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脱走ゴーレムは働きたくない!  作者: 173号機


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13/49

第13話 初めての戦い

▼26.06.11誤字修正

▼26.06.13ステータスに【体 格】〖体格情報〗追記

▼26.06.14誤字修正

▼26.06.29ステータスにウルトラ清潔機構追記

▼26.07.08後書き追記

 歩きながらの友達とはなんぞやという話し合いはおおいに白熱していた。けれどそれは一旦中止になった。

 何故か。そりゃ僕が魔物の尻尾を踏んづけたからだよ。


「えぇぇ、なんで!? まだ坑道じゃないのに!!」


 慌てて飛び退けたけど魔物は「ゲシャァァァァ!!」っと唾液を撒き散らしながら威嚇してくる。3メートルくらいのムカデの魔物だ。わしゃあって動くたくさんの足のがとっても気持ち悪い。こいつとは話し合う気にすらならない。


「何やってんだ馬鹿!」

「とっくの昔に坑道に入ってたろ馬鹿が!」

「目ん玉潰れてんのか馬鹿野郎!!」


 ロイとユック、それからオルまでもが僕を安全な方へ引っ張りながら罵倒してくる。

 話し合いに夢中すぎてまったく気付かなかった。言われてみれば確かに壁とか地面の質感が隠し通路とは全然違う。自然剥き出しの岩肌が削り取られてるって感じ。でもさ……


「坑道ってもっと暗くて狭いものでしょ!」

「この坑道は兄貴が灯りと拡張の魔法陣を描きまくってるんだよ!」


 魔物を警戒しつつ一人でどこかに向かおうとしているオルが教えてくれた。

 単独行動は危ないんじゃと思ったけど、ロイがそれを止めないところを見るに、オルはよくこの坑道を使うんだろう。どこに何があるのかを把握してるっぽいしね。


「――え? ちょっと、止めてよ」


 離れていくオルを見ていたらユックが僕を盾にして詠唱し始めた。なんで? 酷くない?


「逃げないの?」

「もったいねぇだろ」

「解析してみな」


 ユックもロイも連結スキルに解析装置を選んだらしい。少しの間とはいえ記憶の連結もしてたから、使い方はバッチリっぽいね。


 ---------

【種族名】青色オオドクキツネムカデ

【形 状】岩ムカデ型

【食 用】可

【危険度】C

【進化率】☆

【変異率】☆☆

【能力値】

 〖体〗E〖攻〗D〖守〗D〖速〗C〖精〗G〖魔〗G

【属 性】

 〖先天〗土,火,毒

 〖獲得〗氷

【魔 法】

 〖下級〗土,毒

【スキル】

 〖固有〗幻覚毒霧

 〖種族〗猛毒針,火属性吸収,噛み千切り,狐火モドキ

 〖習得〗火石ブレス,毒針飛ばし,アイススプレー

【魔力結晶体】尻尾と毒針及び両目に微細な反応あり

【棲息地情報】ゼルカト山坑道

【魔物図鑑抜粋】

 尾に大きな毒針を持ち、それを隠すようにもふもふものキツネ尻尾が生えている大きな岩ムカデの変異体。体長が1メートルを超えると成体扱いされ、その後は毎年1メートルずつ大きくなっていく。青光りする外殻は非常に硬いだけでなく、触れたものを瞬時に凍らせる。火属性のものを吸収するとそれはより強力になる。主食は岩や鉱物だが肉も嫌いなわけではない。

 ---------


 う~ん、だからどうしたって感じなんだけど……。


「お腹空いてるの?」

「はぁ!?」


 ユックが馬鹿を見るよな目を向けてくる。ロイも呆れたふうな顔をしていてちょっと傷付く。

 だって特にレアな素材が取れるってわけでもないし、連結してまで使いたいスキルがあるわけでもない。となると食用かどうかしか気にならないと思ったんだ。

 さらに詳しく解析してお刺身がベストって情報を得ていた僕はしょんぼりだ。


「しかし、イコルアの解析装置は便利だな」


 言いながらロイはキョロキョロして「あっちの壁にゼルカト結晶がある」とかなんとか呟く。

 それって魔石の成り損ないだよね。ていうか魔物と対峙してるこの状況より大切なことかなそれ……なんて考えていたらユックの詠唱が終わったらしい。魔力がユックの頭上に集約されていくのがわかる。


「――聖炎弾(ロア・バレット)!」


 ユックが最後の魔法発動呪文を口にすると同時に白い炎の魔法陣がいくつも現れて、そこから無数の火炎弾が魔物へ発射された。見た目はほぼ火魔法のそれ。魔物は油断して避ける素振りも見せない。

 でもユックの魔法は聖火属性だからね。似ててもまったくの別物。可哀想に、こんがり焼きあがって魔物避け効果のある聖なる香りまで発している。


「……焼いた方が好きなの?」


 解析装置は使った個人に役立つような情報が得られる。だからもしかするとユックの場合は焼きがベストってでたのかもしれない。


「さっきから何言ってんだ」


 ユックは僕をポイ捨てするように離すと、さっさと魔物の解体を始めた。

 一方ロイはゼルカト結晶なるものを掘り出すべく、壁に魔法陣を描き始める……え、僕たち逃走中なんだよね。余裕こきすぎじゃない?


「あのさ――」

「ああ! もう倒してる!!」


 先を急ごうと促す前にオルが戻ってきた。短めの槍を三本両手で抱えている。


「なんだよ、倉庫まで行った意味ねぇじゃん!」

「いや、ちょうどいい。その槍を貸せ」


 ユックが真っ先に解体したのは大きな毒針。ぽたぽた滴ってる紫色の液体は毒だね。オルから一本だけ槍を受け取って、器用に毒針をその先端にくくりつけた。


「ほらよ。これでお前も戦えるだろ」


 ユックから改造槍を受け取ったオルは目を輝かせている。

 良く見積もってもせいぜいDランク装備だし使い手にも毒が回る危険がある。そこまで喜んでいいものじゃないと思うけど……言うと槍で突かれそうだから黙っておいた。


「ところでユックのローブなんなの? 懐からナイフや縄がするする出てくるけどさ……」


 友達のものを勝手に解析するのも良くないことだって力説してたから聞いてみた。


「友達のことは記憶で確認すればいいだろ」


 なんてことだ。すごい嫌味じゃないか。

 ユックたちがあまりにも嫌がるから、僕に流れ込んできた二人の記憶は別枠データとして保管。本人の許可がないと詳しく見れないようにロックをかけたってのに。


「じゃあロック解除してよね」

「やなこった」


 ユックはニヤニヤした後、毒針以外にも尻尾や外殻を懐にしまっていく。

 ロイは……ゼルカト結晶(魔石の成り損ない)を手にして嬉しそうだ。それにしても相変わらず滅茶苦茶な魔法陣なのに壁を壊せるだなんて、ロイのデタラメ魔法陣は本当に不思議な固有スキルだ。後でじっくり解析してみよう。

 でもまずは連結後の僕たちのステータスを確認しておこうかな。本当は坑道へ入る前に確認するつもりだったんだけど、気付かなかったから。てへへ。


 ---------

【名 前】ロイ

【種族名】クォーターエルフ

【出身地】アドロススル大陸西部ポリヌガ王国ロツ地方ガレ村

【職 業】石拾い

【性 別】男

【年 齢】27歳

【体 格】〖身長〗188cm〖体重〗61kg

【レベル】5

【能力値】

 〖体〗B〖攻〗F〖守〗G〖速〗F〖精〗C〖魔〗D

【属性一覧】

 〖先天〗水,風,雷

 〖連結〗聖火

【魔法一覧】

 〖下級〗-

 〖連結〗下級聖火

【スキル一覧】

 〖固有〗デタラメ魔法陣

 〖種族〗クォーターブラッド

 〖習得〗毒耐性,苦痛耐性,閨術,ゼルカト山の知識

 〖連結〗解析装置,自己修復装置,簡易飛行,火属性吸収

     不滅のアルコルトルア管理マニュアル

【特記事項】

 イコルアのせいで生活を捨てる羽目になった哀れな男。本名は忘れてしまった。オルに亡き弟妹を重ねている。イコルアとのステータス仮連結のより連結スキルから(標準装備を含む)5つ選択し使用可能になり、下級魔法の適正も発現。軽度の水虫。前立腺快楽過敏。

 ---------

【名 前】ユック・コロン

【種族名】赤天使族

【出身地】ネダラケンガ大陸中央メネメス国ブルウェイン地帯

【職 業】フラテリス教司祭,非合法治療師

【性 別】男

【年 齢】23

【レベル】23

【体 格】〖身長〗184cm〖体重〗68kg

【能力値】

 〖体〗E〖攻〗G〖守〗G〖速〗F〖精〗D〖魔〗A

【属性一覧】

 〖先天〗聖火

 〖連結〗水,風,雷

【魔法一覧】

 〖下級〗聖火〖中級〗聖火〖上級〗-

 〖連結〗無し

【スキル一覧】

 〖固有〗煌めく赤き祈り

 〖種族〗火属性強化,火属性吸収,簡易飛行

 〖習得〗祈祷,病的清掃,下級神聖文字解読

 〖連結〗解析装置,自己修復装置,ウルトラ清潔機構

     ゼルカト山の知識

     不滅のアルコルトルア管理マニュアル

【特記事項】

 火精霊と天使族の混血。精霊種とヒト種の混血は非常に珍しい。輝くような赤い髪と赤い瞳には稀に火精霊が休憩しにくる。清貧とフラテリス教会の上層部が大嫌い。お金を愛している。臍の位置に拳大の穴があり中心に赤く美しい精霊石が浮かんでいる。イコルアとのステータス仮連結のより連結スキルから(標準装備を含む)5つ選択し使用可能になり、上級魔法の適正も発現。軽度の水虫。童貞非処女。


 ---------

【基礎項目】

 〖名前〗イコルア・アトゥロミカ・ロシティヌア

 〖種族〗ルトル=コルキス型アルコルトルアゴーレム

 〖性別〗男

 〖職業〗無し

 〖誕生〗フェグナリア歴1571937年

 〖体格情報〗身長175cm体重60kg/身長115cm体重22kg

【能力値】

 〖レベル〗無しまたは0~28で操作可能

 〖属 性〗無し,水,風,雷,聖火から選択可能

 〖改造歴〗無し

 〖体 力〗650(+600)

 〖攻撃力〗150(+100)

 〖防御力〗60(+10)

 〖素早さ〗1300(+80)

 〖精神力〗1400(+400)

 〖魔 力〗2300(+1300) 

【魔法一覧】

 〖下級〗聖火〖中級〗聖火〖上級〗-〖特級〗-〖魔神〗-

【標準装備一覧】

 解析装置/自己修復装置/魔核燃料機構/ウルトラ清潔機構

 廃棄物等こねこね機/アルコルトルア式孵卵機

 ルトルとコルキス/不滅のアルコルトルア管理マニュアル

〖魔力または精神力不足による起動不可装備〗

 亡国発生装置/スピリットデコイズ/オートバリア機構

 アイギス機構/魔核彫刻機構/魔核魔法機構

【スキル一覧】

 〖固有〗

 強制連結/フォグミストヘイズ

 〖習得〗

 オッドダンス/ピキュリアソング/フレンズマージΩ

 〖連結〗

 毒耐性,苦痛耐性,閨術,火属性強化,火属性吸収

 簡易飛行,祈祷,下級神聖文字解読,煌めく赤き祈り

 デタラメ魔法陣,ゼルカト山の知識

 クォーターブラッド

〖魔力または精神力不足による使用不可習得スキル〗

 うっかりエッグマニア/不完全リバイブスプラウト

 異常空腹/うふふ、わたしリリカよ!!

【連結対象】

 ロイ

 ユック・コロン

【状態&履歴】

 ▼ボディフレーム:ルトル・アトゥール

 ▼深刻な魔力不足

 ▼強制連結によりレベルと属性を選択可能

 ▼強制連結により上記()内分だけ能力値上昇

 ▼強制連結により連結スキルと魔法を獲得

 ▼病的清掃スキルは不要、連結カット

 ▼職業は不要、連結カット

 ▼軽度の水虫(強制連結によりロイの水虫に感染)

 ▼前立腺快楽過敏(強制連結によりユックの身体的特徴を獲得)

 ----------


 ふふふ。ロイもユックも管理マニュアルを選んでるね……ん!?


「あああああああああ!!!!」


 僕は思わずユックの胸ぐらを掴んで一発ぶん殴ってしまった。

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