第21話 ユストリニアへ帰還
「止まらず行こう。」
先頭のアランが言う。
「そうね。どのくらいの道かわからないし。」
「…あの人、大丈夫かなぁ…」
「大丈夫だろ。信じよう!」
「うん…。」
どれだけ時間がたったか、わからないくらい歩いていると、おじいさんが居た。
「なんだ。お前たち!」
「ゆきはふりだした。」
「ほう。」
そう言うと老人は、1枚の紙を渡した。
「ここからは別れ道が複数ある。
これが地図のような物だ。その紙はここを出ると燃えるから気をつけなさい。」
「親切にありがとうございます。」
「兵士が、来てて…」
テュセは老人に町の様子を話した。
「そうか…大丈夫じゃよ。ラーナの結界魔法で見つからない。」
「そのラーナさんが、もし…」
「…確信もないんだ。手荒な事はしないはずじゃ。それよりここから数時間はかかるから、食料を持っていくといい。2つ目の別れ道前に休憩出来る場所があるから、使いなさい。」
「…ありがとうございます。」
パニルはレイチェルに抱かれ、四人は進んで行く。
2つ目の別れ道に、休憩出来る場所がある。
「ほんとにあったな。」
「…うん。」
どこか重い空気。
「全部終わったら、会いに来ような!」
アランはカラリと笑いかける。
「そうだね。」
テュセとレイチェルは、顔を見合せて頷いた。
四人は振り返る事なく、洞窟を進んで行くと、行き止まりになる。
「え?ここからどうすれば…」
「紙にはなんて?」
紙を出すと、淡く光る。
すると――。
目の前に魔法陣が浮かび上がり、行き止まりの壁が消えてなくなった。
「すごーい!」
「こんな高等な魔法、エルフじゃないと使えないわよ?」
「エルフも居るって事か?」
「さぁ?…そこまでは…」
外へ出ると、紙は燃えて灰になる。
「こういう事だったのね。」
「ぷきゅ!」(フェンリルさんの山が目の前に!)
「あ、フェンリルの山だ!」
「山を目印、麓を歩いて行こう。」
こうしてガリシアから脱出すると、テュセの家を目指す。
「……ふぅ。」
自分を落ち着かせるため、深呼吸をするテュセ。
「俺たちは何も言わないから、自分の気持ちをぶつけたらいい!」
「……うん。」
家のドアを開けると、祖父が椅子に座っているのが見える。
感情はぐちゃぐちゃになり、テュセはその場で泣き崩れてしまう。
「テュセか!?」
祖父は駆け寄り、テュセを抱きしめる。
「おじいちゃん!おじいちゃんっ!」
「無事で良かった!」
「おじいちゃん、私、聞きたい事が、あって…」
祖母が声に気づいて近づくと、テュセの目を見て、何かを悟った。
「…みんなおかえり。
お腹すいたろ?夕飯を食べてから話そう。」
「私たちは…」
「きゅんぷぷ」(レイチェル、ここはお言葉に甘えよう。テュセのそばに居たいし。)
パニルはレイチェルの腕の中から、見上げて声を出す。
「…お手伝いします。」
ぎこちない夕飯が始まる。それでも美味しく頂くと、祖母がみんなにお茶を淹れる。
「さて…何を見てきたか、教えてくれないか?」
テュセの口からは。と、そこだけアランが説明した。
「そうか…。」
祖母は目を閉じ、思い出すように、ポツリポツリと話し始めた。
「私とじいさんが居た時は、魔物がどうして発生するかを解明したくて、発生場所や、魔物の調査していたんだ。」
テュセはゴクリと喉を鳴らした。
つづく。




