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レイヴン戦記  作者: 一弧
第一章 急転
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ガールズトーク

「とりあえず、彼女どうする?」


 屋敷の会議室で徐に話を始めた、テオドールであったが、女性陣の怒りもだいぶ落ち着いてきていた、誰も先ほどの無礼な男達の事を話題に上げない。重苦しいような表情ながらユリアーヌスが発言する、


「処刑して綺麗に葬ってあげるのが一番の情けかもしれない、特に咎めだてせず追放とかにしても生きていく術があるとは思えないしね・・・・・」


 重苦しい雰囲気が流れる、皆いい方法が思い浮かばず、非情な内容ではあるが、正論であると思われたので特に何も言えないでいた。重苦しい雰囲気のまま、ヒルデガルドが発言する、


「特に反対はしませんが、最後に湯あみでもさせてあげて、好きな物を食べさせてあげるくらいの事はしてあげてもいいかもね、それくらいしかしてあげられないけど。」


「それくらいしかないか・・・奴も昔はあそこまでひどくはなかったが、鬱屈とした歳月が人を歪ませたのかもなぁ・・・・・ドッと疲れたよ、今日は先に休ませてもらう。」


「あっ、ちょっといいですか?」


「ん?」


 去ろうとするエレーナをテオドールが呼び止め質問する、


「それが素なんですか?」


 一瞬キョトンとした顔をした後で質問の意味を理解して軽く笑い、


「久々に真剣勝負をして、着けていた仮面がはがれたのかもしれないな、まぁだいたいこんな感じだ。」


 言うと軽く笑いながら出て行った、それを見送りながらイゾルデは呟いていた、


「やっぱり、かっこいいわ・・・・・」


 『そういう趣味だから今まで独身だったのかよ』という周りの視線に気づき、必死に弁解をはじめた、


「いや、違うぞ、物語に出てくる男装の麗人とか、かっこいいじゃないか!憧れた事あるでしょ?」


 彼女の発言を受け皆微妙な顔で顔を見合わせていた、代表するかのようにユリアーヌスが発言する、


「あのね、普通は女の子はお姫様とかに憧れるものなんじゃないのかしらねぇ・・・・・・」


「姫様だって、女騎士エレーナ対王太子エンゲルベルト大好きだったじゃないですか!」


「あれはねえ、冷静に見ると、レギナント様の戦いは直接的な戦闘で敵を叩き潰すって言うより、心理戦で相手を自滅させるような戦い方が多い気がするのよ、そうなるとどうしても一騎打ちみたいな山場があまりなく、そんな中での一騎打ちシーンだから盛り上がるんじゃないかと思うのよね。」


「たしかに、今回もほぼ相手を自滅させたようなものっだったしね・・・・」


 反論はなくなったが、まだどことなく自分の趣味について語りたげなイゾルデを尻目に、疲れもあったので、テオドールが話はじめた、


「今日は疲れたので、このあたりにしておこう、なんか連中の話聞いた後だと、一人でゆっくりと眠りたい気分だよ・・・・」


「ええ、そうね、ゆっくりとおやすみなさいね。」


 軽くキスをするとテオドールを送り出す、テオドールの退室を確認すると、ユリアーヌスとヒルデガルドは対面して座り直し、かなり険悪な目をしながら話を始めた、口火を切ったのはユリアーヌスだった


「どうする?」


「八つ裂き!」


「ぬるい!」


 アルマはその二人の様子を震え上がりながら見ていたが、自分をバケモノ呼ばわりした男達を弁護する気は毛頭なかった。


「やっぱり、ピーをピーしてピーがピーで、」


「それならいっそ、ピーをピーにした方がより効果的にピーできるんじゃないの?」


 その様子を見ながらイゾルデは、この二人ホントは姉妹なんじゃないだろうか?等と突拍子もないことを考えながら、男達についてはまったく同情する気持ちがおきなかった、しかし、アルマの唖然としながら聞いている様子を見て、小声で囁いた、


「ちょっとお茶でも淹れてきましょうか?」

  

 お茶を淹れて戻ってくると二人の話はかなりヒートアップしていた、『人間ブタ』『ファラリスの雄牛』『凌遅刑』『車裂き』『血の鷲』『ナイスボート』『竹鋸引き』、物騒な単語ばかりが出ており、同情する気は微塵もないが、さすがにイゾルデが割って入った、


「お気持ちは分かりますが、さすがにそこまでやると見てる人間が引くかも・・・・いっその事ゲルトラウデに処刑方を決めてもらうなんていかがでしょうか?」


 今まで議論していた二人が顔を見合わせると、ハモるように言った、


「「それだ!」」


「いや~、あなた冴えてるわね、やっぱ私達じゃ怒りとか憎しみがどうも足りてないのよね」


「そうそう、ちょっと気にいらない事言われただけじゃ、そこまでの憎しみは、わかないものねぇ」


 『あれで足りないのかよ!』とアルマとイゾルデは思いながら小声で話し合った、


「あの二人を絶対に怒らせない方がいいですね。」


「いざとなったらできる限り弁護してやる、その代り私の時もできる限り弁護してくれ。」


 まだまだ二人のガールズトークは続いていた、テオドールが聞いたらトラウマになっていたかもしれなような話を延々と・・・・・・・


 

 

 

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