15総務さんと貴公子さんの実家へ!
本日の仕事終了。
事件らしい事件も起きず平和な一日だった。
・・みんなネットで議論し合っているのかな?
貴公子「後輩くんお待たせ。仕事は大丈夫かい?」
後輩「ええ。今日は平和でした。」
貴公子「じゃあ行こうか。後輩くんは車だっけ?」
貴公子「話しながら行きたいから今日は僕の車で行こう。」
経理「・・え・・貴公子様が知らない男といるわ!」
経理「エルフが人間と一緒だなんて緊急事態よ。」
・・貴公子さんエルフ呼ばわりされてる・・
エルフってほど日本人離れしてないけどなぁ。
・・
・・・・
貴公子さんの車に乗る。
後輩「やっぱり普通車大きいですね。」
貴公子「妻が普通車にしろって言ったんだ。」
貴公子「僕は便利ならなんでもいいからね。」
後輩「俺はお金ですね。」
後輩「最初中古車乗って、次にバイトして買った新車が今の車なんです。」
後輩「学生でしたし安い軽自動車しか選択肢なかったです。」
貴公子「僕も最初は中古車だったっけ。」
貴公子「慣れないとぶつけそうになるよね。車庫入れとか苦労したよ。」
後輩「乗り始めは、お店の駐車も隣に車があると緊張しました。」
後輩「教習所ってそこまで練習しませんよね。」
貴公子「そうそう。運転してると教習所で起きなかったイレギュラーあるよね。」
貴公子「事故で片側交互通行やってた時、事故現場が気になって運転雑になったことあるよ。」
貴公子「前の車にぶつかりそうだったな。普段から車間距離とる癖つけるの大事。」
後輩「グレーチングが外れてタイヤが空回りした時は慌てました。」
後輩「どうすんだこれーって。」
貴公子「僕もあった。近くの人が助けてくれてなんとかなったよ。」
貴公子「こういう時に後ろから車が来るとさらに慌てちゃったりね。」
後輩「・・俺、その状態になりました。」
後輩「年配の方でしたが、結局その人が助けてくれて脱出しました。」
後輩「無事とは言えない。」
貴公子「どっと疲れが来て・・心が特に疲弊するよね。時間がかかるほどさらに疲弊ドン!」
貴公子「それでも車は手放せられない。」
貴公子「家族がいるから僕が乗せないといけない。」
後輩「俺は仕事で車に乗るから、普段から慣れておかないと。」
貴公子「・・カーチェイスするの?」
後輩「たまにあります。逃走車が小道入って逃げたりして緊張感全開になったり・・」
後輩「まぁその時は小道出たところの信号で止まってて、おおおい!ってなりましたね。」
後輩「自動運転が実用化されたら、いずれカーチェイスも白バイ警官もオービスも死語になるんでしょうね。」
貴公子「すべての車が自動運転車になるのは実用化からさらに先さ。」
貴公子「30年、どんなに早くても20年は未来の話だろうね。」
さすがに30年後は生きてるよね。
道路見るとみんな整然と同じスピードで走ってるんだろうなぁ。
未来の社会って感じだ。わくわくする。
・・
・・・・
貴公子「ここが僕の実家だ。どうぞ入ってくれ。」
後輩「お邪魔します。」
母親「お帰りなさい・・あら?」
貴公子「ただいま。こちら友達の後輩くん。刑事なんだ。」
後輩「始めまして。刑事課の後輩です。」
母親「え!?あ、あなたに友達・・?」
母親「詐欺とかじゃないわよね?」
なんでやねん。
貴公子「僕が誘ったんだから詐欺のわけないよ。」
母親「・・そう。何をお出しすればいいのかしら?お酒とか飲みます?」
後輩「コロナ禍ですのでお酒はちょっと・・」
貴公子「僕が適当に持っていくよ。」
貴公子「母さんは何もしなくていいから。」
母親「・・え、ええ、わかったわ。」
貴公子さんのお母さん綺麗な人だ。
顔面偏差値は9割方遺伝。
・・
・・・・
貴公子さんの部屋は落ち着いた感じがする。
白と薄い水色の壁。薄い茶色の棚。物は少ない。
貴公子「普段はマンション住みだからね、ここはもうたまに使う程度なんだ。」
貴公子「本当はそっちに案内したかったけど・・妻にはあまり会わせたくない。」
後輩「奥さんが他の男の人に会うのは嫌ですよね。」
貴公子「それは別に。むしろ後輩くんの方が・・妻は嗅覚鋭くてね。まぁ妹もだけど。」
貴公子「心の機微に聡いというか、結論から言うと後輩くんが危険かも。」
後輩「え!?」
貴公子「僕は妻の所有物なんだよ。婿養子に入ったこともあって、向こうのルールで生活している。」
貴公子「普通車に乗らされてるのも、その方が見栄えがいいかららしい。」
後輩「婿や嫁は相手の家に入るから、向こうのルールに沿わないといけないとこありますよね。」
後輩「外国人が日本に来たら日本のルールに従うのと同じで。」
貴公子「僕たちも外国では外国のルールに従う。それと同じだ。」
貴公子「もちろん人権や人道に反するルールにまで従ういわれはないが。」
後輩「自分の欲望で相手のルールをねじ曲げなければまぁ大丈夫ですよね。」
後輩「・・というか奥さんの所有物っていうのはあんまり良くないイメージですが。」
貴公子「僕が納得してるから問題ないよ。それに妻の感性は結構楽しい。」
貴公子「少年はかわいく、青年はかっこよく、老年はダンディであるのがあなたの一番輝く形だって。」
貴公子さん、今も落ち着いてる感じが似合ってる。
歳とったら渋めのいい男になりそう。
貴公子「そんなわけで、僕をとられそうだと気付かれたら後輩くんに危害が及ぶ。」
貴公子さんの奥さんってハンターか何かかな?
男同士の友情と男女の愛情は両立すると思うけど。
・・・・
総務「ただいまー。」
母親「お帰りなさい。」
総務「・・兄さんいるんですか?それにこの靴・・後輩さん?」
母親「知ってる人なの?そうなのよあの子が突然連れてきて・・」
母親「ねぇ、あの子騙されてない?」
総務「後輩さんは人を騙せる方ではないですよ。」
総務「気になるなら私が様子を見てきます。同じ署の刑事さんでよく会っていますから。」
母親「ならいいけど・・心配だわ。」
・・・・
貴公子「妹が帰って来たみたいだね。」
貴公子「さすがに戸を開けてると玄関の声がよく聞こえる。」
後輩「防犯を考えると、よく聞こえた方がいいんですよね。」
後輩「プライバシーを考えると難しいところですが。」
髪とか大丈夫かな。総務さんがこっち来るわくわく。
SOUMU「うほうほ、オレ、SOUMU」
SOUMUは窓から放り投げられた。
この町って変なの多くない?
総務「こんばんは。後輩さんいらしてたんですね。」
後輩「お、お邪魔してます。」
総務「様子を見に来ました。」
総務「母のことは気にしないでください。心配性なんです。」
貴公子「昔はよくトラブル持ち込んでたからね。」
貴公子「悪ガキが出入りしたり、女の子が大挙したり。」
総務「断れない性格ですものね。」
貴公子「総務が代わりに追い払ってくれたよね。」
総務「家を荒らされるのは嫌ですもの。」
総務「母が心配するのもわかりますが、後輩さんはそんな人じゃないですよね。」
後輩「・・どうだろう?自分のことってあまりよくわからない気がする。」
後輩「自分の評価と他人の評価が一致しないことも多いし、距離感も人によって違う。」
後輩「自分がいいと思う距離も、他人が嫌がる距離かもしれないし。」
総務「それがわかっていれば大丈夫ですよ。」
総務「ただ・・気にしない人が迷惑をかけて、気にする人は孤独になりやすい気がしますね。」
総務「ちょうどよい距離を見つけることが大切かと。」
むぅ、難しい。
総務「では私はこれで。後輩さん、ゆっくりしていってくださいね。」
総務「それと兄さん・・譲るつもりはないですよ。」
総務さんは退出した。
貴公子「宣戦布告されたかな?いや・・この場合、僕が横やりを入れた形なんだろうね。」
貴公子「・・なんだろうこの感じ。心の底から楽しい気持ちになっていく。」
貴公子「ああ、これが自分で決めるってことなんだね。こんなの初めてだよ!」
え?初めて?
貴公子さんは、子供のように目を輝かせていた。
・・
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