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10. 運命の2人の物語

あるところに悪魔と戦う戦士がいました。

戦いに明け暮れるある日、戦士は戦場で一人の乙女に出会います。


若く美しい乙女は、傷ついた人々を癒す力を持っていました。


乙女が傷ついた戦士を癒したその時、戦士の左の掌と乙女の右の掌に同じ模様の紋が浮き出たのです。


2人はそれを不思議に思うと同時に、互いの紋が気になって仕方ありません。

そっと互いの紋に触れた時、2人の身体に衝撃が走りました。


──まるで神の祝福を受けたような、恍惚とした(よろこ)び。


2人は互いに夢中になりました。


戦士には無限に力が湧き、どれほど大量の敵もどんなに強い敵も倒すことができます。

乙女にも癒しの力が尽きることなく湧き、戦場を駆ける戦士に寄り添い、支え続けます。


言葉を交わす度に、指を絡ませる度に、互いの目を見つめる度に。

2人の絆は深まり魂は呼び合い、互いが運命の相手だと確かめ合いました。


周囲もそんな2人を喜び、祝福の中で結ばれた2人は皆を幸せにしていきます。



──そんな中、強大な悪魔が出現したのです。



敵はとても強く凶悪で、それを倒せるのは無限に力が湧く戦士と乙女しかいないであろうと思われました。

人々はこの国の未来を、2人に託します。


戦士と乙女はその強大な敵に立ち向かい、死闘の末になんとか討ち倒しました。


──2人の尊い命と引き換えに。


最期のその時まで2人は寄り添い、愛を囁き合い、出会えたことに感謝して、手を繋いで天へと旅立っていきました。


2人の仲間達はその尊い犠牲に感謝し、いつまでも2人を讃えたのでした。



──美しい、愛の物語。



ただその美しい愛で結ばれた2人の裏には、捨てられて涙を流した戦士の妻と幼い娘がいた……そのことは語られることがなかった、そんな、運命の2人の物語。

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