14経理の貴公子
リセット法か・・ネットではどう書かれているかな?
あとで見ようっと。
ジュースジュース~・・あ、あれは!総務さん!!!
・・あれ?
総務さんは、男と談笑していた。
あの人は・・確か経理に入った・・イケメンとして有名な・・
経理の貴公子とかうわさされてる男じゃないか!
うわああああああああああああああああああああああああああ
すごくお似合いだああああああああああああああああああああああ
絵になるほど完璧な美男美女かかかkかpprっるううう
世界は・・美しくなんかない。
汚く、醜い。
・・
・・・・
うわああああん先輩えもーん!
不幸な人は他人を殺すブログの作り方教えてくださああああああい!
俺はこれから武力革命を目指します!
先輩「ほうほう、総務が経理の貴公子と超楽しそうに話をして後輩のことなど眼中になかった・・と。」
後輩「それは言い過ぎですが、くぅ・・オレ・・カテナイ・・アノオトコニ・・オトコトシテ・・マケテル」
先輩「そんなことないと思うがな・・ま、いっか。」
先輩「まずひとつ大事なことを伝えておく・・オレのやり方は、疑われた時点で終わる。」
先輩「疑われていない状態から特定されるのは防げるが、狙いをつけて調べられたらバレるぞ。」
後輩「ポーカーフェイスですね!がんばります!」
先輩「・・まぁとりあえずオレが警察としてお前をリストアップすることになるが。」
後輩「ふええええええん」
先輩「まあ大丈夫だ。経理の貴公子は・・総務の兄だからな。」
後輩「・・・・ふぇ?」
先輩「積極的に公表するもんでもないからな。知らんやつの方が多い。」
先輩「それに既婚者だぞ。婿養子だから苦労してるそうだが・・」
先輩「総務はいい人が見つかったから結婚生活について聞いてるんじゃないか?」
後輩「いい人って?誰ですか?」
先輩「お前以外にいるか?」
後輩「いや、でも、まだ付き合ってすらいないし・・」
先輩「ならオレの方から総務に脈なしだって伝えとくわ。」
先輩「可能性がないなら早く他の人を探した方がいいもんな。」
後輩「そそそそれだけは!脈ある!あります!」
先輩「ならがんばれ。」
先輩「総務の尻に敷かれる未来しか見えないがな。」
俺もそう思います!
そっかーお義兄さんだったかー。
後輩「お土産渡すついでに挨拶して来ます!」
後輩「・・仕事した方がいいですかね?」
先輩「昨日まで仕事しすぎだったからちょうどいいだろ。」
先輩「ただ他の人は普通に働いているからこっそりな。」
後輩「了解です。」
お土産持って出発。
先輩「・・お前って土産どれだけ買ったんだ?」
後輩「余るくらい。」
余ったら自分用。
・・
・・・・
まだいるかな・・いた。
ここはさりげなく”今日もマントルが空を飛んでますね”だな。
・・ん?俺そんなこと考えてないよ。
ナレーション「後輩はなめまわすように経理の貴公子を見た。」
ナレーション「後輩は言った。俺のY染色体を試してみませんか?」
後輩「壁に埋めていい?」
ナレーション「もう埋まってる。」
俺はナレーションを壁から出した。
・・
・・・・
後輩「こんにちは。」
総務「あら後輩さんこんにちは。」
貴公子「こんにちは。総務の知り合いか?」
総務「刑事課の後輩さんです。」
貴公子「・・僕がやりました。」
後輩「何を!?」
貴公子「いやごめんごめん、刑事って聞くと自首したくならないか?」
後輩「その理論だと刑事課は自首のメッカですね。」
周りみんな刑事ですもん。
総務「初対面なんですからいきなり飛ばさないでください。」
総務「すみません、こちら経理課で働く兄です。」
後輩「経理にイケメンが入ったとうわさは聞いています。」
後輩「なんでも経理の貴公子と呼ばれているとか。」
貴公子「僕は一般庶民だからね、本物の貴公子階級の人に悪いよ。」
貴公子「外見や雰囲気でそう呼ばれているけど、仕事の方を評価してもらいたいな。」
後輩「経理の仕事って大変ですか?」
貴公子「ああ、今もバッチががんばってるよ。」
後輩「バッチ・・ああ、エクセルのマクロみたいな一括処理のやつですね。」
貴公子「今なんか大変みたいだね。謀反が起きたとか。」
貴公子「それで上司が出払ってて席にいる必要がないんだよ。」
後輩「謀反・・え、そんな大事になっているんですか。」
総務「事件の中心は署長と先輩さんでは?」
総務「刑事課はどんな様子ですか?」
後輩「課長が呼び出されましたが、先輩はどこ吹く風って感じですね。」
貴公子「台風の目だね。事件の中心は無風で周りが騒いでいる状態。」
貴公子「慌てず騒がず注視しているってとこかな?」
総務「だと思いますよ。おそらく先輩さんはいつ動くべきか見定めているところでしょう。」
総務「・・おせっかいな人ですからどこかで動くはずです。」
貴公子「よく理解しているね。もしかして総務のいい人かい?」
ふぁ!?
総務「いえ、戦友ですね。」
総務「殴り合い罵り合って友情を深めた感じです。」
貴公子「そうなんだ。喧嘩するほど愛情は薄れるそうだ。」
貴公子「いい人がいたら仲良くするんだよ。」
総務「はい。」
そ、そうだよな。
場合によっては先輩がライバルになる可能性だって・・
俺ももっと積極的に行かないとだめか?
後輩「あ、その俺、出張から帰って来たばかりなんですよ。」
後輩「これお土産です。」
総務「ありがとうございます♪実は気になっていました。」
貴公子「え?僕もいいのかい?」
買収されてください。
後輩「お土産は余るくらい買って自分も楽しむ派なので大丈夫です。」
後輩「今はあまり観光もできませんし、その分お土産に力を入れてしまいますね。」
貴公子「じゃあいただくよ・・東京土産とは嬉しいね!懐かしいよ。」
貴公子「僕の前職は東京で、いわゆるIT土方をやっていたんだ。」
後輩「詳しくないですが、プログラミングとかですか?」
貴公子「ああ、プログラミングや仕様書作りもやったよ。」
貴公子「他にも品質検査や客先で運用保守、営業もやった。」
後輩「すごい!なんでもできるんですね。」
総務「頼まれたら断れないだけですよ。」
総務「それで体を壊して離職してるんですから。」
貴公子「その辺は勘弁してくれないか。」
貴公子「妻にもずいぶん言われたよ。」
総務「当然です。」
後輩「それで警察へ?」
貴公子「総務から目の届くところにいろと言われてね。」
貴公子「仕事は探さなきゃいけなかったから事務方に応募したんだ。」
後輩「・・サイバー対策課とかは受けなかったんですか?」
貴公子「新しいことに挑戦したかったのと、ITには元々興味なかったからね。」
貴公子「でもいい経験になったよ。経理でも仕事時間を短縮するのに役立ってる。」
なんでIT業界に行ったんだろう。
能力高そうだけど、いまいちわかんない人だ。
・・
・・・・
戻ってみると、まだ課長は会議に行ったままみたい。
経理の貴公子・・近くで見るとほんっとイケメンだったな・・
同じ生物であることに疑問を感じるよ。
神様はいつも不平等だ。
もしかしたら、悪魔の方が平等なのかもしれない。
・・
・・・・
お昼になった。
後輩「先輩お昼どうします?」
先輩「今面倒なことになっているから身を隠す。」
後輩「あ・・はい。」
大変そうだ。
今どうなってるんだろうな。
・・
・・・・
食堂でうどんを食べながらネットを見る。
・・今日更新された”不幸な人は他人を殺すブログ”は賛否が真っ二つに別れていた。
後輩「・・国民同士で争うだけな気がする・・」
貴公子「今まで安全圏にいた人たちが資産差し押さえ案にブチ切れてるね。」
後輩「貴公子さん!?」
貴公子「後輩くんはご飯食べながらネットやるタイプなんだね。」
貴公子「僕も昼食。ここいい?」
後輩「は、はいどうぞ。」
こ、これはチャンス!
お義兄さんと呼べるくらい距離を詰める!
先制攻撃だあああ!
貴公子「総務・・妹のいい人は後輩くんだったんだね。」
ふぁっふ!?先制攻撃された!?
緊急事態発生。各員ただちに避難を開始してください。
な、ななな・・
後輩「な、なぜ、そう・・思います?」
貴公子「ふたりの様子を見てなんとなくわかったよ。」
貴公子「まだぎこちなく危うい感じはするけどね。」
後輩「・・やっぱり?」
貴公子「妹はね、強くあろうとしているけど本当は弱い子なんだ。」
貴公子「プライベートではよく不安そうにしている。」
貴公子「昔は僕がよく慰めたりしたよ・・これからはキミに任せることになるのかな?」
後輩「う・・でも俺、あなたほど強くないです。」
後輩「貴公子さんの代わりにはなれないと思います。」
貴公子「強くあろうとする妹に強さで守ってもしょうがないさ。」
貴公子「後輩くんの優しさで包んでやってくれ。それはキミにしかできないことだ。」
後輩「あ・・はい!」
貴公子「助かるよ。妹は独占欲が強くてね。」
貴公子「全力であの子に執着されてくれ。」
・・ん?
貴公子「僕と妹は真逆の性格でね、妹は好きになったものをひたすら愛し大切にし続ける。」
貴公子「一度東京へ逃げたんだけど失敗したよははは。」
後輩「それは・・どうコメントしていいかわかりません。」
後輩「いわゆる、メンヘラですか?」
貴公子「ちょっと怖がらせちゃったかな?ごめんごめん。」
貴公子「一般的なメンヘラとはだいぶ違う。依存という点は類似しているかな。」
貴公子「妹の場合は物に対して執着することが多かったね。人は・・今まで僕くらいだった。」
貴公子「愛されるより愛したい感じかな。でもそれほど強く束縛はしない。」
貴公子「僕の結婚も喜んでくれたよ。妻とも仲良くやってる。」
貴公子「破壊衝動や感情的になることはないね。」
貴公子「執着する、構う、決して捨てない・・」
貴公子「妹の部屋へ行ったら私物を見てみればいい。あの子がこれまで愛したものがあるから。」
後輩「・・こっちにデメリットないような。」
貴公子「そう思ってくれたなら嬉しいよ。」
貴公子「妹が恋愛で執着するのは初めてのケースだ。」
貴公子「今まで全然人を好きにならなかったから心配してたけど、これで安心できるよ。」
後輩「とはいえ、まだ付き合ってもいなければ恋愛って感じでもないんですが。」
後輩「総務さんの好きなものとか教えてもらえると助かります。」
貴公子「え?・・友達以上恋人未満くらいじゃないの?」
後輩「知り合い以上友達未満・・ですね。」
貴公子「それは驚いた。妹は恋愛に関しては驚くほど奥手なのか。」
貴公子「ならきっかけを作ろう。僕の友達として実家に来なよ。」
総務さんは実家暮らしなのかな?
貴公子「後輩くんの趣味は?家に来てもらうなら・・ゲームとかやる?プラモとかは?」
後輩「俺・・趣味と言えるものがないんですよ。」
後輩「誘われてゲームもプラモもやりましたけどハマらなくて。」
後輩「カラオケもボウリングもダーツもテニスもバドミントンも誘われてやりましたがあまり・・」
後輩「遊ぶと楽しいんですが、自分からやりたいとは思わないんです。」
貴公子「・・驚いた。僕も同じだよ。」
貴公子「IT系だとゲーマーも多くてね。誘われるままゲームやりまくったよ。」
貴公子「レトロゲームで力の種ドロップする敵狩りまくってしっぷうではぐメタ倒したり。」
貴公子「ロボット好きな人やジオラマ好きな人と一緒に徹夜して背景ジオラマ作って模型設置して写真撮って・・楽しかった。」
貴公子「ゴルフも卓球もビリヤードもボカロもやった。ゲーセンはしごしたり徹マンしたり。」
貴公子「全部誘われて始めて・・楽しかったけど、自分からやろうとは思わないんだよね。」
後輩「他人と一緒に遊ぶのが好きってわけでもないんですよね。」
後輩「ひとりでも楽しめますし、誘ってまで遊びたいとも思いませんし。」
貴公子「そうそう。この手の娯楽にまったく触れなくても平気なんだよね。」
貴公子「・・もしかして、僕の弟だったりする?」
後輩「外見が違いすぎるので・・」
貴公子「外見が似て性格が違う兄妹もいるんだ。」
貴公子「性格が似て外見が違う兄弟もいるかもよ。」
後輩「総務さんと付き合えなくなるので認められません。」
貴公子「そっか。それは重要だね。」
貴公子「・・うん、今日実家来なよ。キミのこともっと知りたいな。」
後輩「ふぉう!?急ですね。」
貴公子「刑事は事件があればプライベート潰されるんだろ?」
貴公子「時間がある時にやらないとね。」
貴公子「ああ・・なんだかキミを妹に渡すのが惜しくなってきた。」
貴公子「妹は諦めて僕の弟にならない?」
貴公子さんとの距離が近づいた。
でもなんか目的から遠ざかった気がする!
・・
・・・・
昼食から戻ると先輩も課長もまだ戻っていなかった。
先輩はお昼休み終了ギリギリに戻って来た。
課長はまだ。
先輩「ギリギリセーフ。」
後輩「・・先輩、貴公子さんのことどれくらい知っていました?」
先輩「妹(総務)に好かれて辛いって言ってたけど、あいつもずいぶんなシスコンだってことくらい。」
先輩「あとあいつナルシストだな。自分大好きちゃんだぞ。」
先輩「もしかして総務にふさわしくないとか言われたか?」
後輩「・・弟にならないかって言われました。」
先輩「やったな!もう義弟として認められるとはさすが後輩。」
先輩「まあお前なら時間の問題だっただろうが。」
後輩「いえ・・義理ではない方の弟です・・」
先輩「???」
後輩「総務さんのこと諦めて実弟にならないかって・・」
後輩「今日遊びに来るよう誘われました・・」
先輩「・・・・コミュ力が限界突破してる・・・・」
俺、特別なこと何もしてないよね?
コミュ力とか普通だよね?
俺がおかしいの?
・・
・・・・




