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題名はまだない。何せこの物語はまだ途中なんで!  作者: ちゃらまる
第2章~誕生編~

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まさかこんなことになるなんて誰が想像できますか?(大好きな皆に恩返ししよう、そうしよう。㉝)


『9時の方向!多数のスケルトンの反応です!第1班は光の矢(ライトアロー)の準備っ!後方隊は広範囲魔法吹雪(ブリザード)を!発動後凍り付いたスケルトンを粉砕してください!!次30秒後12時の方向に今度はゲルスライムの軍勢が来ます!炎の矢(ファイヤーアロー)の準備をして下さい!』


的確な指示を出しながら僕達は目の前の敵を倒していく。

シナウスは要塞の上空から能力を使って全体を把握しながら常に警戒する。

彼の後ろには姉様が自分とは真反対の範囲に目を配らせて仲間に命令を出して敵の殲滅をする。


上空からという一番の格好の餌食になりかねないその場所で、2人が司令塔となり味方に支持と策を伝える。



しかし毎度ながらなんと強固な防御魔法でしょうか!一番危険な場所に居るのにも関わらずむしろ自分の心がこんなに余裕が持てるなんて・・・流石は姉様!



拠点攻めが始まって3日目だがシナウスはどんな攻撃が飛んで来ようとも決して怯みはしなかった。


障壁(ブラインド)

吸収(アブソォールブ)

反射(リフレクション)更には否認( ディナィアル)これだけ重複魔法を長時間かけていられるのは僕が知るなかで彼女を含めたった3人だけだ。



おまけに要塞には3分毎に発動する継続回復魔法再生(リジェネレイション)により怪我や疲労感は軽減される他姉様の個人技量(スキル)だろうか、姉様から半径150mにいる仲間のダメージが軽減されるという他人の状態を左右する技量なんてものはどこを探してもない。

これも姉様だけの特別な能力だった。




しかし、ここへやって来ている魔物は正直下っ端の部類だ。

姉様が言うぼすきゃらが出なくては戦況はずっとこのままだ。




と、ここら一帯に大きな鐘の音が鳴る。

3度、どこにあるのか分からないその鐘の音が鳴り終えると僕達は安堵の息を小さく吐いて緊張していた身体を徐々に緩めた。


初めは何の鐘の音か警戒していたがこの音が鳴ると魔物は戦うのを即座に辞め魔王の元へ戻っていく。

これは今日の制圧イベントが終わった合図の音だと理解し、今ではこの音で自分達も拠点を帰る準備をする。


近くにいる負傷している仲間がいれば手を貸して拠点へ戻る。僕も姉様と一緒に降りて拠点へと戻ると仲間が迎えてくれた。


『今日もご苦労だったシナウス。』

『ありがとうございます。皆さんもお疲れさまでした。』


先に戻っていた総督であるヴィスカに声を掛けられ、シナウスは彼に会釈しその場にいるメンバーへ労わりの言葉をかける。

誰もがほっとした表情をしつつもぴりついた空気は微かに感じられる。

今日も自分達の目的の魔物が現れなかったことへの苛立ちだろうとシナウスはそのぴりついた空気を受けとめながらコップへ注いだ水を飲み干す。



自分も同じだ、仲間や魂が完全に戻っていない仲間の為に早く助けたいという気持ちで皆と一緒で焦りそうになる。


でも、今は目の前の事を1つずつクリアしていくしかない。

だがら誰もが気持ちを押しとどめて何も言わずじっと我慢している。




と、上から何時ものように緊張感のない声が聞こえ自分達は空を見上げる。


『うっへー・・・今日もやり切ったぁ。』


姉様だ!

誰もが表情を明るくして空にあるガラス板を見つめる。

『今日もイベントおっつー。』

『やぁやぁありがとう、今日も無事に終わりました。・・・でも本番はこれからでさぁ。』


ため息とともに漏れた言葉に僕は仲間からわたされたおにぎりを貰い頬張りながら聞き入る。


『本番?』

『明後日かなイベントのボスキャラが出る予定なんだよ。』

 

その言葉に誰もが静寂になる。聞いた言葉に誰もが一字一句漏らさないように聞き入る。


『ステータスまでは分からないけど、多分このシルエットからしてドラゴンかも?』

『定番ね。』

『もうちょっと錬金アイテムの作成をすべきか・・・うーん、課金、課金しようかな。課金すれば楽になると思うんだけどね~。』

『え?本気?今月大分つぎ込んでたよね?最近もやし生活じゃん・・・あ、でも明日から来月ね。』

『それだ。』



『ドラゴン・・・だって?』

伝説級の生物の名に誰もがざわつく。

自分達の世界では個体数を減らし、その姿を見たことがあったのはもう100年以上も前。

けれど残っている文献を紐解けばその口から発射されたエネルギーの塊といえるブレスを吐き出されれば、山々がまるで鉄の様に熔けて液状と化し湖の水は一瞬に干上がったという。


そんな天災級の化け物が出るのだろうか・・・。

誰もが青ざめた。


『はは・・・姉さんは先の事が解るなんて預言者かいな。聞きたくなかったなぁ・・・。』

『しっかりしろ、第1隊長が情けない。』

『総督ぅ~。』

ぴしゃりと言ってのけた総督の言葉に隊長は情けない声を出す。


『先の敵の情報が入ったのだ、ここは喜ぶべきだ。それにそんな大きなぼすきゃらがやってくるということは、捕らえられた仲間も多いという事。』


総督の言葉にハッとして彼の顔を見る。


『対策を練るぞ、姉上もあきらめてはいない。私達は私達で知恵を出し合い生き残るようにする・・・それが自分達がやらねばいけないことだ。』

その言葉に誰もが大きく頷いた。



そして、姉様の予言通り2日後、僕達は初めてドラゴンを見たのです。







いつも読んで頂きありがとうございます。

裏設定:どうして彼女はボスキャラ解っているのかというと、イベントに入る前に予告確認をしているため。なので日によって出現する魔物の種類を把握しているので命令が的確だったのはそこです。

因みに彼女のもやし生活はこの時点で10日目でした。一向にもやし生活を改めないので心配なった親友からいろいろオカズなどを貰っています。(彼女はお礼にイベントで親友の作った薄い本の売り子の手伝いをしています。)


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