁぁあああ」


 ああ~、最悪だ。もう何もかもがどうでもいい。がんばって集めたお気に入りの本達だったのに。まだまだ読み返したい本ばっかりだったのに。


「ああ~、もう何もかもがどうでもいいや。法魔さん、埋まるから、穴掘って」


 あはは〜と笑いながら法魔さんにお願いする。すると、『法魔さんが法魔とはいったい?』ときいてきた。


「あだ名。マジックデーモンさんって呼びづらいから」


 そう返しておく。『御主人(マスター)から名を頂けるなんて』、と法魔さんが喜ぶ。狂喜乱舞してる?まあ、喜んでもらえたなら、嬉しい。早く、穴掘ってくれないかなぁ。はあああああ。


『すいませんでした。御主人(マスター)の家だと知らず………』


 法魔さんが家の前に立ってそんな事を言う。別にいいよ。もう燃えたんだ。早く埋まりたい。


御主人(マスター)の大切にしていたこちらも、私が燃やしてしまったんですね………』


 こちら=燃えたはずの本の山。

 ………幻覚?そう思って、近づいて触ってみる。本の手触り。


「燃えて、無い?」


 思わず、口に出してしまう。衝撃だった。家ごと燃えてしまったはずなのに、僕の大事な物が、そこにあるのだから。


「なんで………」


『紙だった物すべての時を戻しました。これで、埋まるのはやめて頂けますか?』


 嬉しすぎて、言葉が出ない。だから、代わりに法魔さんに抱きついた。精一杯の感謝と、泣き出しそうなのをこらえるために。人生で、一番嬉しかった日かもしれない。


『まっ、まま、ますたー?』


 急に抱きついた僕に、法魔さんが驚いた声を出す。それが面白くて、涙が出た。ぐりぐりと法魔さんのお腹に頭を押し付ける。


「法魔さーん。大好きだよお」


 ごろにゃーん。という『効果音』が聞こえてくる程に、頬ずりする。すると、法魔さんがあたふたしながら言葉を発した。


『まっ、マスター。本が、本が傷んでしまうので、はっ、離してください。』


 あ。ホントだ。

 僕は、パッ、と動揺している法魔さんから手を離す。すると、法魔さんは本の山をスッと持ち上げ、消した。え?消えた?よく見ると、手元の空間に穴が空いている。なるほど。異空間に本を収納したらしい。その後、法魔さんが家の残骸に手をかざす。すると、まるで『テレビ』を巻き戻したかのように家が建った。スゴイ。いったい、どれだけの魔力を使うんだろう。


『これぐらいですかね』


 法魔さんがそう言う。彼の目の前には、見違えるぐらい綺麗になった(作りが適当な)慣れ親しんだ『マイハウス』があった。


「すごぉ」


 そんな言葉しか出てこないほどすごかった。一体、どんなスキルでこんな事をやったのだろう。


「法魔さん。ステータス、見ていい?」


 思わず尋ねると、『ご自由に』と返された。遠慮なく、情報輸入で調べる。



マジックデーモン ランク9 Lv.32

HP3257 MP15394 ATC2657 MND14937 STR2896


アクティブスキル

詠唱破棄 魔力覚醒 魔力増加Lv.MAX MP消費軽減Lv.MAX 魔力視 魔力操作Lv.MAX

パッシブスキル

黒魔法Lv.MAX 白魔法Lv.MAX 暗黒魔法Lv.MAX 精霊魔法Lv.MAX 神聖魔法Lv.MAX 死霊魔法Lv.MAX 樹霊魔法Lv.MAX

固有スキル

遠見 時間操作 EXPドレイン 人化 思念伝達



 は?固有スキル以外オールレベルMAX?なんだそりゃ。ありえない。しかも、Lv.32で4桁って。やっぱり、生物としての格が違う。


「時間、操作」


 そして、僕は、それを見た。完全な、『チートスキル』。思わず、そんな言葉が漏れてしまう。


『そんな便利なものではないですよ。無生物しか時間を戻せないですので』


 それでも十分便利だと思った。それから、僕は法魔さんにお礼を言って家に帰った。


「ただいま」


 返事は無かったけれど、見慣れた室内に安心した。それから、法魔さんと一緒に本の片付けをしたのは、言うまでもないだろう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ