表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生したら正体不明のモフモフでした。なのに世界の運命にぎっています  作者: 白 月虹


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

7/29

第7話 フェンリルとの戦い


「パニル、来い……!」


低く、切羽詰まった声でアランが怒鳴る。


背後では、フェンリルの唸りが大気を震わせ、黒い靄が辺りを覆う。


「きゅッ!」(許さない!)


小さな体は、逃げるどころか一歩前へ出る。


「……っ、馬鹿――!」


(怖い…けど!

訳もわからず、やられたくない!

私だって、二人の役にたちたい!)


その瞬間――パニルの周りが淡い紫色に光り始めた。


「これは、キノコの時と同じ…」


「でも、相手は神獣…無理よ!」


フェンリルが再び牙を剥き、黒い靄を収束させた。だがその直後、パニルの光りが更に強くなり、黒い靄がゆっくりと引き寄せられ、パニルの体へと吸い込まれていった。


「…グルァーー!!」


フェンリルが、今度は雄叫びをあげると、更に黒くなった靄が渦巻く。


「……っ!」


レイチェルが思わず息を飲む。


(そっか。フェンリルさん…苦しいんだね…)


パニルは小さな両手をかざすと、黒い靄が両手へ吸い込まれていく。


(うっ…!さっきより、凄い…手が熱い!)


「よせパニル、無茶だ!」


アランの制止も届かず、パニルは一歩、また一歩と前へ進んで行く。


すると黒い靄がほどけていく。まるで溶けるように、跡形もなく。

やがで、フェンリルは白い光に包まれ、本来の神獣の姿へ戻っていった。


「すごい…」


「今度は、浄化、した?」


完全に正気に戻ったフェンリルは、パニルを見ると一瞬目を見開き、三人に事の説明を始めた。


「最近、闇の力が強くなっているようだ。

私は、操られた狼たちに隙をつかれて、弱ってる間に心を蝕まれてしまった。情けない…そして感謝する。」


「あなたは、昨晩、話しかけてきた?」


パニルの体は思うように動かず、その場に倒れてしまう。それをアランが優しく抱き上げた。


「ああ、自我が少し残っていたから…

誰かに、聞こえて欲しいくて…」


「そう、ですか…救えて、よかった…」


そう言うと、パニルは意識を手放した。


「…その子を守ってくれ。」


フェンリルは静かに告げる。


「今日の出来事は、いずれ波紋のように広がっていくだろう。

そして、そなたたちの旅路はこれまで以上に厳しくなる。――だが」


言葉を続けかけたが、フェンリルは目を細めて飲み込んだ。


「わかりました。て、もうパニルは仲間なので!守るのは当然です!」


「それに、守ってもくれるんです…小さいのに、頼りになるんですよ。」


二人もまた、目を細めてパニルを見つめていた。


━━━━━━━━━━━━━━━


パチパチと言う音と暖かさで、パニルは目覚めた。


(ん、ここはどこ?)


「あら、パニル起きてたのね」


レイチェルが薪を持って、部屋へ入ってきた。


優しくパニル撫でながら、ここがテュセの村で、テュセのベッドの上だと言うことを、説明してくれた。


(テュセの所に行くって約束してたもんね!おじいちゃんはどうだっただろう?)


「きゅ、きゅきゅんきゅん、きゅきゅきゅきゅきゅ?」


「……。」


「…………。」


「あはははは!パニル!何言ってんかわかんねーわ!」


レイチェルとテュセは目が点に、アランはお腹を抱えて笑っていた。

この光景が、いつしかパニルには居心地よくなっていた。


「ごめんね、パニル…」


(あ、ジェスチャーなら!)


パニルはテュセを指さし、その後寝そべり、レイチェルを指さした。


「あはははは!」


大笑いするアランの頭を豪快に叩くと、レイチェルはパニルを抱き上げた。


「テュセのおじいちゃんの事でしょ?」


そう言うと、テュセと共に祖父の部屋へ向う。

パニルの心は期待と不安が入り交じっていた。



つづく。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ