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レイヴン戦記  作者: 一弧
第一章 急転
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悪魔の饗宴

 吐き気を催す邪悪、そんな言葉を感じさせる宴であった。

 晩餐会が行われた、領主屋敷の広間で少々待機していると「準備が整ったとのことです」とイゾルデが伝えてきた。


「村の広場で催し物がありますので移動しましょう、暗いですので足元にご注意を」


 テオドールはにこやかに言うとオルトヴィーンとフリートヘルムの案内を開始した、ほどなくして村の広場に到着するが、その光景を見てオルトヴィーンは、絶句する、


「なんだ・・・これは・・・・」


「クズの末路ですね」


 20本ほどある、地面に転がされた丸太に、裸の男達が丸太を背に縛られていた、


「どうぞ、特等席ですよ」


 二人に椅子を勧めると、待機している村人達に号令をかける、


「一人一人、順番に始めぃ!」


「「「「「はっ!」」」」」


ーーーーーーーここから表現を変えて書かせていただきますーーーーーーー

ーーーーーーーーー野球中継と思ってお楽しみくださいーーーーーーーーー


 特等席と呼ばれたオルトヴィーンとフリートヘルムの前に丸太に縛り付けらえた男が男衆の手によって運ばれてきた、男は言葉にならない叫びを上げていた、それを見てテオドールが言う、


「う~ん、煩くないように、舌は抜いてあるんですよね、舌噛まれても厄介ですからね、それでも結構うるさいですねえ。」


 二人は言葉もなく、見ていた。

 バットは縮こまっていたが女衆の一人が皮の手袋を着けた手でボールを押えると、女衆の別の一人が縮こまったバットを踏みつけてボロクズのようにしていた、よく見ると踏みつけた靴には鋲が打ってあり、バットは原型を辛うじてとどめているかどうかという形状へと変化していた。男は首を大きく振り、涙を流し声にならない叫びを絞り出すようにしていだが、中止されることはなかった、同じように作業が延々と続けられた。

 さすがに男衆は、ほんの少し同情の色を見せていたが、悪行が知れ渡っているだけに女衆は「いい気味だ」「あっあいつ私のお尻触ったやつだ!私にやらせて」「ああ、あいつに胸さわられた!そいつ私の」「あっ汚い、こいつ漏らした」「うわ!こいつ小っちゃ!」等と、盛り上がっていた。


 しばらく唖然として見ていたフリートヘルムであったが、我に返り、


「ルールは家や領地によって異なりましょう、されどこれはいくらなんでもやりすぎでは?家格以前の問題として人としての品格を疑われますぞ!」


「ああ、やっぱりそう思いますか・・・・・」


「当たり前です!常識を疑います!」


「ですよねぇ・・・・・・」


「なら何故です?」


 語気鋭く詰め寄るフリートヘルムに対しどこか投げやりにテオドールは答える、それがさらにフリートヘルムを苛立たせた、しかし一転して少し大きめな声でテオドールが声を発する、


「この刑罰の提案者、挙手!」


 テオドールが声を挙げると、勢いよくヒルデガルドとユリアーヌスが挙手し、オズオズとゲルトラウデも手を挙げた、挙手した妹と王女に唖然とする二人を尻目に、テオドールは続ける、


「逆らうと怖いんですよね・・・そういえば品格がどうしたんでしたっけ?」


「ユリアーヌス様、ヒルデガルド・・・本当なのですか?」


 二人にむかってオルトヴィーンが懇願するように問いかける、


「ええ、本当ですわ」


「最初はいかに惨たらしく殺そうかって相談してたんだけど、ゲルトラウデがね『可愛そうだから命は助けてあげてください』って言うのよ、優しいわよねえ、だからこうして命は助けてあげてるのよ。」


 ヒルデガルドの言っている事は半分は嘘であった、より正確に言うなら『楽に殺さず生き地獄を味あわせてやりたい』とゲルトラウデは言ったのであった。唖然とするオルトヴィーンとフリートヘルムを尻目に、ガールズトークを開始する、


「最初は目をくりぬいて鼻を削ぎ落として、とか思ったんだけど、目を潰して放置したらすぐ死んじゃうだろうしねえ」


「ええ、やっぱりきつそうってなると、鉱山とか炭鉱で死ぬまで重労働とかが思いつきますわよねえ。」


「ええ、そうなると目は残す必要あるけど、舌はいらないし、舌噛んで自殺もできなくなるから一石二鳥なのよね」


「問題はそのくらいじゃ甘いんですよね。」


「大甘ね!」


「そうなると一番の罪悪の根源を消去するべきでしょうけど、どうするのが一番いいかってところで、けっこうもめたのよね。」


「スパッと切るよりもっとジワジワやった方がいいじゃない!」


「それには同感ですわ!」


「踏みつぶす、ハンマーで叩き潰す、焼く、この辺が候補として残ったんだけどねぇ」


「聞いた事があったんですよ、ボールだけ残されてバットを潰されると、そっちの方が全部潰されるより後がきついって」


「テオドールとかカイに聞いても、聞きたくないって逃げちゃうのよねぇ」


「ボールを残しておいた方が力は出やすいから鉱山奴隷などにはいいって話も聞いた事があったんですよね。」


「よく知ってるのよね、感心しちゃった!」


「王族への反逆者に対しての拷問や、刑罰の記録がお城には大量にあったんですよ。」


「ってわけで、最終的にこの刑罰で落ち着いたのよ」


 満面の笑みで父と兄に話しかけるが、唖然として何も言えないでいた。何も言えず唖然としている二人にテオドールがダメ押しのように語りかける、


「というわけで、伯爵様の領地には鉱山もおありとのことでしたので、引き取ってはいただけないでしょうか?いえいえ、本日の来訪の御礼ですので。」


 この日のオルトヴィーンの日記にはただ一言書かれているのみであった、『悪魔の饗宴』と。




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