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サイバーファンタジーの異世界で本気出す  作者: 南田華南
怪人六面相編

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第26話 暴霊(ゴースト)

 プライドシティのメガフロンティアタワーの

駐車場で、男達の死闘が繰り広げられていた。

金髪赤眼のジンは、狂気に満ちた笑いを浮かべている。


覚醒したジンに首を絞められているロニエルは、

振り落とそうと暴れるが、ジンは両足でロニの

体を固定する。ジンの技は完全に決まっていた。


 既にジンの腕は普通に戻り、ジンはロニの

首に右腕を回すと、左の上腕部を掴み、

左手でロニの後頭部を押して絞めている。

 意識を保とうとするロニに向かって、

ジンは話しかけてきた。


「ハハハ!! 成功だァ!! たぎるぜェ!! 

自由の風がオレにささやく!!

 世界をかき乱せとなァ!! なにが

コンプラだァ、バカバカしいぃ!! 

 これだから地獄じんせいは楽しいんだよなァ!! 

なぁ、猫!!」


 穴が開いたマスクから火花が出るジンが

話し終わると、ロニは拳銃を落とした。


 次の瞬間、ロニは両手を地面に向け、

脳内で魔法生成AIにプロンプトした。


氷雪連射ブリザード・ラピッドファイア!!」


 ロニはそう叫ぶと、腰を曲げてジンを

天井にぶつけようと考えた。


 凄まじい洪水のような氷が両手から

放出され、二人は垂直上昇した。


 このままロニの背中にいると危ないと

考えたジンは、ロニから離れた。

 そして即座に両手を後ろに回し、

再び手をロニに向けて、こう言った。


音速闇刃ソニック・ダークブレイド!!」


 ジンが放ったブーメランのような形状の

衝撃波はロニの背中に当たった。

 その衝撃波はロ二のタンクトップを

ズタズタに引き裂いた。背中からは

 大量の血がき出し、空中で

ジンの魔法攻撃を受けたロニは叫んだ。


「ぬぐぅわぁあああああああああああ!!」


 ロニの巨体は地面に激突し、うつ伏せに

倒れた。それを見たジンは言う。


「待たせたなァ!! オレ様が本物の

ジンだ!! 個人経営者ソロプレナーのなァ!!」


 ジンは赤い瞳からユラユラと光を出し、

猛スピードでロニに接近する。


 ロニもすぐに立ち上がると、魔法生成AIを

使って、両手に氷の塊を作り出す。


砕氷烈覇ダイヤモンド・スマッシャー!!」


 ロニは氷の塊を両手で砕き、無数の氷の粒が

ジンに向かって発射された。


殺戮鎮魂歌ブルータス・レクイエム


 ジンは自分のパワードスーツを風で

コーティングすると、ロニが放つ氷の粒は

風の流れによって粉々になった。そして

時速100kmの風速で、強化されたジンのこぶしは、

ロニの腹に向かって、限界まで殴り続けた。


 物凄い速さで放たれる拳の雨。ロニは口を

開けて、痙攣けいれんしている。


 そんなロニに対し、ジンはハイテンションで

殴りながら、こう言ってきた。


「魔法ってのはなァ! まずは身体強化が

ミソなんだよォ!! 

 テメェの防御力を高めてからァ! 

相手をブッ壊すんだァ!!」


 最早、無意識と化したじんに対するレクチャーをジンは語った。


 ジンの最後の攻撃は、右ストレートだった。

拳がロニの顔面に食い込む。


 マスクから火花を出すジンの拳を食らい、

よろめきながらも、ロニは立った。

 そして鼻腔びこうから溜まった血を飛ばすと、

目の前に見えるジンに言った。


「これがお前の本気か。フッ、そよ風みてえに生温なまぬるいぜ。」

「こいつはァ、ただの準備運動ウォーミングアップだぜェ!! 

まだ倒れるなよォ!!」

「お前は一つ忘れている。もうすぐお前の

バッテリー残量はゼロになる。」

「途中で下りる奴がゼロになるんだよォ!! 

いくぜェ、猫ォ!!」


 そう言ったジンは、両手を高く上げててのひら

合わせた。ジンの体を風が包み込むように、

螺旋らせん状の竜巻が形成されていった。駐車場に

突如現れた暴風は回転によって勢いを増し、

竜巻の中にいるジンは掌を合わせたまま、

ロニに向かって前方に飛び込んだ。

まるで、全身で空間を切り裂くように進む

ジンは、ドリルのように見えた。


絶空殺ゼックウサツ!!」


 すると、ロニも自身の魔法生成AIに

プロンプトし、こう叫んだ。


冬将軍化ウィンター・ジェネライズ!!」


 ロニの足元から青い魔法陣が浮かび上がり、

魔法陣からあふれ出る光がロニの全身を氷の甲冑で

おおった。ロニの顔が兜と頬当ほおあてによって隠されると

手を前に突き出して、突進してくる竜巻を

防御する。ロニは風の力で押し出された。


「ぐおおおおおおおおおおおおおお!!」


 氷の鎧武者になったロニを螺旋の暴霊ゴーストが襲う。そして次の瞬間、ロニは後ろに

 向かって飛んでいった。ロニの足が凍結状態の床によって加速し、スリップした

 ロニは回転するジンに運ばれた。ロニの背中がコンクリートの壁にぶつかる。


「ぬぉおおおおおおおおおおおおお!!」


 コンクリートの壁に亀裂が入り、男達の

質量と極めて強い風力に耐えられなかった

壁は、徐々にもろくなって崩壊していった。


 ジンとロニはお互いにビルから空中に

放り投げられた。ロニの目には、大穴が

開いたビルの壁が見える。地上33階、

約120メートルの高さから二人は地面に

向かって落下する。ロニの体感速度は

増大していった。


 ふと、ロニはジンの方を見た。彼は

凍っており、ロニの体にくっついていた。

 ジンの体重が加わり、落下スピードで

加速していく。ジンは、バッテリー切れで

 微動だにできなかった。落下している

ことを感じているのはロニだけだった。


 一方、ジンが危機に陥っていることを

知ったミシェルは、銀色のフルフェイスの

ヘルメットと白いライダースーツに

着替えて、ジンの電動バイクに乗っていた。

 赤いテールライトの残像が見えるような、

バイクは猛スピードで走っていた。


 ミシェルはジンの体内に埋め込まれた

通信機能を起動させたが、反応がない。

 焦るミシェルは、心の中でジンの安否を

考えていた。そして心の声が漏れる。


「あの人がいなくなったら、私は

明日から何を希望にすればいいの・・・。」


 ミシェルは、電子回路のように複雑な

ハイウェイのインターチェンジに入った。






 プライドシティ ワールド・キャピタル地区 メガフロンティアタワー前






 黒光りするリムジンがタワーの前に

停車し、車から一人の男が降り立った。


 センターパートの金髪であり、真っ黒なヒゲ

生やした人物。世界一の大富豪と呼ばれている、

クーロン・マッキードだった。Universeユニバース

ロゴが入ったTシャツを着ており、彼の

腕は太く、ステロイドを注入していると

噂されているが、真意は不明である。


 指をこめかみに当てているクーロンは、

量子通信で誰かと話していた。


「ああ、調子はどうだ? ・・・何? 

ゴドリアスとロズノフが?

 やれやれ。あの人達は何も分かってねえな。

大方、例のブレインデータハック事件も、

あの人達の仕業だろうな。まだ重力井戸の

中で物事を考えているようじゃ、宇宙航海

時代に対応できないぜ。」


 クーロンが正面エントランスまで歩いて

いると、突然轟音が鳴り響いた。


 後ろを振り返ると、クーロンが乗っていた

リムジンは大破していた。


 周辺は大騒ぎになり、タワーの近くを

歩いていた群衆はざわめいた。

 しかし、まったく動じないクーロンは

壊れたリムジンに接近した。


 そこには、氷漬けになった金髪の男と

氷の甲冑を着た大男が車の上で倒れていた。

その光景を間近で見たクーロンは笑いながら、

こう言った。


「ワァオ。宇宙そらから男の子が降ってくるとはな。こいつは幸先が良いな。」


 ジンとロニは、数分後にクーロンが呼んだ

防衛用ヒューマノイドに担がれ、白い

グラビランナーの中に入れられた。二人は

拘束され、意識を失っていた。


 白いグラビランナーは離陸し、どこかへ

向かって去っていく。タイミング悪く、

やっと電動バイクでタワー周辺に到着した

ミシェルは、ジンと離れ離れになった。


 同時刻、プライドシティの中央区ワールド・キャピタルにある、

とあるビルの一室で、黄色い野球帽とパーカーを着た青年と、

ピンクのサイドテールの髪型の女子高生が居た。青年は茶色い

ソファに座り、逆に少女は立っていた。


 ピンク髪の少女は、黄色い野球帽と水色の髪が特徴の青年に話しかけた。


「お願いします。親友を助けたいんです。

どうか、VIPルームでのバイトを教えて

ください!! このままだと親友が

死んじゃうかもしれない!!」

「あなたの事情は聞きました。おいら、

無償タダで他人のために動く人、

 大好きなんですよね。特に、命懸けで

頑張る人は初めて見ました。」

「・・・!! それじゃ_」

「でも、おいら無償タダで助けてほしい人は、

大嫌いなんですよね。」

「えっ?」

「ちゃんと自分の力でVIPルームの場所を

調べましたか? 最初からおいらに

頼もうとしてて、楽していませんか?」

「す、すいません。あ、あの、その・・・

最初はあたしが投稿した情報を高く

売って、親友を助けようとしたんです!! 

でも_」

「言い訳しているんですか?」

「い、いや、あの、その・・・ごめん

なさい。六面相さんに依存しました。」


 二人の間に気まずい沈黙が流れた。

やがて六面相は帽子を脱いで、こう言った。


「・・・・・・はい、お疲れ様です。

あなた、合格です。」

「!! 本当ですか!?」

「本当に助けたいなら、まず自分だけで

頑張るんですよね。だけど権力者に

解決法を教えてもらうなら、それ本気で

親友を助けたいと思っていないと思うんです。

それって、思考を放棄していますよね。

解決法を自分で考えないんですよね。」

「・・・・・・」

「あなたは、おいらに会う前に方法を

考えたことを言いました。その後、

言い訳ですかと聞かれて、素直に

謝りましたよね。おいらは、自分に正直な

人が一番好き、なんですよね。」


 のんびりとしたペースで六面相は語っている。ピンク髪の少女が言った。


「ありがとうございます!! 今後もあなたに

着いて行きます!!」

「じゃ、そろそろ行きますか。」

「え、どこにですか?」

「案内しますよ、おいらが。」

「あ、はい!! 行きましょう!!」

「じゃ、先に下で待っていてください。

 おいら、おトイレに行きますから。」


 六面相はソファから立ち上がり、トイレへと

向かっていく。ピンク髪の少女は靴を履き、

扉の向こう側に出た。すると彼女は一瞬、

体が消えたような感覚になった。


 そこは不思議な場所だった。空、森、地面、

草花など全てが正六面体で構成されている。

ピンク髪の少女は既視感があった。かつて、

親友のアリーと一緒に遊んでいたVRゲーム

『キューブリオン』に凄くよく似ていた。


 ピンク色のサイドテールの女子高生が

振り返ると、何故か扉が消失していた。


 自分の手を見ると、既に正六面体へと

変化していた。彼女は、全身がボクセルアートで

構成される何物かに変貌していた。自分の手を

見た彼女は気が狂うように叫びだした。


 そしてトイレから出た六面相は、茶色い

ソファに座ると、テーブルの上に置いて

ある小型タブレット端末を起動し、静かに

モニター画面を見つめ始めた。

スマホだと、改行でこうしないと全く読めないのが悲しいです。

もし読んでいらっしゃる方がいらしたら、申し訳ありませんが、

PC版で読んでください。本当に改善できなくてごめんなさい。

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