まさかこんなことになるなんて誰が想像できますか?(大好きな皆に恩返ししよう、そうしよう。㉜)
今回は短めです。更新遅れて・・・すみません。もしかしたら加筆修正するかもしれません。
「・・・話の途中なんだけどさ、シナウス達の事情知らなかったとはいえ・・・なんかごめんね。」
ここまでの彼から経緯を聞いて想像以上の重たい内容に、話しの途中であったが思わず彼に謝罪をしてしまう。
謝罪の口にしたティリエスに対して、シナウスは微笑んだまま心無しか小さく縮こまったティリエスの頭を撫でた。
「姉様が謝る事なんて何1つありません。僕達にとって貴女は恩人なんですからそのような事を言わないで。」
「だって、あれからの私ってかなりスパルタだったでしょ?」
「あぁ・・・あの、ふふっ、確かに厳しい訓練でしたけれど皆それでより士気が高まりました。それに僕達も生きたくて必死で、結果は貴女の存在と1人1人の戦闘能力が飛躍的に向上したお陰で窮地を脱したんですから。それに意外と自分の不得手の部分を命令で訓練できたお陰で自分の苦手意識関係なく上達できたことは僕達には先の戦いで大きな利点でした。」
「でも・・・あの時のイベントだって他の時だってすべてを完全勝利にはできなかった。」
「確かに姉様の言う通りあの時僕達の仲間も多少犠牲は出ました。けれど、最悪の死を逃れ貴女はあの時最善を尽くしてくれました。だからそのように嘆かないでください。」
ティリエスの髪を梳きながら彼は相変わらず静かに微笑んだままだ。
当事者から大丈夫だと言われても、じゃぁ・・・とすぐに申し訳なさが消えるわけでもない。だがこれ以上謝ったところで彼も困るだろうと思い、私は小さく頷いた。
「僕達はそれから一緒にダンジョンへ行っては能力改善に経験値を上げたり、自分達で欠片を探したり・・・不思議でした。死ぬかもしれないのにあの頃が一番僕達が生きていたと実感していました。」
戦いに通じる者は勿論、非戦闘員や子供の姿の自分達でも出来ることはある。
薬学に精通している者はより効能の良い薬を。
鍛冶に精通している者はより壊れない扱いやすい武器や鎧を。
食に精通している者はより精神と肉体を満たす食事を。
誰もが今出来ることを全力でしました。
勿論、姉様も今以上に尽力してくれたおかげで【ドール】達を使いより良い施設を作り上げ更には守護魔法を付与された大きな錬金石で要塞を作り上げた他自分達の装備品という細々なところまできちんとしたものを与えて下さいました。
そして、元々特殊能力のある者はようやくここで同行編成を組まされダンジョンで経験値を上げることとなりました。
まだ本来の姿は取り戻せていませんでしたが僕も参加メンバーの1人でした。
僕の場合は姉様と同じ【鑑定の眼】を持っていましたから、斥候部隊の隊長として働きました。
単純にクリアできる階層ではなくギリギリクリアできる階層を毎回選び自分達に経験を積ませ、敵の特性を覚えさせる。
勿論、回復薬も十二分に持たせてくれたので誰も死ぬことはない。
その日の夜に皆で魔物の特性情報などを共有し意見しあいそして様々な分野で生かすようにした。
稀に魂の欠片を見つけることが出来たので僕を含め本来の姿を取り戻した者達もいました。
自分達が以前に比べ何か変わったせいかそれとも箱庭のシステム、それか魔王の何かが変わったのか。
頭上で声を聞いたあの日からどういうわけか姉様の今までの経験、これまで覚えた知識、何のアイテムを所持しているのか、更にはステータスまで情報が共有できるようもなっていた。
共有の中では、姉様の記憶も閲覧が可能でした。
そこで僕達は精神魔法を得意とする者達に姉様の記憶を見せてもらうことにしました。
記憶といってもこの世界の箱庭、姉様の操る姉様の意思と同調している器が体験してきたいままでの記憶のことになりますが、その記憶映像を見せてもらい魔物のより詳細なデータを調べていると以前聞いたとされる【ぼすきゃら】、所謂各階層ごとの他とは違う役割を持った強い魔物のことを指していて、その魔物は階層の瘴気の共有と伝達及び一定の瘴気を各階層に送る役割を担っていました。
これが倒されれば階層にある程度の瘴気は空気中を漂い階層の意思のない魔物は、以前に比べて弱体化しているもののある程度生み出されてしまうが、徐々に数が減っていく。
楽にダンジョンの中を散策できたのはそれが原因と分かり、倒すことで仲間たちが多く助かり、魂の欠片が多く獲得できたのか、その上もともとここには大きなエネルギー源が必要になったからだという理由も自分達は理解していきました。
そして自分達はそこからある1つの可能性を見出す。
もし、この階層ボスのような魔物が今回の拠点攻めに居るとしたら、そこを叩けば魔物の弱体化が狙えるのではないか?
そしてその魔物の中にはまだ助け出されていない仲間や自分達の魂の欠片があるのではないか?
春の季節の拠点攻めの戦いを皮切りに僕達は平穏とは無縁の日々を迎えることになりましたが、僕達の眼にはもう迷いはありませんでした。
いつも読んで頂きありがとうございます。




