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サイバーファンタジーの異世界で本気出す  作者: 南田華南
コレクター編

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第14話 黒騎士

  ジン達がテーブルの上で話していると、突然上空から一台の

 グラビランナーがジン達の近くに着陸し、中から1人の男が

 出てきた。アフロヘアと褐色肌、軍服のボタンを外してて、

 白いシャツが見えるようにしている。アフロヘアの男の名は、

 ジョージ・メリフェザー・ヤングブラッド。特務官ジャッジナイトである。


  青と白で塗装されたグラビランナーから降りたジョーは、

 ジン達を見つけると近づいてきた。ジョーはジンに話す。


「ジン・ゼッカードだな? 初めまして、俺はジョー。今回、

 ベンジャミンの代わりにお前をサポートすることになった。

 よろしくな。マシンスレイヤーの、ジン。」

「・・・ベンに何かあったのか?」

「あいつは元気だよ。他にやるべき仕事クエストをやることになってな。

 早速だが、車内で話さないか? ここじゃあ、話せないんだよ。」

「分かった。おい、ミシェル、ゼン。早く飯を食って行こうぜ。」


  ジンに言われたゼンは慌てて食べ始めた。ミシェルはワイングラスに入った

 液体を飲み干すと、席を立ってジンのもとへ向かった。やがてゼンもジョーの

 グラビランナーに乗り込むと、4人を乗せたグラビランナーは離陸した。空を

 飛ぶグラビランナーの中で、ジョーはジン達に状況を説明し始めた。


七大企業セブン・パワーズの一角、シンク・ディファレントのCEOが何者かに殺された。

 現在、Meroメロ社と同じでCOOが代行している。」

「!!」

「マジっスか!? シンク・ディファレントと言えば、コンピュータを

 初めて開発した伝説の企業じゃないですか!! そこが襲われたんですか!!」

「えーと・・・お前は?」

「俺ァ、ゼンと言います。・・・ヤングブラッド様、弊社のサービスを

 一度お試しになりませんか? うちは有益な情報を提供するユーザーを

 求めているんですよ。ヤングブラッド様が持つ情報を、欲しがるユーザーと

 マッチングさせて、ヤングブラッド様は情報を高く売り、買ったユーザーも

 目的を果たせる。お互いウィンウィンになり、うちも情報提供の場所として

 知名度が上がります。どうです?」


 自己紹介から急に営業トークを始めたゼンに対し、ジョーは興味を持った。


「面白いな、それ!! 俺が知っていることが金になるのか?」

「はい、ヤングブラッド様。ただし最初に弊社が手数料を取ります。

 貴方は手数料よりもお金を稼ぐ必要があり、他のユーザーは貴方が

 投稿した情報を査定します。貴方は最初から皆が欲しがりそうな

 情報を提供すれば、良いのです。その情報を競売にかけ、貴方は

 入札者から莫大なお金を手に入るんですよ!!」

「いいねぇ、気に入ったよ。俺も仕事がら、色んな情報が手に入るが、

 それが金になると思わないから心の奥にしまい込んでいた。登録するぜ。」

「ありがとうございます!! 今後ともご贔屓ひいきにお願い申し上げます!!」


  ゼンはジンを見つめ、やりましたよとジェスチャーを行った。

 ジンも無言でうなづき、ゼンの営業で客を得たことに感謝した。

  ジョーの話が流れたので、ジンはすかさずジョーに話しかけた。


「すまないな。ジョー、特務省ジャッジ・オフィスはコレクターの仕業だと考えているのか?」

「ん? ああ! そういえば今日、俺はお前に頼みごとがあったんだよな。

 ・・・昨日の夜、シティのナイトクラブで殺人事件が起きた。映像がある。

 お前らにも見せたい。それと、映像を見た後は口外しないでくれ。」

「分かった。始めてくれ、ジョー。」


  ジンがそう言うと、隣にいたミシェルやゼンも相槌を打った。

 ジョーは手から立体映像を出現させ、立体映像は再生を始めた。


  プライドシティのオリエント地区にあるナイトクラブ『ダンテ』の

 監視カメラに残った映像が再生された。派手な衣装を着た女性に

 囲まれた男性が酒を飲んでいた。やがて、男性の頭部が消滅した。

 男性の頭から血が噴き出し、近くにいた女性にも血が飛び散った。

 ナイトクラブにいた客と従業員はパニックになり、騒然としている。


  次に、別の監視カメラに視点が切り替わった。階段と廊下が見える。

 階段に突然血痕が付く。やがて赤い斑点は窓に向かって増えていった。


 ジンが廊下を映す映像を見ていると、ジョーが説明を始めた。


「うちのAIアナリスト曰く、コレクターは光学迷彩を装備し、犯行に及んだ。

 そしてビルの窓から脱出し、路地裏で目撃者を追跡し、その目撃者を殺した。」

「!? 他にも犠牲者がいるのか?」

「ああ。アダム・エリック・ホワイト。アダムは運び屋でな。黒桜會こくおうかいっていう

 ギャングと仕事をしていた。黒桜會はオリエント地区の裏社会を仕切る連中だ。

 ミドロワ王に忠誠を誓い、基本はシティ以外の地域の犯罪には関わらない。

 今回も連中が管理するナイトクラブに『シンク・ディファレント』のCEOルカを

 呼んで麻薬を売るだけで、世界中で密輸ルートを作ろうとはしなかった。」

「コレクターはルカがナイトクラブに現れることを知っていた?」

「その通りだぜ、ジン。俺達の見立てでは、コレクターはロズノフからのリークで

 ルカの場所を知った。その目的は七大企業セブン・パワーズの弱体化だ。昔からロズノフは

 新参者のEAMAイーマを支援していた。目的は経政連の改革だろうな。」

「・・・地球侵略を掲げる奴らが経政連の実権を握る。そういうことか。」

「それだけじゃない。コレクターが使う光学迷彩も、出所が七大企業セブン・パワーズ

 パラメディオなんだ。パラメディオは医療機器と軍事兵器のメーカーでな。」

「医療と軍事? どうして両立するんだ?」

「戦場では必ず負傷者が出る。敵味方、双方にだ。そこでパラメディオは

 国境なき医師団に医療機器を売る。一方で、生体情報を手に入れる。

 生体情報から化学兵器や兵士に最適な装備品を開発する。おまけに、

 平時では医療機器と医療AIで大金を稼ぐ。更に手に入れた生体情報を

 別の企業やミドロワの諜報機関に売るんだよ。まず企業からすれば、

 それを元手に商品開発ができる。スパイからすれば、敵国の兵士が

 どういう持病や遺伝子情報を持っているか分かる。」

「ビジネスの循環を作るのか。パラメディオが生体情報を手に入れ、

 それを買った企業やミドロワが悪用し、またパラメディオに頼む。」

「国家と企業が連携し、バイオニック・サイクルが生まれる。」

「まさに資本主義だな。なるほどな。この世界では、ミドロワが

 他国よりも有利な立ち位置なんだな。様々な兵士の生体情報を

 シティの企業に集めさせ、そして外交や軍事に利用する訳か。」

「・・・話を戻そうか。その光学迷彩なんだが、パラメディオは

 何者かに盗まれたと言っているんだ。ジン、どう思う?」

「被害者のふりをして、黒幕っていうケースも考えられるな。」

「ああ、まず光学迷彩はこの世界じゃ滅多に流通していない。

 おそらくパラメディオにいるロズノフの仲間が横流しした。」

「ジョー、あんたは犯人に心当たりがあるのか?」

「俺じゃなくて、エドワード・グッドマンという同僚曰く、

 パラメディオで働くガルフロードという男が怪しい。」


 その名前を聞いた瞬間。オレの脳が一瞬振動を起こした。オレの中に

 いる、ジンの亡霊ゴーストが過去の記憶をオレに見せたかったのか、分からない。

 だが、一瞬黒い甲冑のようなロボットが見えた。あれはなんだったんだ。


 突然額に手を当てたジンを見たミシェルとゼン、ジョーはジンに話しかけた。


「ジンくん、大丈夫!?」

「社長、どうしたんですか!!」

「おい!! 何があった!!!」


  3人から心配されたジンは、右手を上げて制止させた。

 やがてジンは、3人に対してゆっくりと状況を説明した。


「さっきオレの頭の中で、ガルフロードの姿が映ったんだ。

 その時にトラウマなのか、激しい頭痛が起きたんでな。」


 ジンの説明を聞いたジョーは、ジンに向かって話し始めた。


「お前にとってはトラウマかもな。奴はお前を機械化人間サイボーグにさせた人物だ。」

「!! どういうことだ、ジョー!?」

「10年前、当時18歳のお前はガルフロードと対峙した。ガルフロードは元騎士の

 機械化人間サイボーグでな。奴は魔素細菌マナ・バクテリアを殺菌する装置を組み込んでいた。お前は魔法を

 封じられ、しかも身体能力を超強化したガルフロードのスピードに反応できず、

 お前は一方的に奴に切り刻まれた。ミシェルに命を救われたって聞いたぜ。」

「・・・それで俺は機械の体になったのか。」

「ああ・・・それにガルフロードは特殊な機械化手術カスタマイズをしている。

 視覚外の遠距離攻撃にはセンサーが反応し、加速装置で離脱する。

 つまり、奴を長距離で仕留めるのも難しい。近距離で戦うしかない。」

「そいつと戦う場合は、魔法なしでやり合う必要があるのか。」

「コレクターと戦うだけじゃなく、ガルフロードも警戒するべきだな。」

「・・・分かった。それで、あんたの頼みってなんだ?」

「エドが次の犠牲者になるのは、七大企業セブン・パワーズのヨシロ自動車の会長、

 ヒロヤ・ヨシロと推理した。ヨシロ自動車はグラビランナーを

 販売している。世襲制でな、今の会長は6代目だ。ヒロヤ会長は

 地球進出には懐疑的だ。それは経済成長を作るための虚構だとな。」

「虚構? 地球を探すことが?」

「あるかどうか分からない地球を探す。そのために莫大な金が

 宇宙開発に使われる。資本主義は成長し続ける必要がある。

 そこで新しいビジネスを始め、投資先を確保するってことだ。

 それよりも、ヴァドールの環境保護に目を向けろって言っている。

 ヒロヤ会長は地球探しよりも宇宙空間に工場を建設し、今ある

 工場を減らさないかと提案している。だから目をつけられた。」

「ロズノフは投資家だったな・・・経済成長のために暗殺しているのか。」

「嫌な世界だろ、ジン。これがヴァドールの資本主義社会だ。

 金儲けのためなら暴力で達成しようとする。頼む、会長に

 会ってくれないか? 身辺警護を『Bocchiボッチ』に頼みたい。」

「ああ、分かった。それと会社名も変えたんだ。今日から

 オレたちは『ワイルドパンク』だ。宜しくな____」


 ジンとジョーは固く握手した。ジョーはヨシロ自動車の6代目会長、

ヒロヤと会うために繁華街のオリエント地区の高級日本料理店である、

不夜荘ふやそう』に連絡した。一方、ある報道動画が市民の注目を集めていた。

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